ドイツ航空機墜落は副操縦士だけの問題か? 格安航空会社(LCC)のここが危ない!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
LCC_150330.jpg
『危ういハイテク機とLCCの真実』(扶桑社)

 乗客150人が犠牲となったドイツの格安航空会社(LCC)ジャーマンウイングス機の墜落事故で、あらためてLCCの安全性が問われている。これまでの調査によると、事故の原因は27歳の副操縦士が機長を操縦室から締め出し、意図的に機体を急降下させて墜落させた可能性が高いというものだった。独メディアの報道では、副操縦士には精神科の通院歴があり、自室から墜落事故が起きた日が「就労不可」だったとする診断書も見つかっているという。

 ジャーマンウイングス社はルフトハンザドイツ航空の子会社で、問題の副操縦士は2013年9月から勤務し、630時間の操縦経験があった。フランクフルト近郊の在住で、地元航空クラブのメンバーでもあった。パイロットになるのは子どものころからの夢だったのだ。ジャーマンウイングス社は操縦士の採用時に「精神面の安定」をチェックするが、採用後は定期的な健康診断を行うだけで「精神面での定期検査は実施していない」という。いまのところ、本人が病気を会社に隠していたとされている。

 LCCの安全性については、一般に「古い機材を使っているのは大丈夫か」といった声がよく聞かれる。今回、墜落した飛行機も24年間使用した中古のエアバスA320だ。だが、専門家によるとそれはさしたる問題ではないという。整備さえしっかりしてあれば、既存航空会社からの“おさがり”でも十分、安全運航は保たれる。最大の問題は、実は乗務員(とくにパイロット)の管理だという。そのことをいち早く指摘したのが『危ういハイテク機とLCCの真実』(扶桑社)だ。著者の杉江弘氏はボーイング747の乗務時間で世界一の記録を持ち、42年間JALでパイロットを務めた元機長だ。同書は2年前の13年5月に出版された。

 徹底したコストダウンと効率的なオペレーションで格安運賃を実現したLCCは、規制緩和を象徴するニュービジネスとしてもてはやされてきた。日本国内では地方空港活性化の起爆剤として期待と注目を集めている。そのせいもあって、安かろう悪かろうではないかといった不安の声や安全性に対する疑問はタブー視される傾向にあった。ジャーマンウイングス機の事故直後も『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ系)に呼ばれた著者の杉江氏がLCCの問題点を指摘すると、すかさず司会の宮根誠司氏が「まだ原因ははっきりしたわけではありませんので……」などと再三フォローする場面が見られた。本当にLCCの安全性は「問題なし」と言えるのか。

 以下、杉江氏の著書を元に点検してみよう。

 まず知っておいて欲しいのは、LCCはいったん破綻したビジネスモデルだということだ。同書によれば、最初のブームは1980年代から90年代にかけてのアメリカで起きたという。きっかけは78年の規制撤廃法の施行だった。この政策によっておびただしい数の新規航空企業が参入し、それまで全米で36社だった航空会社が233社に急増した。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

危ういハイテク機とLCCの真実

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

ドイツ航空機墜落は副操縦士だけの問題か? 格安航空会社(LCC)のここが危ない!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。LCC事故時田章広航空機の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 山本太郎が安倍に放火未遂スキャンダルを質問
2 W杯乱入プッシー・ライオットを非難する日本の異常
3 大飯原発逆転再稼働の裏に裁判所の策謀
4 アベ友・八木秀次に1200万もの公金横流し
5 生活保護叩きする前に吉岡里帆ドラマを見ろ
6 災害放置の安倍首相が“やってる感”だけ演出
7 安倍が選挙妨害に関与の決定的証拠
8 安倍が選挙妨害を依頼した男と密室謀議
9 タイ洞窟少年にまで自己責任バッシングする日本
10 志らくが『ワイドナ』でも赤坂自民亭めぐり大嘘
11 安倍への忖度?山口県警が安倍系建設会社の捜査握り潰し 
12 青山繁晴が前川氏に論破されてボロボロ
13 葵つかさが「松潤とは終わった」と
14 百田尚樹がお茶大LGBT入学に差別攻撃
15 舛添問題で石原良純が挙動不審に!
16 山本太郎を評価せよ!
17 嵐・相葉“紅白司会”の背後に五輪利権
18 安倍が災害66時間放置をなかったことに
19 安倍が災害無視し極右ネットTVに
20 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
1安倍が豪雨災害対策を放置し飲み会優先
2安倍の豪雨対策そっちのけ飲み会に非難轟々!側近も
3安倍が選挙妨害に関与の決定的証拠
4 安倍が災害対応よりカジノ法案優先
5山本太郎が安倍に放火未遂スキャンダルを質問
6タイ洞窟少年にまで自己責任バッシングする日本
7加藤剛が「安倍政権は憲法違反の政権」
8災害放置の安倍首相が“やってる感”だけ演出
9 オウム死刑囚大量執行は井上の口封じか
10安倍が選挙妨害を依頼した男と密室謀議
11安倍への忖度?山口県警が安倍系建設会社の捜査握り潰し 
12オウム大量死刑執行報道は“公開処刑”だ
13 安倍が災害66時間放置をなかったことに
14アベ友・八木秀次に1200万もの公金横流し
15逮捕の文科省局長と安倍政権の関係、同じ支援事業に加計
16 百田尚樹がお茶大LGBT入学に差別攻撃
17志らくと八代弁護士が赤坂自民亭を擁護
18生活保護叩きする前に吉岡里帆ドラマを見ろ
19志らくと春蝶が赤坂自民亭めぐり安倍ポチ全開
20志らくが『ワイドナ』でも赤坂自民亭めぐり大嘘

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄