室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第9回ゲスト 鳩山由紀夫(前編)

室井佑月が鳩山由紀夫元総理と沖縄・米軍基地問題を語る! なぜ「最低でも県外」は実現しなかったのか?

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室井佑月「当時の鳩山バッシングにはアメリカの影があったんじゃないか」

室井 当時「辺野古以外なら、どこにするんだ」と野党も自民党もマスコミも批判したけど、でも別に急いで代替案を出す必要はなかったと思うんです。引き受けるところはあるのか、日米安保を今後どうするのか、じっくり議論をすればよかった。ずっと米軍基地を沖縄に押し付けて当たり前のようになっていたけど、あそこまで踏み込んだ総理大臣は他にはいません。だからもったいないし、残念だし、悔しい。期限を区切らず、長いスパンで議論をしていたら違う結果になったかもしれないと。

鳩山 おっしゃる通りですね。あのとき自分で区切りを決めたことは、後悔しています。2009年夏に総理になって、「2010年5月末までに代替案を出す」と言ってしまった。あの発言については、いろんな人から「言わなきゃいいのに」と言われました。ただ、期限についてはオバマ大統領から「(基地を)移転してもいいけど、結論だけは早くきちっと出してくれ」というメッセージがあった。ちなみに彼は、私が話した印象としては、辺野古問題をそれほどご存知なかったと思います。もうひとつは2010年夏に参院選、秋に沖縄県知事選が控えていたことです。選挙にこの件が影響してガタガタになってしまったら危ないな、と思った。だから、「5月末までに決める」と自分から期間を区切った。これは役人が決めたんじゃなく、自分自身で決めたのですが、これが自分の首を締めることになってしまった。自分でも未熟だったと反省もしています。

室井 でも、素直に反省し、それを口に出すことがすごい。安倍首相もそうですけど、政治家ってみんな謝らない人ばかりじゃないですか。ただ、そんな政治家っぽくない素直なところが、逆に官僚やマスコミに足をすくわれたのかもしれないと思っちゃいましたけど(笑)。

鳩山 いまから思うと、国内に代替地を求めなくてもよかった。もう日本には基地はいらない。アメリカのなかでも、海兵隊の役割は見直されてしかるべきだという議論もあるんです。ただ、大きな声にならないのは、海兵隊出身の議員に力があったりするからだと言われていますね。

室井 そう思います! 日本人は議論をしようとしても、鳩山さんのように提言した人をみんなでぶっ叩く。どっちを向いて仕事してるんだよと思います。それで大きな疑問なんですが、日本ってなんでアメリカに逆らえないんですか? 鳩山さんが総理大臣のときも思っていましたが、日本ってアメリカに物を申せない。当時の鳩山バッシングもアメリカの影があったんじゃないかとすら思ってしまう。マスコミの叩き方も激しかったし。じゃあ誰が得をしたんだと考えると、アメリカに逆らうことがタブーなのかなと思って。これまで歴代、アメリカに逆らった首相や政治家は、田中角栄さんとかもそうですけど失脚する人が多くて。“見えない力”が働いているなんて都市伝説のようになっていますが、本当のところは、どうなんですか?

鳩山 具体的にアメリカから強いプレッシャーをかけられるときもあるし、それを“忖度“し、飲み込んで「こういうことをやったらアメリカは決して喜ばないだろうな、だから我々はアメリカの顔色をつねに窺わねば」という空気はあります。例えば辺野古移設の件も、「辺野古以外は考えられない」というところがスタートでした。ただ、私の「最低でも県外」という発言に対し、アメリカから直接圧力があった事実はないんです。あの国のやり方は直接ではなく“間接”なんですね。つねに官僚が間に入り、官僚同士で話が進む。実際、アメリカに私の主張がきちんと伝わっていたかどうかすら、いまとなっては疑問です。日本の役所がそこまで頑なで、米国の事情を事前に忖度し、毒されているとは思いませんでした。

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