『シン・ゴジラ』に対してなぜ園子温監督は「クズ」といったのか? 本質を隠す描写がリアルと評価される時代

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本日21時より放送される『シン・ゴジラ』(テレビ朝日HPより)

 本日21時よりテレビ朝日にて、昨年大ヒットを記録した映画『シン・ゴジラ』が地上波で初めて放送される。

 庵野秀明が総監督・脚本、樋口真嗣が監督・特技監督を務めた本作は、結果的に80億円を超える興収を記録。また、この作品は商業的な成功をおさめただけではなく評論家からも高い評価を得た。「第90回キネマ旬報ベスト・テン」では、「日本映画ベスト・テン」の第2位に選ばれ、さらに、庵野は脚本賞にも選出されている。

『シン・ゴジラ』と同じく昨年に大ヒットを記録した映画といえば、真っ先にあげられるのが『君の名は。』だ。両作品を見た人ならわかる通り、この二作品にはある共通点がある。

 それは、作中に3.11をさせる描写があり、物語自体が東日本大震災に対するリアクションとなっているという点である。 『シン・ゴジラ』と『君の名は。』について評論家が語る際には、当然それらの描写に対する言及が多くなされ、ほとんどは肯定的な意見が語られたのだが、そういった傾向に対して異議を突きつけた映画監督がいた。

 その映画監督とは園子温だ。彼はツイッターに〈二度と怪獣映画のリメイクごときで現代の311を語るな、クズども〉といった文章を連続で投稿し、安易なエンタメで東日本大震災を消化しようとする日本社会の傾向に警鐘を鳴らした。 その裏には、『ヒミズ』、そしてなによりも『希望の国』といった作品で、真っ正面から震災や原発事故を描こうとした監督ならではの矜持があるのだろう。

 園子温監督はこの発言で「イデオロギーに凝り固まったいちゃもん」「中二病の発症」と総攻撃を受けたが、しかし、園の言葉は、イデオロギーとか自意識とかを超えた、いまの映画、いやすべての文化状況の本質をつくもにだった。

 本サイトでは園子温監督の発言を紹介し、その意味について考察した記事を配信した。ここに再録するので、是非読んでみてほしい。この文章を読んだうえで、あなたは『シン・ゴジラ』をどう見るだろうか? (編集部)

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