追悼ECD! 反原発、反差別、反戦…がん闘病中も声を上げ続けた戦いの軌跡! 最後まで「黙らねえ」と

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
追悼ECD! 反原発、反差別、反戦…がん闘病中も声を上げ続けた戦いの軌跡! 最後まで「黙らねえ」との画像1
2016年には本サイトのインタビューにも応じていただいたECD氏。

 本日、かねてよりがんと闘病中であることを告白していたミュージシャンのECD氏が入院先の病院で息を引き取っていたことが明らかになった。57歳だった。

 ECD氏は1980年代後半から活動を始めた日本のヒップホップシーンの先駆者。1996年には、日比谷野外音楽堂にてイベント・さんピンCAMPを主催しており、ライムスター、キングギドラ、BUDDHA BRANDなど日本のヒップホップの歴史において重要なグループが多数出演したこのイベントは、いまでも伝説的なイベントとして語り継がれている。

 21世紀に入ってからは、ミュージシャンとしての活動はもちろん、アルコール依存症との闘病を告白した『失点・イン・ザ・パーク』(太田出版)をはじめとした文筆家としての仕事や、デモに参加するなど社会的なイシューに積極的に関わっていくアクティビストとしての顔も知られるようになっていく。

 安保法制に反対するSEALDsの国会前デモでしばしば聞かれたシュプレヒコール「言うこと聞かせる番だ俺たちが」は、12年にリリースされたラッパー・田我流の楽曲「STRAIGHT OUTTA 138」に客演した際、ECD氏がラップした歌詞から引用されたものである。

 ECD氏はSEALDsのデモでもコーラーとしてシュプレヒコールを先導していたが、元SEALDsの奥田愛基氏は「AERA」(朝日新聞出版)2017年7月31日号のなかで、そのような流れにいたった経緯やECD氏の人柄についてこのように語っている。

「著名人の方がデモに参加する場合は、こちらからお願いして来てもらうケースも多くて。もちろんそれでもいいんですが、ECDさんは誰に言われたわけでもないのに来て、誰とも話さずに帰っていく。アーティストではなく、あくまでもいち国民、ワン・オブ・ゼムとして参加してくれていたんです。ただ、いま思うのは、やっぱり類いまれなワンっていうか、唯一の存在だったんだなって」

 本サイトでは、16年の3月にECD氏にインタビューを行っている。そのインタビューでは、00年代初めからデモに参加し続けている彼に、サウンドデモ(サウンドカーに乗ったDJやミュージシャンの鳴らす音楽に合わせて参加者が踊りながら行進する形式のデモ。イラク戦争反対などを訴えた)からSEALDsにいたるまでの日本国内におけるデモの変遷について聞いているが、そのなかでECD氏は自身がデモに参加し始めるきっかけを9 .11の自爆テロと、それに端を発したアメリカによる報復戦争であると語っている。

 ECD氏は9.11をめぐる状況を見て「これからの世界がどこへ向かうのかわからなくなったし、『戦争』というものが自分にも無関係なものではなくなった」と恐怖に苛まれたと語る。彼のなかで「戦争」がリアリティをともない始めたのだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

追悼ECD! 反原発、反差別、反戦…がん闘病中も声を上げ続けた戦いの軌跡! 最後まで「黙らねえ」とのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ECD編集部の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄