自衛隊機の緊急発進急増も嘘…まるで“サイコパス”安倍首相の安保法制会見の詐術を検証

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 しかも、後方支援の対象は米軍以外の外国軍にも広げられ、派遣については国連決議も必要でなく、国会の手続きも緊急時は事後承認を認めている。また、新設される「国際平和支援法」では、国会の事前承認があれば自衛隊をいつでも海外に派遣できるようになるし、国連決議も必要としない。これで「従来からの原則は変わりません」と言い切るのだから、厚顔としかいいようがない。

 さらに驚いたのは、「いずれの活動においても武力の行使は決して行いません」「あくまでも紛争予防、人道、復興支援。燃料や食料の補給など、わが国が得意とする分野で国際社会と手を携えてまいります」などと言っていたことだ。 

 もちろんこれも真っ赤な嘘である。今回の自衛隊法改正では、米軍やその他の国の軍隊への弾薬提供、戦闘機への給油活動も認められるようになり、自衛隊は明らかに武力行使に関与するようになる。安倍は会見でその事実を意図的に伏せたのだ。

 こうした嘘、まやかしは、集団的自衛権と安保法制がなぜ必要なのか、という説明でも用いられていた。安倍首相は会見の冒頭で、

・アルジェリア、シリア、チュニジアで日本人がテロの対象となった。
・北朝鮮が数百発の弾道ミサイルと核兵器を開発している。
・自衛隊機の緊急発進(スクランブル)の回数が10年前と比べて実に7倍になっている。

 の3点をあげ、「これが現実です。私たちはこの厳しい現実から目をそむけることはできません」と、言いきった。

 だが、冷静に考えてみて欲しい。アルジェリアやシリア、チュニジアで起きたテロは自衛隊で防げるのか? 以前、本サイトでも報じたとおり、自衛隊の機関紙「朝雲」ですら、自衛隊による人質救出は非現実的で無責任と批判している。次にあげた北朝鮮のミサイル開発も集団的自衛権や今回の法改正とはなんの関係もない。個別的自衛権で対応できる案件だ。

 さらに、「自衛隊機の緊急発進(スクランブル)の回数が10年前と比べて7倍」というのは完全なまやかしだ。たしかに、2014年のスクランブル回数は943回で2004年の141回の7倍弱。しかし、それはもっとも少ない年と比較しているだけで、1980年から1990年代はじめまでは常に毎年600回から900回のスクランブルがあった。その後、2000年代に100回から300回に減少していたのが、2013年に突如、急増。24年ぶりに800 回台をマークしたのだ。これはむしろ、安倍政権になって無理矢理スクランブルを増やしただけだろう。実際、2014年も増えているのはスクランブルだけで、領空侵犯されたケースはゼロである。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方 (文春新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

自衛隊機の緊急発進急増も嘘…まるで“サイコパス”安倍首相の安保法制会見の詐術を検証のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。安倍晋三自衛隊野尻民夫の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 消費増税で景気が東日本大震災直後に次ぐマイナスに!
2 『THE MANZAI』ウーマン村本がこだわった「透明人間」たちの思い
3 安倍政権が「桜を見る会」ごまかしで「反社の定義は困難」の閣議決定
4 安倍が国会閉会会見で「桜を見る会」に自分から触れず! 会見は出来レース
5 葵つかさが「松潤とは終わった」と
6 安倍の成蹊時代の恩師が涙ながらに批判
7 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(前編)
8 「朝生」で田原総一朗よりさきに「下村文科相」名前を出した出演者
9 岡村隆史が『PRODUCE 101』で韓国人練習生にセクハラ・差別連発!
10 田崎史郎が御用批判に失笑の言い訳
11 炎上、欅坂46の歌詞の最大の問題点
12 田崎史郎のいない素晴らしい世界
13 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(後編)
14 うずしお搭乗が発覚、麻生財務相が例の女性のクラブに650万円
15 ジャパンライフの広告塔に田崎とNHK島田も
16 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
17 慰安婦の軍直接関与と強制性を示す公文書を内閣官房が保有! 
18 「桜を見る会」ジャパンライフ招待問題にマスコミが消極的な理由
19 自民党がネトサポに他党叩きを指南
20 徴用工問題で日本の元外務官僚が「韓国に100%の理、日本に100%の非」
1久米宏が「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」と真っ向批判
2安倍政権・厚労政務官が外国人在留申請で口利き「100人で200万円」
3 玉川徹がGSOMIA破棄で加熱するテレビの嫌韓煽動を批判
4明石家さんまが吉本上層部と安倍首相の癒着に痛烈皮肉!
5『ゴゴスマ』で今度は東国原英夫がヘイト丸出し、金慶珠を攻撃!
6『報ステ』の“安倍忖度”チーフPがアナやスタッフへの“セクハラ”で更迭
7『ゴゴスマ』で「日本男子も韓国女性が来たら暴行しなけりゃいかん」
8文在寅側近の不正に大はしゃぎの一方、安倍政権が厚労政務官の口利きに無視
9埼玉知事選で警察が柴山文科相への抗議を排除!柴山も表現の自由否定
10安倍首相がトランプからトウモロコシ爆買い
11菅官房長官「トウモロコシ大量購入は害虫被害対策」は嘘
12 GSOMIA破棄は安倍のせい 慰安婦合意から始まった韓国ヘイト政策
13安倍が後に先送り財政検証の酷い中身
14 GSOMIA破棄で日本マスコミの「困るのは韓国だけ」の嘘
15 松本人志や吉本上層部批判の友近、近藤春菜にバッシング、報復か
16『週刊ポスト』の下劣ヘイト記事は「小学館幹部の方針」の内部情報
17GSOMIA破棄!八代・有本ら安倍応援団は「嫌なら来るな」
18 『モーニングショー』で「暑さに耐えるのが教育」元高校野球監督は右派論客
19 古市憲寿の芥川賞候補作「参考文献問題」に選考委員が猛批判
20『関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった!』のデマとトリックを暴く

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄