年末特別企画 リテラの2016年振り返り

2016「報道圧力&自主規制」事件簿! キャスター降板、高市と自民党の恫喝、原発圧力復活、反戦メッセージ削除…

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【圧力&自主規制その7】
「反戦平和」「護憲」が取り締まられる“美しい国” メディアの死は民主主義の死

 あらためて言うが、「反戦平和」や「護憲」というのは、日本国憲法の下で生活している者は当たり前に口にしてよいものだ。ところが、改憲を目指し、日本を戦争のできる国に変貌させようとしている安倍政権を忖度したメディアは、こうした発言すら禁句に指定してしまった。ようするにマスコミ、とりわけテレビメディアは、自分で自分の首を絞めていて、言論の自由もクソもないのだ。もはや戦前そのものである。
 大げさに言っているわけではない。事実、そうした流れは市民生活のなかでも確実に兆している。ツイッターで安倍批判や反戦・平和をかたっただけで、ネット右翼が絡んでくるのはもちろん、7月には、自民党が“「子供たちを戦場に送るな」と主張することは偏向教育、特定のイデオロギーだ”と糾弾し、そのような学校や教員の情報を投稿できる“密告フォーム”を設置していたことが判明。しかも、自民党はその後、“密告フォーム”に寄せられた情報は「公選法違反は警察が扱う問題」(木原稔・現財務副大臣)などとし、情報の一部を警察当局に提供する考えまで示した。
 戦争を憎み平和を希求することを「偏向」と非難され、当局の監視下に置かれかねない、そんな時代を私たちは生きているのだ。事実、参院選の公示前の6月18日には、大分県警の捜査員が民進党や社民党の支援団体などが利用していた建物の敷地内にビデオカメラ2台を設置していたことも判明。さらに、4月に日本の表現の自由の現状を調査するため来日した国連特別報告者デイビッド・ケイ氏についても政府はその動向を監視し、さらにケイ氏が接触した市民に対しても内閣情報調査室が監視や尾行を行っていたとの報道もある。いまに「おいおい、ディストピア小説かよ」と笑っていられなくなるだろう。
 そして、こうした市民の監視、表現の自由の弾圧は、安倍政権のメディアに対する圧力支配と、まさしく地続きのものだ。忖度と自主規制に慣れきったメディアは“権力のウォッチ・ドッグ”であることを放棄する。実際、すでにテレビのワイドショーやニュース番組では、安倍首相や閣僚の不祥事をとりあげ批判することはほとんどなくなっており、政治家のスキャンダルでも舛添要一・前都知事のように、政治的後ろ盾が弱い人物をアリバイづくりで血祭りにあげるだけ。
 一方、安倍首相や閣僚の不祥事が絡む案件となると、とりわけテレビはとたんに弱腰になる。たとえば先日、ある民放の夜のニュース番組では、オスプレイ墜落事件よりも例の「おでんツンツン男」を先に、それも大々的に報じていた。だが、その番組が特殊ということではないだろう。事実として、いま、マスコミ報道では政治の話題が相対的に減少し、一般人の迷惑行為や炎上事件ばかりを盛んに報じるようになっている。そこでは、口利き・賄賂疑惑で辞職した甘利明・前TPP担当相が“潔いサムライ”に祭り上げられ、おでんツンツン男は“極悪非道の犯罪者”とされるのだ。
 このままいくと、マスメディアは来年、完全に「死」を迎えるだろう。政権が息の根を止めるのか、自ら首をくくるのか、どちらが先かはわからない。ただひとつ、確実に言えるのは、メディアの死は、民主主義の死に他ならないということだ。欧州で極右が台頭し、アメリカではドナルド・トランプが大統領に就任する。2017年、その暗雲を振り払えるか。それは、わたしたちひとりひとりに託されている。
(編集部)

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