渡辺えり、宮沢章夫、鴻上尚史…演劇人も安倍政権の「戦争できる国づくり」に反対の声を上げ始めた!

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 また、トラッシュマスターズを主宰する劇作家・中津留章仁は、いま日本が右翼的な動きに傾倒していっている理由として、「アジアで随一の先進国ではなくなった」という事実を受け容れられない人が多いからだと主張する。

〈この国の近代以降のあゆみをみると、豊かさ=経済成長という概念が主たる思想となっております。安倍首相の一連の政策の背景には、まず中国の経済躍進と深い関わりがあるように思います。日本がアジアで随一の先進国ではなくなったという事実を、安倍氏や彼を支持する方々は簡単に受け容れることが出来ないのかもしれません。ですが、真の豊かさとは、経済的な側面を示すものではなく、市民の心、つまり豊かな人間性を意味するものであると発想を転換することが出来るならば、それも容易に受け容れられると、私は考えるのです。〉

 劇作家として“言葉”を重んじる坂手洋二には、安倍首相の語る“言葉”の軽さが気になる。首相の“言葉”には、我々国民の“命”が預けられているのにもかかわわらずだ。集団的自衛権に関する議論に関してはこう批判する。

〈しかし、軽い。あまりにも軽い。「命」や「死」が、机上の空論として、ゲームのコマを運ばせる手つきで、語られている。コトバの重みというものは、みごとになくなった。〉
〈今日の新聞を開いてみよう。ちらりと眺めただけで、表層でしかなくなった言葉の、弾み方の気味悪さに、唖然とする。
「安全保障法制」に対して「新しい」という冠をつけることで、いいことのように響かせる。「国際貢献」「切れ目のない対応」といった曖昧な言い方が、軍事を示していることを隠す。「専守防衛」という言葉が「偏った言葉」とされてしまう。PKO業務を「駆けつけ警護」、「周辺事態法」を「重要周辺事態法案」と言いつのる。「自衛隊に課せられていた様々な制約が、取り払われる」「米国の防衛政策の一部を肩代わり」を、まるでいいことのように届けようとしている。〉

 戦後から70年あまりが経ち、なぜいま、戦争への道へ突き進もうとする政治の動きが過剰になったのだろうか? 

 その理由のひとつとして、先の戦争を経験し、その悲惨さを身をもって体験した先人たちがこの世からいなくなりつつあるから、ということが挙げられる。

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