都構想否決、政界引退で橋下と安倍官邸の“改憲密約”はどうなる? 民間閣僚起用説も

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 実際、衆院選直後の1月14日、安倍首相が関西テレビのニュース番組『スーパーニュース アンカー』に出演し、「(大阪都構想は)二重行政をなくし住民自治を拡大していく意義はある。住民投票で賛成多数となれば、必要な手続きを粛々と行いたい」とエールを送る一方、「維新が憲法改正に積極的に取り組んでいることに敬意を表したい」と語った。橋下氏は「僕はうれしくてしょうがなかった」と喜びをあらわにし、「(改憲は)絶対に必要で、総理にしかできない。何かできることがあれば何でもする」と、協力姿勢を鮮明にした。

 そして、国民投票が近づき、都構想賛成派の劣勢が伝えられると、菅官房長官の動きは露骨になる。5月11日、都構想反対演説を行った自民党大阪府連に対して菅は「まったく理解できない」と批判。裏では、自民党支持者が都構想支持に回るよう、子飼いの府議会議員に働きかけ、一部のネットサポーターを動かす工作までしていたという。

 また、本サイトでは5月5日に菅官房長官が再び橋下市長と創価学会・佐藤副会長の会談をセッティング、橋下が佐藤副会長に関西創価学会の説得を依頼したと指摘したが、実際、佐藤副会長は14日ごろに大阪入りしていたと伝えられる。

 その結果、たしかに情勢は変わった。10日の世論調査では反対派が賛成派を10ポイント以上引き離し、ほぼ勝負はついたと思われていた。それが急に賛成派が巻き返し、最後はほぼ拮抗状態になったのは、菅官房長官の工作が効いたためだといわれている。

 そのまま都構想が可決されれば、維新の大半の議員が橋下支持に回り、来年夏の参院選では自公、橋下派が圧勝して確実に憲法改正の発議に必要な3分の2を確保しただろう。

 しかし、大阪市民は馬鹿ではなかった。そのインチキは広く知れ渡り、都構想は否決、しかも橋下が政界引退したため、安倍、菅のもくろみは大きな狂いが生じることになった。維新は連立参加どころか、これから解党の危機を迎える可能性もある。

「維新の党の江田憲司代表が辞任しましたが、これは責任をとったのではなく、維新を出て行くという意志のあらわれでしょう。江田代表には古賀茂明氏との新党立ち上げの噂もあるし、民主党合流の話もある。都構想で勝っていれば、江田氏についていく議員はほとんどいなかったと思いますが、この結果で、かなりの数の議員が江田氏と行動を共にし、維新に残る議員は少なくなるかもしれない。また、そうならなかったとしても、橋下氏抜きでは来年夏の参院選で惨敗必至、いずれにしても解党の危機に瀕することになる」(政治評論家)

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