交渉を妨害し後藤さんを見殺し! イスラム国事件で安倍政権が犯した3つの罪

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
abe_150201.jpg
首相官邸ホームページより


 2月1日早朝、イスラム国に拘束されていた後藤健二さんの殺害映像が動画サイトにアップされた。政府もメディアも「イスラム国は許しがたい」「テロには屈しない」といってすませようとしているようだが、問題はけっしてそれだけではない。

 今回の事態は明らかに安倍政権の政策や判断ミスが招いたものだ。しかし、こうした指摘に対して、安倍政権の親衛隊たちは「悪いのはテロリスト。安倍政権に責任はない」と合唱し、「政権批判につなげるのは政治利用だ」などといった恫喝で批判を抑え込もうとしている。

 だったら、改めて説明してやろう。後藤さんを見殺しにしてしまった責任の一端は誰がなんといおうと、安倍政権にある。それは日本政府が中東政策で対米追従路線をとってきたという大枠の話だけではない。政治信条とは関係のないプラグマティックな判断でも、安倍政権はありえないミスを犯しているのだ。

“致命的なミス”は少なくとも3つある。

 1つ目はなんといっても、湯川遥菜さん、そして後藤さんが拘束された後、官邸が解放に向けて本気で動こうとしなかったことだ。

 いや、動かなかったどころではない。実は今回、イスラム国が動画をアップして2億ドルを要求する前に、外務省が水面下で交渉していたにもかかわらず、官邸はその交渉の障害になっていたのである。

「外務省は中東アジア局長の上村局長が中心になって、昨年11月、後藤さんの妻宛てにイスラム国から最初のメールが届いた直後、仲介人を通じてイスラム国と秘密交渉をしていた。ところが、官邸はかなり冷ややかで外務省に交渉の自由を与えず、低い金額の身代金を払うかどうかの判断もしなかったんです。そのため外務省も動きようもなく、交渉は頓挫してしまった。もっとも、官邸が動かなかったのは、信念があってのことではなく、当時、この問題に全く無関心でたなざらしにしたというのが実情のようです」(外務省担当記者)

 しかも、この後、官邸は解散総選挙に踏み切り、外務省は交渉を継続できなくなってしまった。

「もし後藤さんが人質にとられていることが発覚すると、選挙に影響を与えるという判断があったんでしょう。情報が漏れないようにするのが最優先にされ、外務省も動きをストップさせられてしまったようです」(外務省担当記者)

 このときのイスラム国と交渉がうまくいけば、かなり安い身代金を支払うことで妥結していた可能性もある。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

交渉を妨害し後藤さんを見殺し! イスラム国事件で安倍政権が犯した3つの罪のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。イスラム国人質事件テロ安倍晋三田部祥太の記事ならリテラへ。

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄