「愛情の搾取」問題は最終回でどう着地するのか?『逃げ恥』が疑い続けた男と女、結婚と恋愛をめぐる価値観

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 これだけでも『逃げ恥』は、真正面から恋愛の問題を真摯に捉えていることがよくわかるというものだが、本作を際立たせている重要な要素はもうひとつある。それは、キャラクターを、その特性だけを取り上げてステレオタイプに描くのではなく、きちんと1人の生きた人間として描けているということだ。

『逃げ恥』の主要キャラクターは、皆かなり特徴的な設定をもっている。たとえば、平匡は人付き合いのあまり得意ではないSEで「プロの独身」を自称するいわばオタクである。みくりは大学院まで行ったものの就職活動には失敗し、なんとか見つけた派遣社員の仕事も派遣切りに遭い、無職となったためひょんなきっかけで「契約結婚」への道を踏み出している。

 他の主要キャラクターも、前述の2人同様いわゆるステレオタイプな表現の枠に捕われる危険性を大いに孕んだ設定をもつ。みくりの伯母である土屋百合(石田ゆり子)は外資系の化粧品会社でバリバリ働くキャリアウーマンながら、親族には「一生結婚できない」とも言われ、実際にアラフィフの「高齢処女」として描かれる。平匡の会社の上司である沼田頼綱(古田新太)はゲイ。同じ会社の後輩である風見涼太(大谷亮平)はイケメンで女性の扱いに慣れているがゆえに「チャラチャラして軽い」と見られがちな人間として設定されている。

 このように『逃げ恥』のキャラクター設定は、ともすれば差別的な描き方に収斂される危険性も十二分に孕む。しかし、毎週ドラマを見ている視聴者なら分かる通り、そういった設定がステレオタイプに描かれることは決してない。

 実は、それはドラマの制作陣が意識していた部分だった。今月4日にTBSラジオで放送された特別番組『『逃げるは恥だが役に立つ』大好きジェーン・スーが、原作漫画家・海野つなみ先生に恥を承知で聞いてきた!特番』のなかでコメント出演した星野源はこのように語っている。

「津崎平匡という役をやっていて思うのは、特に那須田(淳)プロデューサー、そして演出の金子(文紀)さんがですね、すごく役柄、設定にこだわりを持っていて。まず僕が衣装合わせとかに入った時に、たとえばパソコンオタクとか、SEという職業をやっているのでそういう部分はあるけれども、たとえば1人で生活をしていくということにすごく長けていて、ちゃんと生活力がある。そして、自分なりのこだわりがあって、たとえば服に無頓着ではなくて、しっかり自分の好きな服がある。そして、自分が好きなセンスの、たとえば家具とか、自分の趣味とか、しっかりある男であるっていうことをすごく気を使って衣装合わせもされていました。そして、小道具とか持ち物、そういうものも含めてすごくこだわって、一生懸命みんなで役作りというか設定を考えてやっていきました」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

「愛情の搾取」問題は最終回でどう着地するのか?『逃げ恥』が疑い続けた男と女、結婚と恋愛をめぐる価値観のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。新田 樹星野源の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 鶴保前沖縄担当相に辺野古利権疑惑
2 安倍政権が乱発するトンデモ閣議決定
3 国連が安倍政権のメディア圧力に勧告へ
4 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
5 『ラ・ラ・ランド』に論争勃発
6 マツコが小池百合子にNG発言の理由
7 オリラジ中田が日馬富士事件で松本批判?
8 義家前文科副大臣が加計疑惑に茶番質問
9 マツコがいじめ、弱者叩きの構造を喝破
10 「朝日、死ね」足立議員のトンデモぶり
11 加計学園で設置審委員が内情暴露!
12 安倍首相のFacebookのヘイトがひどい
13 中居ジャニーズ残留とキスマイ
14 鶴田真由と昭恵夫人は日ユ同祖論の同志
15 マツコが自ら「ぬるくなった」と告白!
16 『シン・ゴジラ』の3・11暗喩に園子温が
17 萩生田が前川前次官にシンゴジラを観ろ
18 JASRACが坂本龍一を騙しうち!
19 日本大使館が「民進党は米国が分裂させた」
20 希望に翻弄された!? 嘉田氏に直撃!
1佐野元春がトランプ批判の楽曲を発表!
2加計が留学生募集!四国の獣医不足は?
3加計学園で設置審委員が内情暴露!
4トランプ来日の目的は武器売りつけ
6直撃!前川前次官が加計認可の動きを批判
7日本大使館が「民進党は米国が分裂させた」
8テレビが封印した安倍とトランプの映像
9横田さんはトランプに戦争しないでと伝えたいのに安倍が
10国連が安倍政権のメディア圧力に勧告へ
11義家前文科副大臣が加計疑惑に茶番質問
12萩生田が前川前次官にシンゴジラを観ろ
13欧米で安倍と訪日トランプに嘲笑の嵐
14マツコがいじめ、弱者叩きの構造を喝破
15沖縄タイムス記者が官邸と百田に反撃
16トランプ来日を歓迎するマスコミの異常
17山口敬之めぐり文春vs新潮がバトル
18安倍政権が乱発するトンデモ閣議決定
19「朝日、死ね」足立議員のトンデモぶり
20トランプの精神障害を疑うのは当然だ! 

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

連載一覧へ!

アベを倒したい!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」