エルサ=雅子妃説まで飛び出した!『アナと雪の女王』論争振り返り エルサ=雅子皇后がありのまま生きるのはワガママか?

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ディズニー公式ホームページ「Disney.jp」より


 2014年爆発的にヒットしたディズニー映画『アナと雪の女王』。来週22日には『アナと雪の女王2』が公開されることもあり、本日15日夜には日本テレビで『アナと雪の女王』が放送される。

 半年以上の異例のロングランヒットともなった『アナ雪』は、主題歌「Let It Go〜ありのままで〜」が、街でもお茶の間でもヘビーローテーションされるなど、子どもだけでなく大人も夢中に。社会現象も巻き起こし一大ブームとなったが、やはりその最大の要因は主人公のひとり・エルサが新しいプリンセス像を提示したことにあるだろう。

 ディズニー映画といえば、それまで“受け身のプリンセス”“恋愛至上主義”が顕著だったが、『アナ雪』はそうした既存のヒロイン像を一新、王子さまとの恋愛の成就をハッピーエンドとせず男性から自立した存在として描いた。

 この新しいプリンセス像に、多くの論客たちも沸き立った。批評家の東浩紀氏や実業家の夏野剛氏、脳科学者・茂木健一郎氏、評論家・中森明夫氏、荻上チキ氏といった面々がさまざまな『アナ雪』解釈を行い、数多くの『アナ雪』論が発表された。

 もちろん議論の中心は、雪や氷をつくる魔法の力を持つヒロイン・エルサをめぐるもの。さまざまな女性がエルサに重ねられたが、なかでも大きな話題になったのが、エルサを当時皇太子妃だった雅子皇后になぞらえる論考だ。

 中森明夫氏は、〈皇太子妃となって、職業的能力は封じられる。男子のお世継ぎを産むことばかりを期待され、好奇の視線や心ないバッシング報道にさらされた。やがて心労で閉じ籠ることになる〉と、魔法の力を隠し城に籠って生きることを強入られたエルサと皇室のなかで雅子皇后の姿を重ねた。

 一方「週刊文春」(文藝春秋)は、皇室関係者のあいだでも『アナ雪』の話題で持ちきりだとして、エルサが「Let It Go」を歌い上げるシーンについても、「あの場面の本質は、女王が責務を放棄して『自己実現』を歌い上げていることです。どうしても“開き直りの歌”に聞こえてしまうんです」という皇室関係者のコメントを紹介。映画の場面と雅子皇后の過去の言動をあげつらった。

 本サイトでは2014年末、こうした数々『アナ雪』論争を総まくりする記事を掲載した。エルサ=雅子皇后なのか? エルサ=雅子皇后が「ありのまま」に生きることはワガママなのか? 以下に再録するので、『アナ雪2』公開を前に、あらためてご一読いただきたい。

 また、ちょうど新天皇即位で雅子皇后の足跡を振り返るマスコミ報道も多いが、本サイトでは先日「雅子さまの足跡」を振り返るマスコミが触れなかった男子を産まない皇后への過酷な圧力と深刻な事件!」(https://lite-ra.com/2019/11/post-5085.html)という記事を掲載した。「美談」では片付けられない雅子皇后の足跡についても、合わせてお読みいただければと思う。

⚫️エルサ=雅子妃説まで飛び出した!『アナと雪の女王』論争総まくり

 2014年を振り返るなかで忘れてはいけないのが、『アナと雪の女王』の爆発的ヒットだろう。猫も杓子も「レリゴー」の大合唱で、子どもから年配者までが夢中に。ここまで人びとを惹きつけ、大きな話題を呼んだのには、これまでのディズニー映画に顕著だった“受け身のプリンセス”とは打って変わって、男性から自立した存在として描いたことにもあるだろう。

 当然、この新しいプリンセス・ストーリーの登場に、大いに湧いたのは評論家たち。さまざまな『アナ雪』解釈が行われ、議論に事件まで勃発した。
 まず、男性視線で『アナ雪』を紐解いたのは、批評家の東浩紀氏。実業家の夏野剛氏、美術評論家の黒瀬陽平氏とともに「男たちが語る『アナと雪の女王』──なぜクリストフは業者扱いなのか」なるイベントを開催し、

「僕なんか見終わった後、複雑な気持ちがしたのが、女の子が一生懸命、がんばるという話をストレートに作っているだけじゃなくて、わざわざ男いらないって強いメッセージを出している。なんでそこまで王子モデルを攻撃しないといけないのかと」

 と、感想を述べた。これには黒瀬氏も「それでは今まで男が女にやっていたことを、単にひっくり返しただけになっちゃう」と同意し、以後は“オラフはアナとエルサの養子&オラフの鼻のニンジンは男性器のメタファー”説や、“舞台が北欧=先進国が抱える少子化問題などの将来を暗示している”説などを展開。最終的に東氏は「「女性が解放されて良かったんだ〜」という脳天気な映画ではない」と結論づけた。

 たしかに、国内外で“エルサの魔法=マイノリティや障碍者のメタファー”という分析もあり、女性の解放だけがテーマではないというのはわかる。ただ、端的にいえば『アナ雪』は男性がつくり上げてきたご都合ヒロイン像を意図的に覆しただけ。それに、この3人がいうほどクリストフは「ヘタレで役立たず」(黒瀬氏)でもない。なのに、ここまでクリストフが業者で終わったことに過剰反応するのは、逆に3人の男根至上主義が浮き彫りになるようで、なかなかに興味深い。

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