「反体制的なことを歌いたくなる」…星野源の盟友・浜野謙太が語る“反骨の音楽”としてのファンクと反戦メッセージ

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〈真面目なうたを歌えという ボケてるやつにツッコめという 武器を持ってこそ国だという 我が国我が国言っている〉

 この曲のミュージックビデオでは〈武器を持ってこそ国だという 我が国我が国言っている〉の部分で神妙な面持ちのハマケンが日の丸を振っている皮肉に満ちたシーンも映し出されていた。

 在日ファンクはそもそも、「あくまで本物のファンクを目指しながらも、そのなかでどうしても出てくる日本人流の解釈」というものを大事にしたバンドだ。論争を呼びそうな「在日ファンク」というバンド名にもそういった意味が込められている(ここ最近の星野源が自身の音楽のコンセプトとして掲げている「イエローミュージック」という概念もまったく同じなのは興味深い)。

 知っての通り、「ファンク」という音楽ジャンルは猛烈な熱量のダンスミュージックとして1960年代から1970年代にかけて一世を風靡したが、それは単なるダンスのための音の快楽装置として機能するにとどまらず、公民権運動の高まりなどの社会状況も反映し、歌を通じて黒人同士の連帯を強める役割も担った。在日ファンクにとって最大の参照元であるジェームス・ブラウンが1968年に発表した「セイ・イット・ラウド・アイム・ブラック・アンド・アイム・プラウド」はまさにその代表例。この曲はタイトルが示す通り、差別との戦い、そして黒人としての誇りをもつことを同胞に呼びかける曲であった。

 ただ、だからこそ、真摯に本物のファンクに近づこうとすればするほど、ハマケンにはある悩みが生じる。彼は過去のインタビューでこのように語っている。

「ブラック・ミュージックをやっていると、ある種の劣等感というか、アメリカとは違う社会状況を卑下する傾向があるんですよ。日本は平和だからレヴェル・ミュージックが生まれないみたいな。でも、日本人だからこそのブラック・ミュージックができないわけがないというのがあって」(ウェブサイト「OTOTOY」)

「レヴェル・ミュージック」というのは、「Rebel=反抗、反逆」の音楽という意味で、レゲエ、パンクロック、ソウル、ファンク、ヒップホップなど、貧しい者が政府や金持ちなどへの批判を歌う音楽全般を指す言葉。

 ハマケンが語ったこの捻れたコンプレックスは、日本においてつねに議論されてきた議題であった(たとえば、「ゲットーのない日本で本当のヒップホップは生まれるのか」といった具合に)。みうらじゅん『アイデン&ティティ』(青林堂)に登場する「不幸なことに、不幸がなかったんだ」というセリフは、それを端的に表現したものといえる。

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