安倍首相の放送法撤廃はやはり政権擁護フェイク番組の量産が目的! 官邸の推進会議委員に「ニュース女子」出演者が3人

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自由民主党HPより

 なんとわかりやすい“圧力”だろう──。政治的公平を義務づける放送法4条をはじめ、外資規制、番組審議会の設置などの規制撤廃を盛り込んだ放送制度改革の方針案を、安倍政権が打ち出そうとしている件だ。

 この放送制度改革では放送の規制を全廃する方針だといい、もし実施されれば、インターネットテレビなどによる放送事業への新規参入が促されることになる。そのため、すでに民放テレビ局のトップたちが相次いで批判の声をあげているが、いま、この改革案を安倍首相がもち出したのは、民放に対する恫喝であることはあきらかだ。

 これまでも安倍政権は電波の利用権を競争入札にかける電波オークションの導入をちらつかせてきたが、ここにきて放送改革の話が急に進んだのは、森友文書改ざん問題に対する報道を牽制するためだ。

 事実、朝日新聞が改ざんのスクープを報じた3月2日と同じ日の夜、安倍首相は『BSフジLIVE プライムニュース』(BSフジ)の放送10周年を祝う集いに出席し、「電波、通信の大改革を行いたい。大競争時代に入り、ネットや地上波が競合していく」と挨拶。祝辞のなかで、わざわざ電波改革に言及したのである。そのタイミングから考えて、暗にテレビ局に対し“改ざん問題の後追い報道をすればどうなるのか”と警告を与えたようなものだ。

 さらに、15日に共同通信が放送法4条の撤廃を政府が検討していることをスクープしたが、20日の参院総務委員会で放送を所管する総務省の大臣・野田聖子氏は「私自身はまだ何も承知していない」「(安倍首相からの指示は)「きょうまで何もない」と答弁。安倍官邸による独走で一気に動きはじめた疑いが濃厚なのだ。

 しかし、今回の放送法4条の撤廃の問題はそれだけではない。最大の問題は、安倍政権が露骨な政権擁護番組を地上波で放送できることを狙ってこの方針を打ち出したことだ。

 これまで安倍政権は、むしろ放送法4条を盾にして、テレビ報道に圧力をかけてきた。たとえば、2014年11月には、『NEWS23』(TBS)内で生出演していた安倍晋三首相がアベノミクスに懐疑的な声をあげる街頭インタビューについて「意見を意図的に選んでいる」と声を荒げて批判。その直後に自民党はテレビ局に公正・中立報道を求める文書を送りつけている。さらに、『報道ステーション』(テレビ朝日)でコメンテーターの古賀茂明氏が「(官邸に)バッシングを受けた」と述べた際も、菅義偉官房長官は「放送法がある以上、事実に反する放送をしちゃいけない」と発言。自民党の情報通信戦略調査会はテレビ朝日の経営幹部を呼びつけ、事情聴取までおこなった。

 それが一転、圧力の道具にしてきた放送法4条の撤廃を打ち出す。──これは「政治的公平」で番組内容にケチをつける方法ではなく、政治的に振り切って政権擁護をおこなう番組を増やそう、という方針に転換したからだ。つまり、安倍応援団が勢揃いして政権を擁護しまくるDHCテレビ制作の『ニュース女子』や『真相深入り!虎ノ門ニュース』などのような番組を地上波でガンガン放送させようというわけだ。

長谷川幸洋、飯田泰之、原英史が放送法の「規制改革推進会議」メンバーに

「まさか、そこまで露骨なことは考えないだろう」……そういう人もいるかもしれない。しかし、これが被害妄想でないことは、官邸で安倍首相のもと、この放送法撤廃を議論しているメンバーを見れば、わかってもらえるだろう。

 今回の放送制度改革案は「規制改革推進会議」が取りまとめをおこない、6月にも安倍首相に答申する予定なのだが、この「規制改革推進会議」のメンバーに、あの『ニュース女子』出演者が3人も含まれているのである。

 それは、『ニュース女子』司会である長谷川幸洋・東京新聞論説委員に、同番組の準レギュラーで、文書改ざん問題では朝日批判を展開していた経済学者の飯田泰之氏、同じく準レギュラーである、加計学園問題では国家戦略特区ワーキンググループ委員として「議事録はすべて公開されている」と虚偽の主張を繰り広げていた政策コンサルタントの原英史氏の3名だ。

 言わずもがな、『ニュース女子』といえば、昨年1月に沖縄ヘイトデマを垂れ流し、BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理委員会は「重大な放送倫理違反」と指摘。今月8日には放送人権委員会も、市民団体「のりこえねっと」共同代表である辛淑玉氏に対して「名誉毀損の人権侵害があった」とし、判断としてはもっとも重い「勧告」を出したばかり。批判の高まりもあり、TOKYO MXをはじめとして番組の放送中止を決定する地方局が相次いでいるが、DHCという巨大な資本をバックに、番組はいまなおデマやヘイトを流したことへの謝罪は一切ないまま継続されている。

 そして、司会の長谷川氏はもちろんのこと、飯田氏も原氏も、まったく事実に基づかないデマや人権を犯す放送がおこなわれた以降も、この番組に疑問を呈することなく、平気な顔で出演しつづけているのだ。──このような者たちが放送制度改革案を取りまとめるというのだから、それが安倍首相の意向を反映させたものになるのは必至だろう。

 しかも、同会議の委員は、現在、議長を含め計14名で構成されているが、そのなかにはこの3名のほかにも安倍首相シンパが勢揃いしている。議長は第一次安倍政権で民間閣僚として経済財政政策担当大臣に抜擢された大田弘子氏であり、議長代理の金丸恭文・フューチャー会長兼社長も〈菅義偉官房長官とのパイプが太く、安倍首相にも信頼されている〉(日経ビジネスオンライン2016年11月4日付)といわれる人物。さらに、安倍首相を応援する財界集団「さくら会」の中心メンバーである富士フイルムホールディングスの古森重隆会長や、安倍首相とはゴルフを興じる仲である森下竜一・大阪大学大学院教授など、安倍首相と昵懇のメンバーが顔を揃えているのだ。

 放送制度改革がこのまま実施されれば、地上波に『ニュース女子』のようなフェイク番組が溢れかえり、昨年、総選挙公示日直前に安倍首相が出演したAbemaTV『徹の部屋』でホスト役の見城徹・幻冬舎社長が「日本の国は安倍さんじゃなきゃダメだ」などと繰り返したような発言がただただ流される──。恐ろしい悪夢のような現実が、確実に待ち受けているのである。

 放送法4条にかんしては、政治権力が直接メディアに圧力をかけることを可能にしてしまっていることから「撤廃するべき」という声もあったが、このような安倍首相の思惑がある以上、いまは到底、看過できるものではない。だいたい、公文書を改ざんしてしまうような独裁政権に規制改革など任せられるか。放送を安倍首相のおもちゃにさせないためにも、一刻も早く内閣総辞職に追い込まなくてはならない。

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