NHK岩田明子、櫻井よしこら安倍応援団が「良い独裁もある」と大合唱!トンデモ論で安倍独裁政治を正当化

2018.05.10 12:19
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NHK『解説スタジアム』番組HPより

 柳瀬唯夫・元首相秘書官のミラクルな記憶の蘇りに、500ページ超にわたる交渉記録の存在発覚など、どんどん嘘があきらかになっていく森友・加計問題。その上、日中韓首脳会議を開催したものの存在感を発揮することもできず、他方、暴言連発の麻生太郎財務相を黙認するなど、安倍首相の無能さと無責任ぶりは日に日に大きくなっている。

 そんな大ピンチのなか、「安倍首相にもっとも近い記者のひとり」と呼ばれてきたあの人が、とんでもない擁護をはじめた。NHKの岩田明子解説委員だ。

 岩田氏は、4月30日に放送されたNHK解説委員による討論番組『解説スタジアム』に出演。この日のテーマは「平成が終わるまでに考えておきたいこと“力と民主主義”」だったのだが、世界の強権化について話題が移った際、岩田氏の口から耳を疑うような発言が飛び出した。

「フィリピンのドゥテルテ大統領はかなり強権的なイメージで誕生しましたけれども、やっていることというのは、まず国内で深刻な麻薬対策ですね。この被害者の救出。それから中国とうまく交渉して資金を引っ張り、日本とも良い関係を築いて資金を引っ張り、それでいて中国の船は追っ払い、かなり国益をもたらしているという。独裁者のレッテルを貼られていますけれども、成功した例とも言えるのではないかなと」

 たとえ独裁者でも国益を高めるリーダーならば成功だ──。ドゥテルテ大統領は麻薬犯罪への対応策として容疑者の“超法規的殺人”を実施するなど法治主義に反する政策を繰り広げているとんでもない人物だが、岩田記者はなんと、それを高く評価し、独裁を肯定したのである。

 これには隣に座っていた国際担当の別府正一郎解説委員がすかさず、「その国に住みたいと思いますか? うちの指導者は強権的ですごく国民を守ってくれるから、その国民になりたいって、お考えになりますか?」とツッコミを入れ、まわりの解説委員たちも冷ややかな表情を浮かべていた。

 だが、岩田氏の“良い独裁もある”という主張は、ドゥテルテ大統領だけのことを指してしていたわけではないだろう。無論、「独裁」と批判を浴びている安倍首相のことを暗に擁護するのが狙いだったはずだ。

岩田明子だけでなく、櫻井よしこも「良い独裁がある」と

 ドゥテルテ大統領といえば、自分に向けられた批判に対しては「でたらめ」「フェイクニュース」と攻撃し、さらに今年3月には政権批判をおこなってきたネットメディアの最高経営責任者を脱税の疑いがあると発表するなどメディア圧力を強めている。こうしたドゥテルテ大統領の政治手法は「トランプ大統領を真似ている」と言われるが、そのトランプの右腕だったスティーブン・バノン氏が「安倍総理は“トランプ以前のトランプ”(Trump before Trump)ではないかと思っている」と評したように、安倍首相はもはや世界でも独裁的なリーダーの代表格でもあるのだ。

 国会議論という正当な手続きを軽視して強行採決を連発するなどの議会制民主主義を否定する態度はもちろん、メディアへの報道圧力、そして権限を首相に集中させる緊急事態条項を含む憲法改正など、安倍首相が目指す道が「独裁」であることはさんざん指摘されてきたことだが、森友・加計学園問題によって、政治を私物化の果てに公文書まで改ざんしてしまう恐ろしい本質が露呈し、「独裁」ぶりはより広まった。

 そうした結果、なんとしても安倍首相を守りたい岩田氏は、ついに「独裁者でも国益を高めるリーダーならば成功」などというトンデモ論で擁護する手に出たのだろう。

 だが、この安倍首相を念頭に置いた“良い独裁がある”論は、岩田記者のオリジナルではない。じつは、現在発売中の「WiLL」(ワック)に掲載されている櫻井よしこ氏と日本会議会長の田久保忠衛氏の対談では、「日米首脳会談以後 危機の宰相は独裁でいい」と題し、岩田氏と同じように「独裁」肯定論を展開しているからだ。

 たとえば、対談のなかで櫻井氏は、中国やロシア、北朝鮮、アメリカなどの国を踏まえて「世界の中で、物事を決める国がほとんど独裁国家になりつつあります」と言い、「片や非常に速いスピードで決定が下され物事が動いている一方、日本は何も決められない国になってしまった」と嘆息すると、これを受けて田久保氏は「エジプト、ハンガリー、ポーランド……民主主義を通じて全体主義に向かう国が増えている」「独裁に向かう国と民主主義を堅持する国の対立軸が世界の中心となるでしょう。日本も、この新しい流れに乗り遅れてはいけません」と主張している。

 まったく何を言っているのやら。「何も決められない国になってしまった」って、安倍政権は特定秘密保護法、安保法制、共謀罪……と反対意見に一切耳を貸すことなくまともな国会議論もしないままいくつもの法案をゴリ押しで決めてきたではないか。まさに日本はいま「民主主義を通じて全体主義に向かう」危機にある。それでもまだ足りないのか、櫻井氏と田久保氏は、目の敵にしてきた北朝鮮の名まで出して、“日本も独裁に舵を切るべき”などと言い出す。そして最後は、櫻井氏がこうまとめるのである。

安倍応援団が一斉に語り始めた「良い独裁がある」論、官邸も発信?

「民主主義国家は、国民の考え方や選択によって決まります。それが民主主義の素晴らしさであると同時に、民主主義の怖さでもある。国民が愚かであれば国は亡び、国民が賢ければ国家が守られる。モリカケ騒動からいまだに脱しきれない日本の行く末が心配でなりません」

 公文書改ざんは民主主義を根幹から揺るがす大問題という認識さえもち合わせず、“モリカケで騒ぐ国民は愚か”と言い放つ。……たしかに櫻井氏のような国民ばかりだとこの国が亡ぶことは間違いないだろう。

 とまあ、こんな具合に、“物事を素早く決められる人物こそが真のリーダー”というこの国の悪い思考を煽るかたちで独裁を肯定し、「一流の政治家は安倍首相以外にいません」(田久保)と強調するのである。

 それにしても、立てつづけに安倍応援団から飛び出した「独裁」肯定&待望論。岩田氏が「WiLL」を読んで「その手があったか!」と膝を叩き、NHKという公共放送でこのトンデモ論をアレンジした……という地獄のような“反知性の再生産”がおこなわれた線も考えられなくもないが、もっと可能性が高いのは、この「独裁」肯定論が「官邸主導」でおこなわれたのではないか?という疑いだ。

 事実、森友・加計疑惑が顕著な例だが、「辻元清美に3つの疑惑がある」なる明白なデマや、加計では「挙証責任は文科省にある」といった責任転嫁の言説、さらには「モリカケは朝日新聞の陰謀」なる陰謀論まで、まるで示し合わせたかのように同じ主張が安倍応援団ジャーナリストならびに御用メディアから相次いで飛び出すということが起こった。

 こうした主張は、じつは官邸から流されていたと見られており、実際、森友文書に記された「本件の特殊性」という文言をめぐって流布した「特殊性とは同和のこと」というデマにかんしては、今井尚哉首相秘書官が記者たちに「〈特殊性〉は人権問題に配慮して」と情報を発信していたことが報じられている。つまり、今回の「独裁」肯定&待望論も、官邸が安倍応援団ジャーナリストにレクチャーし、流させている。そういう可能性が考えられるのだ。

 しかし、もしそうであったとすれば、「良い独裁もある」「民主主義より独裁」などというあり得ない情報を流させるしかないほど、安倍官邸は相当に追い詰められているとも言えるだろう。そして、そのうち田崎史郎氏あたりがワイドショーで独裁を肯定しはじめるかもしれないが、ぜひ視聴者には壮大にドン引きしていただき、安倍政権のヤバさを広めてもらいたいと願うばかりである。

最終更新:2018.05.10 02:16

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