安倍首相が伊藤詩織さんへのセカンドレイプ繰り返す「Hanada」に堂々登場! あの山口敬之と山口擁護の小川榮太郎と表紙で“共演”

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飛鳥新社ホームページより


 伊藤詩織さんとの民事裁判に全面敗訴した元TBS記者・山口敬之。この「安倍首相に近いジャーナリスト」を徹底的に擁護し、伊藤さんへの「セカンドレイプ」を執拗に繰り返すメディアがある。花田紀凱編集長率いる「月刊Hanada」(飛鳥新社)だ。

 周知のように、官邸御用ジャーナリストや極右文化人らで執筆陣を固め、安倍政権擁護とリベラル野党バッシング、中国・韓国に対するヘイト攻撃を展開してきた同誌は、性的暴行が表沙汰になって以降は「私を訴えた伊藤詩織さんへ」(2017年12月号)なる独占手記をはじめ山口氏を継続的に起用し、その“復帰”をサポート。2019年10月号からは、自称文芸評論家・小川榮太郎氏による“伊藤さんバッシング記事”を連続掲載した。さらに今月18日の地裁判決当日には、花田編集長がセッティングした記者会見で山口氏が「伊藤さんは虚言癖というべき」「伊藤さんは性被害者ではありません」などとまくし立てている。

 そんな“セカンドレイプマガジン”と呼ばれても仕方ない極右雑誌「Hanada」だが、今週、書店に並んだ最新号の表紙を目にして、思わず言葉を失ってしまった。


 なんと、安倍首相の“独占インタビュー”が右肩トップに堂々と載っているのだ。しかも、その表紙には、例の山口氏と小川氏の名前が大きく出ているではないか。

 もっとも、安倍首相が「Hanada」のインタビューに応えるのは今回が初めてではないが、日本の現職総理がまさかこのタイミングで「セカンドレイプ」を扇動するような極右雑誌に登場、あろうことか、山口氏や小川氏と表紙で仲良く“共演”するとは……。いったい、この人の頭の中はどうなっているのだろう。神経を疑わざるを得ない。

 首相動静によれば、このインタビューが収録されたのは今月5日。安倍首相は午後2時半から首相公邸で約50分間の取材を受けている。「桜を見る会」問題で激しく追及されるなか国会でもまともに説明せず、かたや性被害者バッシングを繰り返すような雑誌に長時間を割くなんて、まったく、国民に馬鹿にしているのかという話だが、肝心のインタビューの中身も、もっぱら極右応援団へのアピールだった。

 満面の笑みを浮かべる安倍首相のグラビアに続き、15ページにわたって掲載された安倍首相独占インタビューのタイトルは、「習近平と文在寅には一歩も譲りません!」。今月24日からの日中韓3カ国首脳会議、1年3カ月ぶりの文在寅大統領との首脳会談、来春に内定している習近平国家主席の国費来日に対する“極右界隈の反発”をなだめようとの意図は明らかだった。

 たとえば、韓国については「韓国には日韓関係の基本をなす日韓請求権協定の違反状態を是正して、国と国との約束を順守することによって、日韓関係を健全な関係に戻すきっかけをつくることを今後も強く求めます」「安倍政権が韓国との根本原則で譲るということはあり得ません」と語っている。中国に関しては領海侵犯について「引き続き、日本側の強い意志を中国側にしっかり伝えていきます」などと述べ、「どの国に対しても、今後とも安倍政権は言うべきことはしっかりと言い続ける。この姿勢は揺るぎません」と“毅然とした対応”をアピールしている。

 だが、周知のように安倍首相がとったのは中国・韓国との協調路線だった。実際、24日の「日中韓ビジネス・サミット」で、会場の成都が三国志時代の蜀の首都であったことを持ち出して「我々3カ国が共に協力し、国際社会と共に発展する、新しい三国時代を築きたい」などと語っている。表現の陳腐さはともかくとしても、国際社会に中国・韓国との融和をPRしたわけだ。

 しかし、とりわけ「戦後最悪の日韓関係」を招いた原因は、輸出規制など安倍政権によるゴリゴリの“報復”だったことを忘れてはいけない。そもそも歴史修正主義者の安倍首相は、これまで中国と韓国を“仮想敵”にすることで何度も政権浮揚を図り、その“強硬姿勢”で保守層の支持を確固たるものとしてきた。つまり、安倍政権の方針転換は、明らかに東アジア情勢を見据えた米国、トランプ大統領の圧力にしぶしぶ従ったに過ぎない。

 まさに国際社会(米国)と極右の身内とで使い分ける“二枚舌作戦”だ。

 一方で中国に対しては、アメリカ議会が香港人権・民主主義法を可決したのをはじめ民主主義諸国が強く非難する、香港での民主化デモ弾圧やウイグルにおける人権弾圧問題についても、最低限の懸念を伝えただけ。どこが、言うべきことはしっかり言う、なのか。

 まいど同じ手口を使われてもなお、安倍首相に心酔してやまない“自称保守”たちのマヌケさと言ったらないが、裏を返せば、それだけ安倍首相にとって、極右連中は“特別扱いの上客”ということなのだろう。

 実際、「Hanada」のインタビューでは「桜を見る会」問題に関しても語っているのだが、そこでは、安倍首相が直接口に出せないことを代弁するかたちで、インタビュアーがゲスな野党批判を次々繰り出していた。

安倍首相、山口敬之、小川榮太郎とならんで「桜を見る会」批判を攻撃

 たとえば、問題の「前夜祭」をめぐるホテルニューオータニへの少なすぎる支払いについて、インタビュアーが「それ(参加者800人)よりも少ない人数分の料理を用意するのが常識で、料金もその分安くできる。こんなことは野党の連中だって知っていること」と言えば、安倍首相が「現に他の多くの議員の方々も、私の設定した金額以下で会を行なっておられたとも聞いています」と息を合わせる。さらに、「(野党が)夕食会の次はジャパンライフの問題や昭恵夫人に対するバッシングを始めたり、まさにモリカケ問題と同じ構図」と振られれば、「あまりにも事実と異なる批判があることも事実」「インターネット上などでは『おかしいのではないか』と反論をしていただいていることも承知しています」と語る、といった調子だ。

 こうした“安倍政権全面擁護”と“批判の打ち消し”を代弁してくれることこそ、安倍首相が「Hanada」という“極右雑誌”を重用している理由だが、その最たるものが、表紙で安倍首相と“共演”している山口敬之氏と小川榮太郎氏だ。

 山口氏は「『桜を見る会』騒動 売国野党と朝日に中国共産党の影」なる記事で野党を「巨大ブーメラン」だと攻撃するが、中身は羊頭狗肉もいいところ。小川氏は「『桜を見る会』狂騒曲」なる章題で安倍首相を徹底擁護し、〈野党のみならず、特定のメディアが積極的に、無理な「仕掛け」と「煽り」に大きく加担している〉〈我々は嗤ってみているうちに、実はある「無血革命」のプロセスに、すでに乗せられてしまっているのではあるまいか──〉と、お得意の“左翼マスコミ陰謀論”を展開している。

 『約束の日 安倍晋三試論』や『総理』(ともに幻冬舎)など“安倍ヨイショ”を食い扶持にしている二人は、もはや現政権と“運命共同体”の関係にある。ある種、安倍首相が山口氏や小川氏と「Hanada」で肩を並べていることは、日本の現職総理がいかに“極右のお仲間”だけを大事にしているかの証明と言えるだろう。

 しかし、繰り返すが、性的被害を訴えられた民事裁判で全面敗訴した山口氏も、その山口氏を全面擁護する小川氏も、現在進行形で伊藤さんへのバッシングを繰り出している人物だ。そして、安倍首相が嬉々として独占インタビューに応じた「Hanada」は、こうした性暴力サバイバーへの「セカンドレイプ」を増幅させているメディアである。

 19日、伊藤さんは日本外国特派員協会での記者会見で、「Hanada」やヘイト漫画家のはすみとしこ氏を「セカンドレイプ」の例にあげた「フランス10」の記者から、「高裁で勝訴した場合、そういうセカンドレイプ的な表現をしてきた人たちを訴える可能性はあるか」と質問され、今後、法的措置をとる考えを示した。

「民事で一度ピリオドが打てましたら、次にはこういった方々からの攻撃についての法的措置を考えています。というのはやはり、そういった措置を行わなければ、同じことがどんどん続いてしまう。一番心苦しく思うのは、私に対するそういったコメントを見て、他のサバイバーの方も『やっぱり自分が話したら同じように攻撃されるんじゃないか』と(思うこと)。性暴力サバイバーたちに向かうネガティブな声をウェブに残してしまうこと自体が、本当にいろんな人を沈黙させてしまう理由になると思うので、法的措置をとりたいと考えております」

 これを受けて花田編集長は21日、自身のネット番組『週刊誌欠席裁判』で「『月刊Hanada』はまあ、なんていうかずっと小川さんの論文でですね、伊藤詩織批判を続けてきたわけですけど、まあ敗訴になって」と述べたが、謝罪は一言もなかった。逆に、この期に及んでぶちまけたのは「非常に偏向したというか」「極めて異例の判決っていうか、おかしいなあって私は思いますね」という裁判所への不満。伊藤さんの会見についても「まあ腹立たしい会見でしたね」と言ってのけ、こう嘲笑した。

「外人記者のなかでですね、『フランス10』の記者だかなんだかが、ようするに、うちの雑誌のことをですね、なんだっけ、なんつったんだっけ、『月刊Hanada』はセカンドレイプだと、こう言うんですね。通訳の人はさすがに“セカンドレイプ”っていうのは訳さなかったですね、“ノートリアスマガジン”みたいなことを言ってました。ようするに“悪名高き”って。『月刊Hanada』は“悪名高き雑誌”になっちゃってですね、へっへっへ(笑)。そういう人たちが、かなり外人記者クラブの会見には来てるわけですよねえ」

「セカンドレイプ」との批判に反省の色を一切みせない“極右雑誌”と、その独占インタビューに嬉々として登場し、あまつさえ山口氏と“共演”した総理大臣。国際社会から見れば、「セカンドレイプの一味」と受け取られても仕方ないだろう。安倍首相には、山口氏の逮捕取りやめの件も含め、このことをしっかり説明する義務がある。

最終更新:2019.12.26 12:54

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