『メディアに操作される憲法改正国民投票』著者・本間龍氏インタビュー

安倍首相が党大会で「改憲」強行を表明! 裏では電通に依頼して国民投票に向けた大規模広告戦略を計画

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広告枠さえ確保できない護憲派、安倍政権はメシ友のタレントを総動員か

──改憲派、自民党は国民投票に向けてすでに動いているということですか?

本間 それは確実でしょうね。たとえば今現在でも電通は各社の世論調査のデータを集計し、分析しているでしょう。さらにそうした様々な世論調査のビッグデータを解析し、自民党にアドバイスもする。また憲法関連のニュースを流して改憲を意識させる。さらに言えば、地方紙の社説などは護憲の論調が多いので、その対策も進んでいると思います。

──護憲派は発議じたいを阻止することが目的になっていますから、阻止できなかった場合を“想定していない”という側面はあるかもしれません。広告戦略において出遅れると、どういうことが起きるのでしょうか。

本間 それを説明するには、まず改憲派の視点から話す必要がありますね。自民党は、改憲発議を“する側”ですから、広告戦略にとって重要なスケジュールの把握が可能となります。当然、電通としてはテレビCMなどの広告枠、それも優良な枠の確保が容易になります。一方、改憲発議に反対する立場からは、そのスケジュールはまったくわかるはずもない。護憲派は、このままではまともな広告枠さえ確保できないでしょう。また、自民党はネット監視を行っていますが、電通も含めて、改憲に対するネット上のつぶやきなども解析していると思います。世論調査、ネットでのつぶやきなどをまとめ、全体で世論動向を見極めながら、ビッグデータの解析をする。さらに“敵”である護憲派はどういう層か、世代や男女比を分析して、その対策も練る。電通にとって、改憲をPRすることは、商品のパブリシティ戦略となんら変わらないんです。しかもテレビCMにおける占有率(シェア)はダントツです。その得意の手法とメディアへの影響力で、改憲を猛プッシュするでしょう。

──タレントの起用も電通ならお手の物ということでしょうか。『メディアに操作される憲法改正国民投票』のなかで興味深かかったのは、電通ならテレビ番組などのコメンテーターを改憲派だらけにできるという話です。改憲派が優先的に広告媒体の優良枠を買い占めることで、新聞や雑誌の広告はもちろん、テレビCMも改憲一色になる。大量のタレントが日替わりで「改憲YES!」を訴えたり、番組枠買取りの『ニュース女子』のような番組が氾濫する。ネットでも主要ポータルサイトの広告を改憲派が押さえて、SNSでは改憲広告がおどる。想像しただけでクラクラするほどの不公平さです。ちなみに、安倍首相が芸能人と会食したり、トランプ大統領の晩餐会に呼んだりしていますが、これも一種の広告戦略なんでしょうか。

本間 何の見返りもなくタレントと会っているわけではないでしょう。広告戦略にタレントの影響力は大きいですから、たとえば食事をすることで、タレントの個人的信条が問われる場面でその壁が低くなることはあるでしょうね。「決起集会に出てくれる?」「じゃあ、後ろで立っているだけなら」とかね。それだけでも大きなイメージ戦略です。

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