『シン・ゴジラ』『エヴァ』の庵野秀明がアニメ業界の「ブラック労働」を嘆く…追いつめられた制作現場の悲惨な現状

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 現場のアニメーターたちが置かれている状況は、本当に厳しい。日本アニメーター・演出協会が09年に行った調査では、動画アニメーターの5割が年収100万円未満だったという(「経済界」13年2月5日号)。

 これが若手のアニメ業界労働者ともなると現実はより悲惨だ。30分のアニメ番組ではカットごとのキーとなる原画が約300枚、その原画と原画の間のコマを埋める動画が3000〜4000枚ほど必要となる。この部分を担当するアニメーターたちは通常1枚あたりの歩合制でお金が支払われるという。しかし、その単価が安い。「週刊プレイボーイ」(集英社)13年9月2日号でコメントを寄せているアニメーターはこのように語っている。

「アニメの絵の根幹をなす『原画』は1枚描いて3000円から4000円。下請け制作会社からの発注だと2000円になることもあります。そして原画のキャラやメカを動かす『動画』は1枚描いて150円から200円。絵がうまいことはもちろん、描くのが速くないとまったく稼げない世界なんです」

 このアニメーターは新人の頃、毎日徹夜していたのにもかかわらず月給1万円にも届かなかったという。2年かかってもようやく月給10万円を超えるほどだったと証言している。

 これではとてもじゃないが食べていけない。なので、アニメーターたちは6カ月で半分、1年も経つと7割ほどが辞めていってしまうのだ(「週刊金曜日」07年11月30日号)。

 しかし、なぜアニメ制作会社ではこんな悲惨な状態が続くのか。前述「週刊新潮」で庵野氏は、アニメ業界のシステムそのものに問題があると嘆く。

〈アニメ制作現場で賃金がやすいのは、ひとつは利益を還元するシステムがほとんどないからだと思います。僕はそれを作りたいと思っていますが、既存のシステムを変えるのは簡単ではありません〉
〈映画やテレビの制作システムだと、出資者以外は儲からないんです。出資のリスクを負う以上、儲かったときの利益も総取りなんですね。たとえば、映画で興行収入がいくらになろうとも、監督のギャラは制作時のものだけで、成功報酬はなにもありません。ソフト化の際に印税が一定の割合で支払われる程度です〉

 アニメ制作現場でブラック労働が強いられるのは、作品をつくるために集められたお金が制作を請け負う会社まで行き届かないからだ。

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