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吉村洋文知事が医療崩壊、自衛隊派遣の責任問われまたゴマカシ詐術! 今度はありもしない自衛隊批判をでっちあげる卑劣
大阪府ホームページより
この期に及んでも、こいつの頭の中は「責任転嫁」しかないらしい。大阪のコロナ感染拡大と医療崩壊が深刻化するなか、大阪府の吉村洋文知事が7日夕方こんなツイートをしたのだ。
〈本日、呉地方総監、自衛隊の皆さまと。国民の生命、財産を守って下さいまして、ありがとうございます。違憲のそしりを受けることがあってはならない。保守を自称する国会議員は、命がけで憲法9条の改正をやってくれ。維新は命がけで都構想をやって大将の首をとられた。その迫力が全く感じられない。〉
つっこみどころがありすぎて呆然としてしまうが、やはり真っ先に言っておかなければならないのは、他人に上から目線で説教する前に、まずお前が反省しろ、ということだろう。
何しろ、大阪では9日時点での重症者は146人、累積死亡者数は380人にのぼっているのだ。東京都の重症者は60人で累積死亡者数は528人で東京都も決して楽観できる状況ではないが、東京都の人口約1400万人に対して、大阪府の人口が約880万人であることを考えれば、大阪が突出してひどい事態になっていることがよくわかる。
そして、大阪は自前の医療体制でこの状況に対処することができず、自衛隊の派遣を要請せざるをえない状況に追い込まれた。
断言してもいいが、これは維新府政、そして吉村知事の責任だ。
2008年に橋下徹氏が大阪府知事に就任して以降、大阪では公立病院や保健所を削減したほか、医師・看護師などの病院職員、そして保健所など衛生行政にかかわる職員を大幅に削減してきた。そして、吉村知事も大阪市長時代からこの路線を引き継ぎ、医療を削りに削ってきた。
その結果、大阪では、医師や看護師、保健所で慢性的な人手不足に陥り、コロナ感染が広がると瞬く間に検査・医療体制がパンク寸前に。そして、その脆弱な検査・医療体制が感染を拡大・重症化させ、さらに医療現場を逼迫させるという悪循環に陥った。
さらに問題なのは、第1波のあとだ。吉村知事は第1波のときから、「イソジン」だの「大阪ワクチン」だの“やってる感”アピールばかりで、ろくな対策を取ってこなかったが、第1波が過ぎ去ると、都構想住民投票にかまけ、まともな対策を打たなかった。
感染がいったん落ち着いていた時期に疲弊しきった医療検査体制を支援・整備したり、医療逼迫時に備えて他府県との協力システムを構築するなど、いくらでもやるべきことはあったのに、そうした医療体制の再整備を無為無策のまま放置してきた。それが、自衛隊派遣を要請せざるをえない状況を招いたのだ。
言っておくが、大阪府は予算規模全国4位を誇る巨大な自治体である。しかも、同じく自衛隊に派遣要請をした旭川市のケースは医療機関で大規模クラスターが発生して急遽人手不足に陥ったためだが、大阪の場合はそういう突発的な事態ではなく、構造的な看護師不足、医療体制の脆弱化が原因なのだ。これは行政の怠慢のツケを自衛隊に押し付けたと言われてもしようがないだろう。
自民党の“ヒゲの隊長”こと佐藤正久衆院議員が、吉村知事の派遣要請表明の直後、〈自衛隊は便利屋ではない〉と噛みついていたが、自衛隊出身の国会議員がそうつっこみたくなるくらい、ありえない事態なのである。
「命がけの都構想」ツイートに、「感染拡大のなか住民投票で命をかけさせられたのは大阪府民だ」の声
ところが、吉村知事は反省するどころか、またぞろお得意のごまかし、スリカエをおこない始めた。
しかも、今度は、ありもしない自衛隊批判のでっち上げである。吉村知事は前掲のツイートで今回の派遣要請とは関係ない自衛隊員との写真をわざわざアップし、〈違憲のそしりを受けることがあってはならない〉などと言っていたが、いったい誰がこの局面でそんな批判をしているというのか。
自衛隊の災害救助活動を違憲と批判している人など見たこともないし、今回、自衛隊が大阪に人員を派遣することを違憲と批判する声など一切起きていない。批判されているのは、自衛隊派遣という事態を引き起こした吉村知事や維新のコロナ対応だ。
この「自衛隊が違憲扱いされている」というのは安倍晋三・前首相が9条改憲を正当化するために持ち出し始めた詐術だが、吉村知事の場合は改憲扇動ですらない。自分の失政を持ち出されたら反論できないから、ありもしない自衛隊違憲論をでっち上げて、目を逸らさせようとしているだけなのだ。「命がけで憲法9条の改正をやってくれ」とは笑わせる。
挙げ句の果てに、〈維新は命がけで都構想をやって大将の首をとられた〉ときた。「命がけ」って、命をかけさせられたのは、吉村知事や松井市長ではなく大阪府民だろう。
前述したように、吉村知事は第1波のときから、「イソジン」だの「大阪ワクチン」だの“やってる感”アピールばかりで、ろくな対策を取ってこなかったが、第1波が落ち着いてからはコロナ対策はほぼ放置して都構想にかまけてきた。
当初の基準に則れば7月に「赤信号」だったにもかかわらず、3回も大阪モデルの基準を変更。8月21日には、もし「赤信号」になったとしても都構想の住民投票を延期しないと強行を表明。感染拡大への注意を喚起することも、疲弊しきった医療体制を支援・整備もせず、都構想の選挙活動に夢中になっている間に、感染が拡大、深刻化していったのである。
実際、感染が再拡大していた8月の大阪府の新型コロナ死亡者数は62人(NHKまとめから算出。以下同)にもおよび、東京都の31人の2倍もの数に。9月も同様に東京都45人に対して大阪府は54人と上回った。さらに新規感染者数も、都構想の住民投票が行われた11月1日には大阪府が123人で、東京都の116人を上回った。
その後、死者も急増し、冒頭で述べたように、累積死亡者は9日時点で東京に次ぐ380人にのぼっている。
ようするに、維新の「命がけの都構想」とやらで、比喩でなく、多数の府民が本当の「命」を落としているのだ。
第3波のなか吉村知事が責任転嫁のために口にしたブーメラン発言とデマ総まくり
自身の失策により多くの府民が命を落とし、いまも命の危機に晒されているというのに、こんなスリカエ、ごまかしを平気で口にするのだから、開いた口が塞がらない。
しかも吉村知事が最近、責任転嫁のためにおこなっているスリカエ詐術は、この「命がけツイート」だけではない。
11月30日には、「安倍前総理の桜(を見る会の前夜祭)の話とか(日本)学術会議の問題は国民の命にはかかわらないが、コロナは国民の命にかかわる問題ですから。メディアのみなさんが果たすべき役割は多いんじゃないか。野党も桜を取り上げた方が皆さんに取り上げられるけど」などと発言。「コロナを放置して都構想にかまけていた分際で、どの口が」と総ツッコミを受けた。
12月4日には「ワクチンもまだない。医療、経済もひっ迫している。コロナに特化してやってほしい」「国権の最高機関で唯一の立法機関。国会というところは感覚がずれているし離れている。国会を開いて法律はどうするの?と本格的な議論をしてほしい」などと国会閉幕を批判。ちなみに、先の国会閉会をめぐっては、野党が延長を主張したのに対し、維新は自民・公明とともに延長に反対。国会閉会をアシストしていた。
責任逃れのためには、デマも平気でふりまいている。7日に『ひるおび!』(TBS)、昨日9日には『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)に生出演した際、吉村知事は感染拡大の理由ついて「大阪は高齢者と若者の距離が近い」とか「高齢者と同居している世帯が多い」とか言っていたが、これもデタラメだ。
「厚労省国民生活基礎調査」(2018年3月公表分)によれば、65歳以上の者と子の同居率は、岩手県が51.9%で山形県が59.7%など東北や北関東が50%前後なのに対し、大阪府は33.9%で、東京都の31.0%など首都圏とたいして変わらない。大阪より人口が多く感染者数は少ない神奈川県のほうが35.1%で大阪より同居率が高いくらいだ。
さらに、あ然としたのは8日の会見だった。「大阪コロナ重症センター」の看護師不足について問われ、「足りないとか、みんな100点満点ばかり求めるけど、どうなんですか」「もともと夏は駐車場だった。もう少し前向きにメディアは受け取れないのかな。これがなかったら0床ですからね。少なくとも12月15日から動かすことができる。厳しいなかでも重症センターでやっていってくださる看護師さんもいる」「やらなかったらゼロ。メディアは批判するのが健全な形かもしれないが、もともと何もないところで、1床でも2床でも動かすことができる。100点満点ではないけど、進めている。」とメディア相手に逆ギレしていた。
吉村はテレビに出るだけで何もしていない!自衛隊派遣も要請しただけで受け入れ態勢未整備
こうした言動をみれば、吉村知事の関心事が自分への批判をどうごまかすか、どう“やってる感”をアピールするかだけで、大阪府民の命を守ろうなんて露ほども思っていないことがよくわかるだろう。何しろ、これだけ事態が逼迫していたら、少しは反省をして医療立て直し対策を打ち出そうとするものだが、吉村知事がやっているのはメディアに出まくって、自己アピールと批判への反論、責任転嫁を繰り返しているだけなのだ。
実は自衛隊の派遣要請さえも、ただの“やってる感”アピールでしかないのではないかという声さえある。というのも、同じく派遣要請した旭川市には9日朝に自衛隊医療チームが到着したが、大阪のほうは佐藤正久議員の8日夕方のツイートによると〈大阪府は受入態勢未確立〉だという。
この男はおそらく府民全員が命を落としかねない事態になっても、「私はこんなことをやってる」と“やってる感”を演出し続け、「この状況は○○のせいだ」と責任転嫁を続けるだろう。メディアも、いい加減こんな人間をもてはやすのは止めるべきだ。
(編集部)
最終更新:2020.12.10 01:20
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