メリル・ストリープのトランプ批判は安倍政権のヘイト思想に侵された日本社会にこそあてはまる!

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 日本では政治にかかわる問題について口にすると「政治的」とされ、菅野弁護士が言ったように「色」をつけられる。しかし、差別的言動に対して「それはいけない」と言うことは政治的などではない。「当たり前」の指摘だ。なのに、「政治的だ」ということで当然の批判も封じ込められている。それが日本の現状ではないのか。青木氏は、こうつづけた。

「日本だってね、ヘイトスピーチをするような連中は論外だとしてもですね、ちょっと前に沖縄の人に向かって警察官が『土人』とかなんとか言ったって、それ自体ひどいんだけども、大阪の知事がね、(差別的発言をした警察官に対して)『お疲れ様』って言っちゃうっていうのは、ある種、『あ、そういうことを言ってもいいんだ』ってことは日本でも起きてるわけですよね」
「メリル・ストリープさんおっしゃったように、メディアとか報道機関の役割とは何なんだと。やっぱりおかしなことを権力者が言ったときには『おかしいですよね』って敢然と言うのがあなたたちの仕事でしょう?っていうふうな、この言葉というのを、ほんとうに受け止めなくちゃいけない」

 このように、いまのアメリカと日本の状況があまりに重なり合うなかで発せられたメリルのスピーチ。だが、メリルの発言をこうして日本と照らし合わせてコメントしたのは青木氏くらい。ほかのニュース番組やワイドショーのほとんどが「またトランプがお騒がせ」などと処理してしまった。──「報道する力を持ち、どんな横暴に対しても厳しく批判する信念を持った記者が必要」と語ったメリルの言葉が自分たちにも向けられていることに、この国のジャーナリストたちは気付かなかったとでもいうのだろうか。

 アメリカ大統領選ではジョージ・クルーニーやリチャード・ギア、ジョニー・デップをはじめとして多くのハリウッド俳優たちがトランプ批判を繰り出したが、日本では前述したように「政治的」というマイナス評価がつきまとって当たり前の反応さえ出てこない。その上、報道が思考停止状態に陥っているいま、日本が置かれた状況はアメリカ以上に危険と言わざるを得ないだろう。

 メリルの揺るがない強い意志が感じられる姿からこの国に視線を移せば、溜息をつかずにはいられない。
(水井多賀子)

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