ドラマ『植木等とのぼせもん』今夜スタート…差別と戦争に反対し、治安維持法で逮捕された父・植木徹誠のことは描かれるのか?

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植木等の父は「戦争で死ぬな、なるべく相手も殺すな」と語った

 後に得度して徹誠となる植木徹之助は、1895年に三重県で材木商を営む家に生まれる。14歳のときに上京して真珠店の工場で働くようになるが、大正デモクラシーの空気が色濃いその時代、勤めていたその工場の寮で出会ったキリスト教と社会主義思想は彼に大きな影響を与え、労働運動などに参画するようになっていく。

 しかし、関東大震災で仕事を失い、また、その後の貧困で身体を壊した彼は、妻の実家である三重県の西光寺に身を寄せる。この地で部落差別の現実を目の当たりにして怒りを燃やした。またそれと同時に、親鸞の思想に出会い傾倒していく。

 その結果、彼は名古屋の本願寺別院で修行をし、徹誠と名を改めて三重県の朝熊に住み、その地にある三宝寺で住職としての仕事をこなしつつ、激しい部落差別反対闘争に身を寄せていく。

 なぜ、僧侶の徹誠が部落差別反対闘争に参加したのか? それは、いま生きている庶民たちを救済することこそが親鸞の思想だという立場をとっていたからだった。『夢を食いつづけた男』では、徹誠が三宝寺に着いた日、檀家の人たちに向かってこのように語ったと綴られている。

「私は死人の供養に来ましたが、同時に、生きている人びとの良き相談相手になるつもりでもいます。おたがいに友達同士として、苦しいこと、なんでも相談にきて下さい」

 時代はだんだんと戦争に向かっていく。そんななか、召集令状を受けた檀家の人がその旨を伝える挨拶に来ることもしばしばだったというが、そんなとき徹誠は、当時の人が絶対に言ってはいけないこんな言葉をかけていたという。

「戦争というものは集団殺人だ。それに加担させられることになったわけだから、なるべく戦地では弾のこないような所を選ぶように。周りから、あの野郎は卑怯だとかなんだとかいわれたって、絶対、死んじゃ駄目だぞ。必ず生きて帰ってこい。死んじゃっちゃあ、年とったおやじやおふくろはどうなる。それから、なるべく相手も殺すな」(『夢を食いつづけた男』より)

 僧侶としては至極当たり前の言葉なのだが、部落差別に反対したり戦争に反対したりと権力に楯突くことをしていた彼は、ついに治安維持法で逮捕されることになってしまう。

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