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小島慶子が専業主夫の夫に「あなたは仕事してないから」と口にした過去を懺悔!“男は仕事すべき”価値観の呪縛の強さ

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 しかし、小島氏が言うように、現在これと同じ体験ができる男は、育児休暇取得率すらわずか2.3%(2014年度雇用均等基本調査より)しかない現状ではほとんどいない。そして、そのような価値観の大転換を妨げているのが、「男は人生のプライオリティーに「仕事」を置くべき」という「こうあるべき」価値観の存在である。

 そうした価値観への呪縛からは、これまで紹介してきたような考えをもつ小島氏ですら逃れられるものではないらしい。小島氏は現在オーストラリアに移住し、日本と自宅を行き来する生活を送っている。番組制作会社勤務だった夫は専業主夫として一家の大黒柱となった小島氏を支えているのだが、そんな夫に対し、ふとした瞬間に彼が外で働いていないことを責めるような態度が出てきてしまうのだと言う。

「たとえばいままでは夫に腹を立てても、「まあ仕事はちゃんとやっているのだし」とか、「私の前だから油断してるだけよね」と、何となくその場を収めることができていたんです。それが彼が仕事を辞めたことで、そうやって感情を押し込む、押入れみたいな場所がなくなってしまったんです。だから夫に腹を立てば、本当に恐ろしいことですけれども、「結局、仕事なんかできなかったんでしょう」と言いたくなったりしました。(中略)
 夫に「仕事をしていないからわからないでしょう」とか、「働くって大変なのよ」とか、つい言ってしまうんです。もちろん夫は私より社会人経験が長いから、そんなわけないとわかっているのに言ってしまう。買い物に行くと、「じゃあ、これ買ってあげる」と言ってしまったりもしましたね。いままで、私が大嫌いだったオヤジの言動すべてが、自分の中から出てきたんです。すごくショックでした。夫に絶望するより、夫に対してそういう振る舞いをした自分の本音に大変衝撃を受け、失望する毎日でした」

 おそらく、こうした体験があるからだろう。小島氏は「男ならこうあるべき」という枠組みを崩すだけでなく、その先のことを考えようとしている。

「いま社会で、男の人にはまっている枠とか型を壊そうとしているわけですよね。壊して、彼らを自由にすると、男性ありきの枠組みから弾かれて不自由になっていた私たち女性も自由になれると、考えているわけです。ただ、その「あるべき男」圧力がなくなったとき、シロアリにようにわいてくる男たちの不安をどのようにして受け止めるのか、あるいはどのようにそれと共存するのかということまでは、まだ世の中としても語っていません。
 それは何なのだろうと考えると、一つには男性でも女性でも年収や肩書きではないところで評価する、という考え方なのではないかと思うのです。その考え方が広まると同時に、何らかの面で制度的にもそういう考え方がかたちになるということですよね。具体的にどんな制度がいいのかを、今まさに考えなきゃいけないんだと思います」

「男なら家族や自分のことよりも、まず仕事を最優先にすべき」「仕事をバリバリしている男以外は全員ダメ男」。この価値観が変わらない限り、男の苦しみは社会を蝕み続けるだろう。

 女性のワークライフバランスをめぐる議論は常々進められてはいても、男の生き方の多様性に関する議論は放置されたままである。この議論が進まないことには、女性の社会進出に関する問題も、保育園問題に関しても真の解決はないはずだ。
(井川健二)

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