吉田豪とあさの☆ひかりがグラビア&アイドル業界の搾取と枕事情を暴露!「愛人コースどう?」と

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『何度か消されかけましたが、こりずに芸能界の裏側ぶっちゃけていいスか!?』(ぶんか社)

 裏ネタ系実話誌やネットで常に取り上げられ続ける、グラビアアイドルの枕営業疑惑や業界の大物との愛人契約の噂。

 そんな黒い噂をエッセイ漫画で暴露し続ける怖いもの知らずのグラドルがいる。2014年に出版した『芸能界の裏側ぶっちゃけていいスか!? 三十路グラドルのつぶやき』(ぶんか社)がヒットし一躍脚光を浴びた、グラドルで漫画家のあさの☆ひかりだ。

 あさのはグラドルとして活動する傍ら09年にマンガ家としてもデビュー。グラドルとしては、その翌年、「ヤンジャンぷるるんクイーン」に選ばれるといった異色の経歴をもつ。

『芸能界の裏側ぶっちゃけていいスか〜』では自身の経験を元ネタに、月200万円で愛人契約をもちかけられたこと、六本木の会員制キャバクラでの裏バイトに手を染めていたエピソード、業界関係者が集まる飲み会でAV女優としてスカウトされたことなどを赤裸々に暴露していた。その生々しさは吉田豪をして「どうせネットのウワサだけで描かれているようなものだろ、ってなめてかかって前作を読んだら、リアリティーが尋常じゃなくて」と言わしめるほどである。

 そんな彼女が最近、新著『何度か消されかけましたが、こりずに芸能界の裏側ぶっちゃけていいスか!?』(ぶんか社)を出版した。前作に引き続き、今作でも通常は表に出ることのないグラドルたちの裏の生活が暴露されている。

 そのなかでもとりわけ強烈なのがFC2のライブ配信で稼いでいたエピソードだ。わいせつ動画投稿で逮捕者も出ているこのサイトだが、同書では彼女がFC2の2ショットチャットで男性の自慰行為を見るなどの裏バイトをし、なんとか生活費を捻出するくだりが出てくる。この件についてあさのは、『何度か消されかけましたが〜』におさめられた吉田豪との対談でこのように語っている。

「F●2のいいところは、顔は見せずに、恥部を見せるだけでお金を稼げるんですよ。だから売れないグラドルの子とかが、バレないようにやっているらしくて。視聴者数さえあれば、2時間で40万円とか普通に稼げたりするんですよ」
「だから私、ホントにお金がなくなった時は、実際それで稼いでいました。(中略)ホントF●2に助けてもらって……総合6時間くらいで、150万円以上稼いでいると思います」

 しかし、彼女たちはなぜこんな危ない橋を渡らなければならないのだろうか。それにはまず、グラドル不況が長く続くこの時代、とにかく仕事がお金にならないことがあげられる。

〈いまや雑誌のグラビアは、ほとんどがDVDのパブ(宣伝)写真。アイドルには、ギャラが発生しません。DVDも制作費は一本100万円程度で、アイドルは10万円ほどのギャラを事務所と分け合う形になります〉
〈良心的な事務所なら、少ないながらも正当なギャラがもらえる。だがヒドいところだと、事務所とアイドルの取り分の比率が、8対2や、9対1のところもあるという〉(「週刊大衆 臨時増刊」12年11月20日号/双葉社)

 また、こういった問題もある。

〈イベントや、撮影会、それに今はグラビアの撮影でも、自前衣装ということも少なくない。贅沢するつもりがなくても、そういった現場に同じ服は着ていけない。手取りで1万円にもならない仕事だろうと、パブ扱いでノーギャラの仕事だろうと、1回あたり、1~2万円の洋服代はかかる。毎月の給料じゃ全然足りない〉(「宝島」13年10月号/宝島社)

 本業で食べていくことができないのであれば、バイトでなんとか食いつないでいくしかないわけだが、それにもまた制約があるようだ。「週刊プレイボーイ」(集英社)17年1月30日号のインタビューでグラビアアイドルの水野夏子はこのような苦労を語っている。

「バイトは必須なんですが、急にオーディションが入ったりするから、いろいろ融通の利くところを選ぶと、バイトの種類もかなり限られてしまうんですよ」

『何度か消されかけましたが〜』でも、前著『芸能界の裏側ぶっちゃけていいスか〜』で出てきた月200万円での愛人契約話と同じように、業界関係者から愛人契約をもちかけられる話が登場する。このような話がゴロゴロ転がっているのは、彼女たちの置かれている状況や懐事情を利用しようとしている業界のオヤジたちと、グラドルたちのせめぎ合いが日常化しているということなのだろう。

 そして、『何度か消されかけましたが〜』のなかでも、ひと際度肝を抜かれてしまう話が「枕営業」に関する暴露である。

 アイドルに関する「枕」話は本当に多い。近年の代表的なものだけでも、アイドルグループ・仮面女子のメンバーが所属事務所社長による性接待強要を暴露した件、芸能プロダクション・センディングの代表が芸能界デビューをちらつかせた中学生女子にわいせつ行為を強要し逮捕された件、グラビアアイドルの小泉麻耶が元所属事務所幹部から性接待を強要され被害届を提出した件、眞鍋かをりが元所属事務所との事務所移籍訴訟のなかで枕営業の存在を示唆した件……報道されたものを並べただけでも枚挙に暇がない。

 また、15年5月には、アイドルグループ・PASSPO☆の元メンバーである槙田紗子が突如こんな文章をツイッターに投稿したことが話題になったのも記憶に新しい(この件に関しては同年7月、ツイッターを乗っ取った犯人の大学生と示談にいたったと彼女の所属事務所がHP上で発表している)。

〈メンバーみんな頭使えないし、こんなとこいるの無理だよ。それはみんなもわかるよね。ほぼ中卒だし、マトモな人間じゃないんだからさ。さこはよくここまで続けられたわ。最初から芸能なんてしなければよかった。ブサイクばっか相手にしたし。芸能初めてから何人とエッチしたんだよって〉

 そんな「枕」事情について、前掲『何度か消されかけましたが〜』内の、あさの☆ひかりと吉田豪の対談で2人はこのように語っている。

〈あさの 私、前作が出たあとに「ヨソで言わんとい亭」っていう深夜番組に出させてもらって、枕営業の話とかバクロしたんですけど、当日まであの子がくるって知らなかったんですよ。事務所PのアイドルTが……。
 吉田 見てました。あれ、完全にワナですよ!
 あさの そうですよね!? 事前打ち合わせの時に、プロデューサーさんに、枕で有名な事務所としてそこの名前を出してるんですよ。そしたら当日いるから、マジで!? と思って。しかも3人も!
 吉田 あの事務所のスタッフは、ビジュアルもかなりパンチが強いですからね……。
 あさの 肌が真っ黒で、入れ墨が入っているような人たちが3人並んで、監視ですよね、完全に。私がちょっとでも「事務所が枕をあっせんしている」なんて話をすると「うちの事務所は違います」って入ってくるんですよ。もう、冷や汗をかきながら……。
 吉田 知り合いが事務所Pに入る時、「愛人コースがあるけどどう?」っていわれたらしくて。あるんだ、そんなコース(笑)〉

 この「P」がどの事務所のことを指しているか正確なところは分からない(類推は容易くできてしまうが)。しかし、ギャラや仕事の回り方の構造上、業界が「枕」を誘発するようなシステムになっている以上、残念ながら今後もこういった話は絶えることはないだろう。なんとかマトモなシステムに変わることはできないものなのか……。
(新田 樹)

最終更新:2017.11.20 07:26

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