ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100 第4号

働き始めて1週間で会社が売却されることに! 正社員採用だったはずなのに…悪質すぎる求人詐欺

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求人詐欺の典型!正社員募集なのに「はじめは試用期間」「はじめはみんな有期契約」

 今回の事業譲渡に関していえば、Aさんの雇用も一応譲渡対象になっているという。しかし、その場合も半年足らずで契約は終了となると言われているらしい。正社員としての契約が引き継がれれば、譲渡先でも正社員として扱われるはずである。

 不思議に思った私は、契約書を確認させてもらった。やられた……!契約期間が半年になっている。「はじめは試用期間だから」とか、「みんなはじめは有期契約で入ってもらうんだ」などという説明はブラック企業の常套文句であり、いわゆる求人詐欺(求人内容と実際の労働条件が異なること)の典型例である。これでは譲渡先に雇用関係が移転しても、半年で切られてしまう可能性が高い。

 Aさんは譲渡先への移転は望んでおらず、M薬局も直ちに辞めたいと考えていた。しかし、M薬局やK氏に対して、何らかの責任追及をしなければ気が済まないという。

 事業譲渡契約がたった1週間で決まるはずはなく、Aさんの採用を決めた時点でかなり話が進んでいたはずである。あるいは、その時点ですでに話はついていたのかもしれない。そして、そのことを隠したまま正社員として(契約書上は有期社員として)Aさんを雇っている。このことは、労働者に対する重大な説明義務違反に該当するのではないか。私は、求人詐欺を行った点と併せて、このことについて損害賠償責任を追及してはどうかと考えた。

 Aさんは裁判などによって長期化することは避けたいということで、早速交渉を開始することとした。私が代理人になったことを通知した後、K氏との初対面のときを迎えた。

 さて、どんなブラック経営者が出てくるやら……。

「ど~も、この度はご迷惑をおかけしまして」
先に待っていたその人は、いかにも人の良さそうな年輩の紳士であった。
「私、法律なんかには全く疎いものでして……今回ご連絡をいただくまでは何か悪いことをしていたということすらわかりませんで」
……拍子抜けである。しかし、その後のK氏の話を聞いていると、ふつふつと怒りがこみ上げてくる。

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