振り込め詐欺を支える一般企業顔負けの緻密な組織と驚愕のネタ元

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『振り込め犯罪結社 200億円詐欺市場に生きる人々』(宝島社)

 息子や家人を装い電話などで「事故に合ったから示談金が必要」などとカネを騙し盗る「振り込め詐欺」。主にお年寄りの女性を狙ったこの犯罪が登場してから既に10年以上が経った。しかし被害はいっこうになくなる気配がない。被害額も減っておらず、警察庁によれば、2013年の被害総額は約259億円である。ターゲットの9割が60歳以上の高齢者だという。

 しかも摘発され、公に報道されるたびに手口が進化していくから始末が悪く、加害者側の実態もなかなか表に出てこない。実は、彼らの“組織”は意外にも巨大であり、また巧妙に分断されたネットワークを持つ。そのため、お互いに素性さえ知らないことが多いのだという。では一体振り込め詐欺は誰がどのようにして行っているのか。その実態を『振り込め犯罪結社 200億円詐欺市場に生きる人々』(鈴木大介/宝島社)から紹介したい。

 詐欺組織には末端の集金役「ダシ子・ウケ子」と電話で騙す「プレイヤー」、それを統括する「番頭」、外部協力する「名簿屋」「道具屋」などが存在するという。そしてそのトップに君臨するのが「金主(オーナー)」だ。

 メディアで「オレオレ詐欺」が報道され始めた03年頃、ダシ子やプレイヤーの多くは、闇金の多重債務者だった。借金のカタに犯罪に加担させられる。そんな構図があった。

 彼らは何人かまとめて集められ、“研修”を受ける。老婆をいかに信用させるかを、テレフォン営業の要領で叩き込まれるのだ。時には「お婆ちゃん助けて!」と泣きながら──。もちろん向き不向きがある。向いていない者は「ダシ子・ウケ子」という逮捕のリスクがより高い役割に格下げされるのだ。

 しかも年を追うに連れ、振り込め詐欺の末端は未成年や、時には高校、大学生と若年化していったという。学費を払うため、そんな動機で振り込め詐欺に手を染める。

 それを仕切るの「番頭」は現場の統括者だ。彼らはシステム化した危機管理──タイムカードで現場を把握し、一度使った携帯は捨てる。プレイヤーがいなくなれば事務所を移転するなど──と同時に、暴力や身内の身辺調査でプレイヤーたちの裏切りとチクリを防止する。お互いの本名、素性すら明かさないことで芋づる式の逮捕を徹底的に阻止するのだ。時には巨額の金を散財した慰労会パーティを行い結束を図るというから、まさにアメとムチの構図である。

 そして「金主」は元暴力団、闇金の残党や半グレ資産家、飲食店、風俗経営者などが共同で出資することが多いという。

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振り込め犯罪結社 200億円詐欺市場に生きる人々

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