参院選を前に女性たちが安倍政権に危機感…ファッション誌「LEE」も「自民党に改憲を許す」危険性を警告

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 また、一人では無力感があるという質問に対して、PTAやサッカーチームでもいい、意見をもち寄って調整し、仲間をつくり、増やすことが「政治」であり、またSNSを活用して政治の情報収集することも可能だと“身近な政治”を提案している。

 さらに、投票のために“知っておくべきこと”として「改憲」の問題が取り上げられているが、ここでは安保法制、集団的自衛権の憲法解釈などについて、憲法学者の木村草太氏による具体的な危険性が提示される。

 例えば、昨年成立した安保法制で何が変わるかとの質問に、木村氏はこう答えている。

「安保法制というより“自衛隊海外活動拡大法”と呼ぶべきでしょう。(略)自衛隊がこれまで以上に危険な状況に陥り、戦闘で死者が出る可能性が高くなるということです。この法律が通ってしまった背景には、日本人が外国の紛争解決に“貢献”しない点に対する後ろめたい気持ちがあると思います。その後ろめたさが安保法制について真正面から考えさせないでいる。それは自衛隊の活動を拡大した政府にとっては“都合のいい無関心”になります」

 また、緊急事態条項についてもこう説明する。

「戦争や災害時に緊急事態を宣言して政府が一時“独裁”するとの条項です。(略)自民党草案の緊急事態条項は、三権分立や基本的人権を停止する効果まで定められています。とても危険な内容で、とうてい許容することはできません」

 他にも、少子化はそこに予算をかけない政府の政策ミスであり、自然発生ではなく人為的なもので、子育て世代は声を上げるべきだといった内容や、自民党・木村弥生議員と民主党の山尾志桜里議員のインタビューを並列して掲載するなど、力の入った特集となっている。

「LEE」は2014年12月号でも「母親たちの初めての憲法特集」という企画を組んでいるが、実際にこうした硬派な記事は読者にも好評を得ているという。それは翻れば、現在の政治状況に多くの女性が危機感をもっていることの証明なのだろう。

 舛添要一都知事問題などのセコい話だけでなく、こうして幅広く政治的関心をもち、同時に権力に対する危機意識をもつ。それが政治に関わる第一歩だ。
(伊勢崎馨)

最終更新:2016.06.27 12:26

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