ブラック部活は少年サッカーでも…父兄コーチによる自分の子供のひいき、同級生への嫌がらせが横行!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 そして、こういった父兄のコーチが、好き勝手にやってしまうことも多い。前出『間違いだらけの少年サッカー』では、埼玉県内のサッカー少年団での一例を紹介している。

「幼稚園時代にサッカーを始めたQくんは、1年生の頃から2年生チームに混じって練習していた。翌年、総監督からキャプテンに任命されると、同じ学年の息子を持つパパコーチから、嫌がらせをされるようになる」(同書より、以下「」内同)

 小学生の息子の同級生に、コーチという立場を利用して嫌がらせをする父親。なんとも信じられない話だが、その嫌がらせの手口がこれまた酷い。

「『Qも、Qの親も無視しろ』なるお達しが下り、不穏な空気が流れ出す。我が子可愛さに親たちの大半がコーチの命令に従った結果、Qくんは精神的に追い詰められ、急性胃炎で学校に通えなくなってしまう。心配した母親が総監督に相談に行くが、『それも少年団の一部です』と鰾膠もない対応だった。
 Qくんの追い出しに成功したパパコーチは、嬉々として息子を新キャプテンに選び、週末の活動を続けている。一方のQくんは心に深い傷を負い、人間不信に陥ってしまった。サッカーからも遠ざかっている」

 プロの指導者ではなく、ボランティアであることを考えれば、パパコーチがたいして指導できなくても仕方ないことだが、だからといって好き勝手にやっていいわけではない。大人が子供をイジメるような、横暴が許されている日本の少年サッカーの現状は、異常と言わざるをえないだろう。

 こういった父兄コーチの存在が、日本のサッカーがいまいち強くなれない理由だとの指摘も多い。たとえば、日本での有数の“サッカー処”として知られる静岡県の旧清水市(現・静岡市の一部)では、最近は父兄コーチが増え、サッカーのレベルが低下しているというのだ。

 かつて清水のサッカー少年団は小学校のサッカー部という位置付けだったが、「何か問題が起こった場合はスポーツ少年団の責任で行ってほしい」とのことで、小学校が関与しない組織になっていった。さらにコーチも以前は小学校の教師が担当していたが、代わってボランティアの父兄コーチが増えていったのだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

間違いだらけの少年サッカー 残念な指導者と親が未来を潰す (光文社新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

ブラック部活は少年サッカーでも…父兄コーチによる自分の子供のひいき、同級生への嫌がらせが横行!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。サッカー学生田中ヒロナの記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄