【特別企画】3・11を風化させるな! 被災地で原発で何が起きているのか

被災者はモルモットか? 東北で復興に便乗した社会実験、人体実験が始まっている

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
dokutorin_150310.jpg
『東北ショック・ドクトリン』(岩波書店)

 東日本大震災からまもなく4年目になろうとしている。被災地はいま、どうなっているのか? 復興が着々と進んでいるように見える一方、アベノミクス成長戦略の犠牲として壮大な「人体実験」「社会実験」の場と化しているといったら信じてもらえるだろうか。“復興の大義”に押されて被災地の本音は、なかなか伝わってこない。大手メディアも報道しない。それをいいことに域外の大手資本や新自由主義者たちが、震災を“千載一遇”の機会と捉えて被災者をモルモットのように扱っているというのだ。

 そんな知られざる東北の実態を、ジャーナリストの古川美穂が地を這う取材で報告した『東北ショック・ドクトリン』(岩波書店)が出版された。「ショック・ドクトリン」とは「惨事便乗型資本主義」と訳されている。自然災害や戦災、経済破綻などの惨事に見舞われた社会に、地域の慣習などでそれまでなかなか導入できなかったシステムを強引に押しつける政策をいう。ショックに乗じて住民の反対や抵抗が起きる前に素早く行われることから「ショック・ドクトリン」と呼ばれている。

 この言葉を世界に広めるきっかけになったのは、新自由主義の教祖、ミルトン・フリードマンがクーデターで政権をとった南米チリのピノチェトに、減税、自由貿易、民営化、福祉支出の削減、規制緩和といった新自由主義政策を矢継ぎ早に強行するようにアドバイスし、実行させたことだった。ピノチェトによる“改革”は「チリの奇跡」とまでもてはやされたが、やがて貧富の差が急激に拡大し、貧困率が前政権下の2倍の40%になり、インフレ率数100%のハイパーインフレを呼ぶなど惨憺たる結果に終わっている。

 最近では、アメリカ・ニューオリンズを襲ったハリケーン・カトリーナからの復興もショック・ドクトリンの典型例といわれている。災害を機に教育の民営化が強引かつ迅速に断行され、雇用や税収の起爆剤としてそれまで反対の強かったカジノができ、「復興カジノ」と呼ばれた。しかし、教育バウチャー制度の導入で公教育がほとんど解体される結果となり、カジノも直後は復興特需に沸く建設関係の客で賑わったが、ブームが去ると一気に収益が低下し衰退の一途をたどっているという。

 実は、20年前の阪神・淡路大震災でもショック・ドクトリンの手法が使われた。神戸市長田区の昔ながらの商店街は復旧されず、大型ショッピングモールや高層マンションが生まれた。神戸市は特区を利用した「神戸医療産業都市構想」をぶち上げ、ポートアイランドに最先端の研究施設を次々と誘致した。これに、当時「復興の星」といわれた神戸空港を連動させ、医療ツーリズムの拠点にしようと目論んだのだ。空港隣接地域に高度先進医療の専門病院をつくればサウジ王族のような世界の富裕層が自家用ジェットで一族郎党を連れて来て、ホテルを一ヶ月くらい借り切って、地元にお金を落としてくれるのではないか、という話だ。行政は本気でそう考えていたという。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

東北ショック・ドクトリン

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

被災者はモルモットか? 東北で復興に便乗した社会実験、人体実験が始まっているのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。復興税金被災地野尻民夫震災の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 ペジー社・齊藤容疑者が櫻井よしこと
2 安倍が横田早紀江さんを無視している
3 富岡八幡宮、祖父は日本会議前身の中心
4 ノーベル賞授賞式で被爆者出席も安倍政権が
5 昭恵の無神経と籠池夫妻の勾留長期化
6 さんま「戦争に税金使うな」と国税に抗議
7 エルサレム問題で安倍がトランプのポチ
8 美智子皇后が誕生日談話で安倍にカウンター
9 カズオ・イシグロがネタバレ自粛に疑義
10 北原みのり逮捕の原因は安倍批判?
11 流行語大賞の欠席続出はネトウヨのせい
12 田崎とケントに自民党からカネが!
13 櫻井よしこは「神社」に住んでいた! 
14 山口敬之氏のスポンサーが逮捕された!
15 大林宣彦「青春は戦争の消耗品ではない」
16 北朝戦争に”NO”を言わない安倍政権
17 在日米軍がNHK受信料30億円不払
18 文春「慰安婦像の正体」報道は完全なデマ
19 山口敬之との関係を質された安倍首相が
20 マッサージチェーンのブラック社員研修
1田崎とケントに自民党からカネが!
2さんま「戦争に税金使うな」と国税に抗議
3山口敬之との関係を質された安倍首相が
4山口敬之氏のスポンサーが逮捕された!
5義家前文科副大臣が学校法人から献金
6安倍首相、森友加計の虚偽答弁を訂正せず
7加計獣医学部で特別扱いが次々露呈
8北朝戦争に”NO”を言わない安倍政権
9昭恵の無神経と籠池夫妻の勾留長期化
10安倍、麻生、稲田らのデタラメ政治資金
11安倍が横田早紀江さんを無視している
12安倍が朝日攻撃で森友加計追及封じへ
13ペジー社・齊藤容疑者が櫻井よしこと
14ノーベル賞授賞式で被爆者出席も安倍政権が
15SF慰安婦像問題と日本の歴史修正主義
17富岡八幡宮、祖父は日本会議前身の中心
18大林宣彦「青春は戦争の消耗品ではない」
19エルサレム問題で安倍がトランプのポチ
20「森友加計は朝日の捏造」本を自民党が

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

連載一覧へ!

アベを倒したい!

ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100

ブラック企業被害対策弁護団

"驚愕のブラック"マッサージチェーン! 4日間睡眠時間ゼロの社員研修、会議の締めに男性社長と強制ハグ...

ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」