>  >  > ヘイトスピーチ法規制 野間易通と激論

C.R.A.C野間易通インタビュー(後編)

ヘイトスピーチ法規制は是か否か?反ヘイト“しばき隊”野間易通と対決!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
noma_140905.jpg
『「在日特権」の虚構』(河出書房新社)

前編より続く)

「やっぱり日本全体にヘイトが広がっていると思いますよ、俺は。兄弟とか、家族とかがネトウヨ化してゲンナリっていう話をよく聞くじゃないですか。それは、ネットの世界だけの話じゃない」

C.R.A.C.」(旧「レイシストをしばき隊」)を主宰する野間易通は、そう語る。東京・新大久保などで「在日朝鮮人は日本から出ていけ!」などと叫びながら街を練り歩く排外デモに対し、「お前らが出てけボケカス!」と怒声を返すことでレイシズムに対抗してきた。ロングインタビュー後編をお届けする。

「……実は、うちの親戚にもネトウヨ化している人がいるんですよ。僕も困ってる。その人も、軽いコリアンヘイトやチャイナヘイトで、しょっちゅうヘイトスピーチをしていてね。たとえば、家のとなりに韓国人や中国人が住んでいるんですが、それに対して『やっぱり中国人はルールを守らない!』とか、そういうことを言うんです」

 40代であるその「親戚」は野間と同年代。排外デモには参加していない。以前は中国人や韓国人との付き合いもあった人物だという。

「彼がそういうふうになってしまった背景には、Kポップや韓流文化の隆盛や、観光客の増加によって、韓国・朝鮮人や中国人の存在が“隣人”としてものすごく目に見えるようになったということがあると思うんです」

 今や韓国人・中国人観光客の姿を見かけないほうが珍しい。国道交通省の「平成26年度観光白書」によれば、2013年の訪日旅行者の総数は1036万人で過去最高を記録した。国別第1位は韓国からの旅行者で全体の23.7%(246万人)。台湾が21.3%(221万人)、中国が12.7%(131万人)と続く。なお、アメリカは7.7%(80万人)、欧州からの旅行者は5.1%(53万人)である。

「韓国で海外旅行が自由化されたのは80年代の終わり、中国で海外旅行が自由化されたのは90年代後半です。それ以前は日本に観光客はほとんどいなかった。時代が変わって、ものすごく目に見える人たちとして周囲に現れてきたことへの“拒否反応”があるのではないか、と思うんですね。日本は圧倒的に同質性を求める価値観が支配的なので。さらに最近の特徴として、“同質性を乱すもの”を無理矢理つくりあげるということが行われている。在特会なんかの最近の排外主義はみなそうです」

 07年に誕生した「在日特権を許さない市民の会」。公式サイトによれば、14年現在、会員数は14,600名を越え、全国36の都道府県に支部を持つ、日本最大の「行動する保守」系市民団体である。彼らがもっとも声高に叫ぶのは、「在日特権」なるものの存在とその不当性だ。日本人は「逆差別」されている。それは「不平等」だ。「平等」な状態に戻さねばならない。少なくとも名目上は、これが彼らの政治的イシューだ。

 野間は昨年、『「在日特権」の虚構』(河出書房新社)という本を上梓し、在特会の主張について細かい検証を行った。在特会が主に「特権」であると批判するのは、在日韓国・朝鮮人の特別永住資格や通名制度についてだ。実際には彼らの主張は事実誤認や歴史的経緯の無省察を含むデマゴギーであり、それらが“日本人より優遇されている”という意味の「特権」であるとは言えない。反駁の詳細は同書にゆずるとして、他にも「税金を収めなくてもいい」「医療費や水道代が全額無料」などといった事実無根のデマが「在日特権」とされている。これらはネット上でコピペを繰り返されることで広がっていった。

《在日特権を許さない市民の会以降の「在日特権」とは、2000年代初頭からネット上で囁かれてきたさまざまな流言蜚語やデマの類をそのまま身にまといつつ、利権問題としての「在日特権」を焼きなおして、在日韓国・朝鮮人への憎悪を煽るためのツールとして純化したものだ。
 ゲッベルスの「嘘も十分に繰り返せば人は信じる」よろしく、彼らはこれをブログ上で、ニコニコ動画で、そして街頭で繰り返し宣伝した。その結果が、存在しない「在日特権」の既成事実化であり、そのことによる在日朝鮮・韓国人への憎悪の増大だった。》(『「在日特権」の虚構』)

この記事に関する本・雑誌

「在日特権」の虚構 : ネット空間が生み出したヘイト・スピーチ

リテラのSNS

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 アパホテルの反論は嘘と詐術だらけだ!
2 保護なめんなジャンパーは氷山の一角
3 アパホテルのトンデモ極右思想の正体
4 南京大虐殺を日本テレビの番組が証明
5 M1準優勝・ハリガネロック解散の真相
6 佐藤優が慰安婦問題への対応を批判!
7 今井絵理子と三原じゅん子の資産公開が
8 安倍政権が“国策映画”計画へ
9 室井佑月が金子勝と安倍政権批判(後)
10 キムタク最大のタブーとは?
11 翼がSMAP解散でメリーと滝沢を批判
12 北原みのり逮捕の原因は安倍批判?
13 文春の元編集長の子どももフジに入社!
14 デマ垂れ流し『ニュース女子』とDHC
15 室井佑月が金子勝と安倍政権批判(前)
16 たけしがキムタクとジャニーズを批判!
17 「トランプ大統領で日本はヤバい」は嘘
18 アリさん引越社はヘイト企業だった
19 嵐の元側近が明かすジャニーズの掟
20 SMAP最後の日に中居と木村が
PR
PR
1室井佑月が金子勝と安倍政権批判(後)
2黒柳徹子が琉球新報に平和メッセージ
3室井佑月が金子勝と安倍政権批判(前)
4安倍の共謀罪法案強行の裏に危険な意図
5トランプのマスコミ排除は日本でも
7原発ムラが新潟県知事にネガキャン!
8デマ垂れ流し『ニュース女子』とDHC
9安倍政権が“国策映画”計画へ
10SUGIZOが難民問題で勇気ある発言
11今井絵理子と三原じゅん子の資産公開が
12メリルストリープの指摘は日本のことだ
13慰安婦少女像は反日の象徴ではなかった
14安倍政権が国民を騙す「偽装改憲計画」
15『日本会議の研究』出版禁止の不当性!
16政権が原発被害隠しにDASH村利用
17アパホテルのトンデモ極右思想の正体
18佐藤優が慰安婦問題への対応を批判!
19安倍の慰安婦少女像への強行姿勢の裏
20橋下がトランプ擁護“メディアは打ち首”
PR
PR

カテゴリ別ランキング


人気連載

政治からテレビを守れ!

水島宏明

テレ朝とNHKの"失態"につけこむ安倍政権とほくそえむ籾井会長

政治からテレビを守れ!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」