稲田朋美防衛が謎のLGBT団体から表彰! 同性婚絶対反対の家父長制論者がなぜ? 関係者の間でも疑問の声

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 実は、ジェンダー・セクシュアリティに関する差別や格差問題に対して真摯な取り組みをしていることで知られるNPO法人「レインボー・アクション」が今回の稲田表彰を報じた朝日新聞に対して、以下のような公開質問状を突きつけている。

〈私どもの調査では、20年以上、性的少数者に関する活動に取り組んでいる複数の人が、この団体の存在と「支援と啓発」の活動について、まったく知らなかったと証言しています。
 また、インターネット上でみる限り、同団体の活動実績は、東京において何回かパーティーの開催を行った程度であり、代表であるLoren FykesさんのFacebook上での、性的少数者の活動に関わる人たちとの交友関係も、極めて限定的であるように見受けられます。
 この団体が、国の名前を冠にした「ジャパン・プライド・アワード」を与党議員に贈呈したとの報道ですが、御社ではこの団体についてどのような調査を行い、記事の掲載に至ったのか、ぜひお答えをいただきたいと思います。〉

 たしかに稲田を表彰した「フルーツ・イン・スーツ・ジャパン」なる団体についてはLGBTの運動関係者の間でも知っている人はほとんどいない。稲田を表彰した祝賀会を〈東京及び日本のハーバード大学同窓会〉協賛にしていたり、公式Twitterでも団体名を〈ビジネススーツを着た同性愛者の団体〉と説明しているところをみると、エスタブリッシュメント層を意識したLGBT団体なのかもしれないが、活動自体は、表彰がメインになっているような印象さえ受ける。

 しかも、その表彰対象も、微妙だ。昨年表彰したという渋谷区長の長谷部健にしても、LGBTへの理解を示す一方でホームレス排除を行うなど、「ピンクウォッシュ」(人権侵害や少数者の排除、弾圧などを行う一方でイメージ戦略として性的マイノリティを利用すること)ではないかと批判を受けていた。現に、稲田のLGBTへの“すり寄り”は、在特会やネオナチ団体などとの関係で染みついたイメージ払拭のためのピンクウォッシュの側面はかなりあるはずだ。そうした他の少数者に対する差別や人権侵害といった背景には目を配らず、「自分たちの権利が守られればそれでいい」と考える特権階層的な捉え方──それがこの選考からは透けて見える気がするのだ。

 しかし、問題はやはり、あつかましくも表彰を受けた稲田にもある。表彰を受けるのならば、それにふさわしく同性婚への議論をはじめ、過去の性差別を容認するかのような発言についての説明をきっちりと行っていただきたいものだ。
(田岡 尼)

最終更新:2017.11.24 06:48

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