トランプを徹底非難する米国と大違い! 差別vs反差別で「どっちもどっち」論が横行する日本

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
trump_170110.jpg
公式Twitterアカウントより


 アメリカのバージニア州で、白人至上主義者グループとそれに抗議する人々が衝突、30人以上の死傷者が出た事件をめぐって、トランプ大統領は15日、記者会見で「両者に非がある」などと発言。また「オルト・レフト」なる造語まで用い、“極左思想主義者たちが白人至上主義者たちに突撃した”などと主張している。

「じゃあ、オルト・ライトに(中略)突撃していったオルト・レフトはどうなんだ? あいつらに罪悪感のかけらもあるか? 手にこん棒を持って(中略)突撃してきたのはどうなんだ?」(BBCより)

 トランプは事件発生後の発言でも白人至上主義グループを明確に批判せず、世論から大反発をあびたが、差別主義者と差別を許さない人々を同列に置いたこの発言で、政権は致命的なほどのダメージを受けている。前大統領のオバマはもちろん、ブッシュ親子も連名で「アメリカは常に人種差別を拒絶せねばならない」と声明を出し、与党・共和党からも「国民を分断している」などとの批判が相次いだ。さらに、大統領に助言する評議会のメンバーも、この間のトランプの言動に抗議するかたちでこれまでに3名が辞任、また陸海空海兵隊の制服組トップがそろって批判するコメントを出すなど異例の状況だ。

 現在、アメリカ各地でトランプ大統領に抗議するデモや集会が行われ、“トランプ政権最大の危機”と言われるほど全米を大きく揺るがしているが、こうした社会の反応は当然だろう。

 そもそも事件の発端は、白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)やネオナチ、そして「オルト・ライト」(=人種差別主義の極右)ら数百人が「米国を白人の手に取り戻せ」などと訴える集会に対し、人種差別と過激主義に抗議する人々が駆けつけたこと。さらに、白人至上主義側の男が車で抗議側に突入し、多数の死傷者が出る事態となった。にもかかわらず、トランプは“どっちもどっち”という言い方で差別する側を擁護し、差別に抗議する側を批判したのだ。ありえないとしか言いようがない。

 だが、今回のトランプの差別主義肯定発言から学べるのは、実は、トランプが批判されているグロテスクな“どっちもどっち論”が、日本社会ではスタンダードになってしまっているということだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

トランプを徹底非難する米国と大違い! 差別vs反差別で「どっちもどっち」論が横行する日本のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。デモドナルド・トランプヘイト沖縄編集部の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄