新年特別企画◉差別事件・ヘイト発言再検証

新年だからこそ差別主義者たちのヘイト発言を振り返る! 石原慎太郎、曽野綾子、百田尚樹、長谷川豊、安倍政権

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 だが、この国の副総理が同じような発言をしているのだから笑えない。麻生太郎は2013年4月、都内の会合でこう述べている。「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで糖尿になって病院に入るやつの医療費は俺たちが払っているんだから、公平じゃない」「こいつが将来病気になったら医療費を払うのかと、無性に腹が立つときがある」。しかし欧州の研究などにより、生活習慣病は「贅沢病」ではなく、貧困層ほど発症リスクが高いことが明らかになっている。つまり、連中のがなりたてる「医療亡国論」は、ただ「貧乏人は適正な治療が受けられず死んでも仕方がない」という階級的な差別意識の表れにすぎない。
 事実、貧困叩きは熾烈さを増している。『NHKニュース7』が家庭の経済的事情から進学を諦めざるを得なかったという高校3年生の女子生徒を特集すると、放送終了後にネット上で彼女のあら探しが始まり炎上。そこに「生活保護バッシング」の片山さつき参院議員がまたぞろ参戦し、“貧乏人は贅沢するな!”と公然と批判した。いずれにせよ、貧困問題やそこに由来する医療問題がレイシズムのフィルターにかかれば「そのまま殺せ!」にまで繋がるのだ。これもやはり、差別による虐殺扇動とまったく同じ構図をなしている。


●百田尚樹が千葉大レイプ事件で「犯人は在日外国人」デマ、関東大震災朝鮮人虐殺の「再現」も

“ベストセラー作家”の百田尚樹が、千葉大医学部の学生3名が集団強姦致傷容疑で逮捕された事件で氏名が未公表だったことについて、〈犯人の学生たちは大物政治家の息子か、警察幹部の息子か、などと言われているが、私は在日外国人たちではないかという気がする〉とツイートし、問題になったことは記憶に新しい。なんの証拠もなしに“犯人は在日”と言いふらすのは明らかな人種差別の扇動。しかも、後日の週刊誌報道で容疑者のひとりが“法曹界の名家”出身者であることが報じられ、百田のツイートが実際に悪質なデマであることも確定した。
 こうした犯罪や社会的混乱の根元を「在日外国人」に求める百田やネット右翼たちの心性は、歴史的な虐殺行為を彷彿とさせる。とくに、それを痛感させられたのが、熊本地震に乗じて〈熊本の井戸に朝鮮人が毒を入れて回っているそうです!〉という、極めて悪質なデマツイートが出回ったことだ。これは、1923年9月、関東大震災の発生直後の数日間で「朝鮮人が暴動を起こした」「井戸に毒をいれた」「放火している」等のデマが広がり、日本人らによる大規模な朝鮮人の虐殺が行われた歴史を再現させようとするものだった。“差別は人を殺す”という事実は、歴史が証明してきたことだ。

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