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「Go Toキャンペーン」1兆7千億円に非難殺到、星浩も「正気か」! 一方、官邸は異常な楽観論、田崎史郎も「夏の観光に間に合うようコロナが収束」
経済産業省HPより
安倍首相が打ち出した「アベノマスク」にカビが付着するなどの不良品が見つかっていたことが報道によってあきらかになり、昨日22日、厚労省もその事実を認めた。ネット上では「アベノマスク」ならぬ「カビノマスク」などと呼ばれはじめているが、安倍政権は全戸配布の計画を撤回することなく、布マスク配布に446億円もの血税を注ぐという。
だが、「税金の使い道」として批判が高まっているのは、アベノマスクだけではない。
昨日22日放送の『news23』(TBS)では、安倍首相が時間を浪費してまとめた緊急経済対策の中身に疑義を呈した。その最たる例として挙げられたのが、「Go To キャンペーン」予算だ。
本サイトでも以前すでに取り上げたが、あらためておさらいすると、この「Go To キャンペーン」というのは、経産省の説明によると〈感染症流⾏が収束した後、国内における⼈の流れと街のにぎわいを創り出し、地域を再活性化するため〉におこなわれるもので、旅行や飲食、イベント、商店街への消費喚起のための「Go To Travel キャンペーン」「Go To Eat キャンペーン」「Go To Event キャンペーン」「Go To 商店街 キャンペーン」を実施するという。その事業費に、なんと1兆6794億円も計上しているのだ。
この予算がいかに異常なものかは、喫緊に必要だといわれている予算と比較すれば一目瞭然だ。実際、「マスク、消毒用エタノール等の物資の確保」に1838億円、「人工呼吸器の確保」に265億円、「ワクチン・治療法の開発促進等」に275億円、「国立病院機構・地域医療機能推進機構における医療提供体制の整備」に65億円、「検査体制の確保」に49億円(すべて厚労省補正予算案から)しか計上されていない。この厚労省補正予算案で「感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発」のために計上されているのは、トータルで6695億円だ。
また、厚労省以外の省庁の関連予算をかき集めても、「感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発」のための総額は約2兆5000億円。ここには例の、新型コロナの日本の対策に対するSNSなどの批判をチェックして海外からの批判を封じ込めるために外務省に計上されている24億円など、新型コロナ対策とは言えないものまで含まれているのだ。
にもかかわらず、いつ収束するのか世界中の誰も知る由もない収束後のレジャーや外食などの消費喚起キャンペーンの費用に1兆6794億円も計上し、一方で厚労省による医療現場用のマスクなどの物資確保やワクチン・治療法開発、医療提供体制の整備、検査体制の確保などの緊急性の高い分野には、消費喚起キャンペーンの約3分の1しか予算を充てていない……。「どこが緊急?」と言われて当然の内容だろう。
実際、『news23』は「Go To キャンペーン」に1兆6794億円、厚労省の「感染拡大防止や医療体制の整備」に6695億円という金額を比較して伝えたのだが、アンカーの星浩氏は「この『Go To キャンペーン』について官僚と話をしたことがあるんですけど、私、思わず『あなたがた正気ですか?』と言ってしまった」と語った上で、「言ってみれば、いま火事が燃え盛っているのに、火事が収まったあとの宴会の話をしているようなもの」「こういうお金があるんだったら、医療とか(国民への)手当・給付に回すべき」と一刀両断。
当然、番組を受けてネット上でも批判が巻き起こった。
〈待て待て待て。コロナ終息の目処も立ってないのにどこに大金使ってんだ。〉
〈Go To キャンペーン?聞き間違い?ですか?今ですか?終息後のことよりも、今は命を守るために、医療に予算を投じるべきでは? 聞き間違い? 旅館や旅行会社、飲食店が困っている今助けてあげてほしいです。つぶれてからでは、GoToもないのに。〉
〈安倍首相は目下瀕死状態にある業態への個別補償を「現実的ではない」と一顧だにしないが、このキャンペーンほど現実を見ていないものもない。優先順位が真逆だ。〉
〈今まで感じた事のない目眩を覚えた。〉
〈国民のための医療費よりもGoToキャンペーン。政治が悪いって、率直にこういうことだと思う。〉
『news23』星浩の「正気ですか」に続き、俳優の古舘寛治も「頭イカれている」
さらに、名バイプレイヤーであり、臆することなく政権批判を繰り出している俳優の古舘寛治氏も、こうツイートした。
〈おれらの政府…このバランス感…頭イカれてる…〉
まさに「Go To キャンペーン」は「正気か」「頭イカれている」としか言いようがない絶句の施策だが、しかし、じつは「いまそれ!?」とツッコまざるを得ない予算計上はほかにも山ほどある。
たとえば、「Go Toキャンペーン」と同様に、国交省補正予算案では観光需要の回復のための「反転攻勢に備えた観光基盤の整備」に158億1000万円、インバウンド回復のための「海外に向けた大規模プロモーション」に96億2400万円などを計上。さらに、〈建設生産プロセス等の全面的なデジタル化〉などによって公共事業の生産性向上を図るという施策に、177億7770万円も計上しているのである。
一応、この予算のなかには〈港湾へのライブカメラの設置による検疫時等の情報収集能力の向上〉や〈ICT を活用した自動車運行管理等の非接触化・リモート化〉なども含まれているというが、公共事業におけるデジタル化推進で生産性を向上させようという施策の何が新型コロナの緊急対策なのか。さっぱり意味がわからない。
また、文科省の補正予算案では「スポーツ・文化芸術への関心と熱意を取り戻すイベントの開催支援」に22 億円を計上。これは〈文化関係団体やフリーランスの芸術家等の公演や展示・展覧会等を開催することにより、文化芸術に対する関心を高める〉ための予算だというのだが、文化芸術への関心を高めることより、イベント・公演などの自粛要請にともなう補償や、文化芸術に携わる人びとへ支援が先だろう。
だが、こうした補正予算案のなかでもバカバカしさが飛び抜けているのが、環境省のある施策だ。環境省は「国立公園等への誘客・ワーケーションの推進と収束までの間の地域の雇用の維持・確保」に30 億円を計上しているのだが、関係事業者の雇用の維持・確保しようという部分は理解できる。問題は、「国立公園等への誘客・ワーケーションの推進」のほうだ。
環境省の説明によると、〈ワーケーションとは、「ワーク」と「バケーション」を合わせた造語〉で、〈観光地といった通常の職場以外でテレワーク等で働きながら休暇も楽しむもの〉。今回、環境省は新型コロナ収束後の「ワーケーション」を後押しするべく、〈約6億円かけて国立公園内のキャンプ場などに通信環境を整備する〉(朝日新聞4月7日付)というのである。
市中では自宅待機中の患者が死亡するという恐れていたことが起こりはじめているというのに、この国の政府は収束後の「Go To キャンペーン」に1兆6794億円も計上したり、〈自然の中でクリエイティブに仕事ができる場として国立・国定公園の新たな魅力を打ち出す〉などと悠長なことを宣っているのである。「頭イカれている」としか表現できないだろう。
安倍官邸も田崎史郎と同様「夏にはコロナは収束しているはずだ」の希望的観測
しかも、「Go Toキャンペーン」について、じつは“安倍首相の代弁者”である田崎史郎氏は、4月8日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)で、こんなことを語っていた。
「(収束時期は)希望的観測としては6月。遅くとも、夏の観光シーズンに間に合うようにコロナが収束してくれると、この(Go To Travel キャンペーンの)使い方も非常に活用されるようになる」
おい。まさか本気で夏までに新型コロナが収束するなどと考えて、「Go To キャンペーン」の予算を1兆6794億円も計上しているのか……? 当然、田崎氏の発言に対しては、玉川徹氏が「科学的な知見に基づけば、この夏に旅行に行けるようになるとは、ちょっと僕はとても思えない」と呆れたようにツッコミを入れていたが、これが田崎氏自身の考えなどではなく、安倍官邸が「夏には終わっているはずだ」などと見立て、そのために観光・外食促進のキャンペーンを用意していたとしたら、正気の沙汰ではない。
本サイトでは、前述したように外務省が新型コロナの日本の対策に対するSNSなどの批判をチェックし、海外からの批判を封じ込めるために、緊急経済対策の予算から24億円を計上していることを報じて大きな反響を呼び、米ワシントン・ポストもこの問題を報道。昨晩の『news23』でも触れられたが、メディアはいまこそ、安倍首相による緊急対策の無駄遣いについて、徹底的に検証・追及しなくてはならない。そうでなければ、現実を直視しない安倍政権によって、国民はさらなる危険に晒されることになるだろう。
(編集部)
最終更新:2020.04.23 10:29
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