ネトウヨ文化人として復活したケント・ギルバートの正体(前)

慰安婦否定、憲法攻撃…ネトウヨ化で再ブレイクしたケント・ギルバートに9条擁護とマルチ商法関与の過去

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 だが、ケント氏の野望は芸能界の成功だけではすまなかった。このインタビューで「僕の基本的な考え方は、お金の使い方には二つしかない。消費してしまうか、投資するか」と語っているように、ギルバート氏は様々なビジネスに手を出し始めた。外国人を講師とする英語学習塾「ケント・ギルバート外語学院」の展開、タコスチェーン店「タコタイム・ジャパン」への4000万円の出資、そして前述の母国でのアパート経営などなど……。

 しかし、それらがすべて成功したかというと、そうではなかった。たとえば、「ケント・ギルバート外語学院」は90年に所属していた外国人講師2人が大麻取締法違反で逮捕されるという事件を起こしている。この件を報じた「週刊新潮」90年6月14日号の記事では、同業他社が「あそこはケントを看板にして、成功し、彼に月100万円支払ってますよ。だけど、スタッフの教育ができあがらないうちに生徒が集まってしまった」とコメントしているが、果たして95年に閉鎖。当時の「アサヒ芸能」(徳間書店)95年6月22日号によれば、最盛期は全国で5校、生徒3500人を抱えたが「年を追って生徒数が減少、(略)ビルの家賃も払えなくなるほど事態は深刻化」していたという。

 また「タコタイム・ジャパン」も91年の4月に解散している(「週刊現代」91年3月9日号)。このタコスチェーンはもともとギルバート氏と日産自動車が折半出資したものだったが、記事によれば「タコスが一般に浸透せず、設立時目標100店舗、売上高145億円どころか、一時20店舗あったのが4店舗に。売上高も前年度(90年度)で17億円にすぎなかった」。

 しかも、90年代の半ばから、タレントとしての人気も下降線をたどりはじめ、数少ないレギュラーだった『関口宏のサンデーモーニング』も、97、98年ごろに降板。テレビではほとんど姿を見なくなった。

 そして、このテレビで姿を見なくなった時期、ケント氏はなんとも怪しい商売に関わるようになる。それは、「レクソール・ショーケース」というマルチ商法だった。(以下、後編に続く
(宮島みつや)

最終更新:2015.12.11 11:32

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