田崎史郎とケント・ギルバートに自民党からカネが支払われていた! 政治資金収支報告書で発覚

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フジテレビ『とくダネ!』出演時の田崎史郎氏(17年5月26日放送より)


 本サイトでお伝えしたように、公表された2016年分の政治資金収支報告書からは、安倍首相の政治資金パーティによる莫大なカネ集めや、麻生太郎財務相の“愛人のクラブ”への支出、稲田朋美元防衛相の巨額飲食費の実態があらわになった。

 だが、政治資金収支報告書からはもうひとつわかったことがある。それは、テレビなどのマスコミで日々活躍するコメンテーターや評論家に、自民党からカネが流れていたという事実だ。

 その筆頭が、時事通信社特別解説委員の田崎史郎氏だ。周知のとおり、田崎氏といえば、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)、『ひるおび!』(TBS)、『とくダネ!』『直撃LIVE! グッディ』(ともにフジテレビ)などに出演し、まるで官邸の代弁者のごとく政治報道を解説している人物。安倍首相と会食を繰り返していることでも有名で、ネット上では寿司を一緒に食べる間柄を揶揄して“田崎スシロー”などとも呼ばれている。

 ところが、その田崎氏の名前が、今回公表された自民党本部の収支報告書の支出欄に出てきたのだ。16年5月9日に「遊説及び旅費交通費」の名目で、田崎氏に対して6万8980円が支払われていたのである。

 記載を見るだけでは何に対する支出か不明だが、調べてみると、田崎氏はその日付の少し前に当たる同年4月24日、鳥取県のホテルで行われた自民党鳥取県支部連合会・青年部・青年局・女性局・合同大会で、講師として講演を行なっていた。自民党の福田俊史・鳥取県議のブログによれば、会場は400名以上の超満員で、〈多くの皆様にお越し頂き「今後の政局の行方」また「自民党の果たすべき役割」など田崎氏の話に耳を傾けて頂きました〉という。

 しかし、田崎氏に支払われていた金額は前述したように、約7万円。文字通り、東京から鳥取への交通費や宿泊費などで終わってしまう額だ。一方、田崎氏の講演料の相場は30〜50万円といわれている。いったいこの差は何を意味するのか。

「田崎氏にかぎらず、自民党が評論家やジャーナリストなどに講演を依頼するときは、高額ギャラを支払うと政治資金収支報告書に記載されるため、旅費や宿泊費レベルの金額にすることが多い。ただし、別の形で見返りを与えるんです。たとえば、情報提供や政府関係の役職への抜擢、さらには、政治資金収支報告書報酬に記載されない別の仕事を依頼して報酬を支払うケースもあるようです」(全国紙政治部記者)

過去にも、自民党から26万円を受け取っていた田崎氏

 いずれにせよ、「時事通信社特別解説委員」という看板を使って多大な影響力を発揮している報道人が、自民党で講演をしてカネをもらっていたという事実は重い。しかも、田崎氏の場合、これが初めてではないのだ。本サイトが昨年スクープしたが、田崎氏には自民党の政党交付金からもカネが出されていたことがわかっている。いうまでもなく原資は国民の血税だ。

 たとえば、2013年分の「自民党本部政党交付金使途等報告書」によれば、この年、自民党本部は4回にわけて、田崎氏に対して合計26万360円を支出している。個別には、13年5月9日に8万1740円、同6月3日に5万6140円、同10月4日に6万8740円、そして同10月31日に5万3740円。いずれも名目は「組織活動費(遊説及旅費交通費)」だ。

 2013年といえば、前年末の衆院選で自民党が大勝し政権が交代、第二次安倍政権が本格始動した年だ。おそらく田崎氏は、自民党が政治活動の一環として催した勉強会、集会、政治資金パーティなどで講演等を行い、その報酬もしくは交通費を受け取ったと思われる。

 実際、5万3740円を受け取った10日前の2013年10月20日には、やはり自民党鳥取県連が20年ぶりに開催した政治資金パーティに出席、〈安倍政権の経済政策などを題材に講演〉したことが確認されている(毎日新聞13年10月21日付鳥取版)。ようするに、田崎氏は自民党のカネと支援者集めに協力していたのである。

 前述のとおり、田崎氏は、テレビのワイドショーやニュース番組に多く出演。たとえば昨年、「保育園落ちた日本死ね」ブログが話題になった際も、保育園不足をお受験問題と意図的にすりかえるトンデモ論をぶった。また、今年も森友・加計問題で「総理やご夫人が知らないあいだに利用されている場合もある」「森友問題については、ウソの情報やフェイクニュースが多い」「(前川喜平・前文科事務次官は)“ミスター文科省”と表現するけど官邸の見方はまったく違っていて“最悪の次官だった”っていう認識」「文書を持ち出したとしたら、これ自体が国家公務員違法になるんじゃないかと言う方もいる」などと、露骨に政権を擁護している。

 ようするに田崎氏は、マスコミでの“政権ヨイショ解説”を飯の種にしながら、そのうえ自民党主催の講演等に出て、資金集めや政治活動に協力しているのだ。こんなことが許されるのか。

ケント・ギルバートにも自民党本部からの支出が

 だが、自民党の16年分政治資金収支報告書からわかったのは、田崎氏への支出だけじゃない。驚くべきことに、なんと自民党はあの人にまでカネを払っていた。2、3年前から“ネトウヨ文化人”として復活したタレントのケント・ギルバート氏である。夕刊フジや「正論」(産経新聞社)などの紙メディアで右派言説をふりまくだけでなく、『ひるおび!』などのテレビでも見かけるようになった。

 報告書によれば、16年11月10日に自民党本部からケント氏に対して9万2980円が支払われていた。名目はやはり「遊説及び旅費交通費」だ。

 実は、ケント氏は同年11月25日に、自民党群馬県連に招かれ講演会を行なっている。産経新聞によれば、講演会には日本会議群馬のメンバーや県議ら約150人が参加。「日本の自立と憲法改正」と題して「(日本国憲法は)よくできているが、ワケあり」「自民党はもたもたせず早く9条だけ直してほしい」などと語ったという。

 他にも、同年5月21日には、自民党金沢支部の政治塾で「日本の自立と覚醒を待望する」と題して講演。地元紙・北國新聞によると、参加者400人(主催者発表)の前で「日本が自立する第一歩は憲法改正だ」と訴えた。この政治塾は、若者の政治参加意識を高める狙いで企画されたといい、ケント氏は自民党の支持者集めに協力していることになる。

 ケント氏といえば、アパホテルの懸賞論文など歴史学の常識からかけ離れた歴史修正主義の陰謀論を展開し、今年ベストセラーになった『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社)も、中国人や韓国人をひとくくりにして〈「禽獣以下」の社会道徳や公共心しか持たない〉〈彼らは息をするように嘘をつきます〉などと繰り返し、国籍・民族憎悪を煽る悪質なヘイト本。そんな人物を、この国の政権与党がありがたがって講演会に呼び、また、政治資金でカネを渡していたのだ。あらためて、安倍自民党はネトウヨと同レベルになっていると断じざるをえない。

稲田朋美は金美齢氏に20万円の「講師謝礼」を支払い

 他にも、本サイトが調べたところ、稲田元防衛相の資金管理団体「ともみ組」の16年分収支報告書には、同年1月23日と12月21日の2回、保守系評論家の金美齢氏に「講師謝礼」等の名目で合わせて20万円を支払っていた。金氏といえば、安倍首相への個人献金が有名で、親族ぐるみで献金を分けることで個人献金の限度額を超えるという“分散献金”の疑いも取り沙汰されたが、テレビでも『バイキング』(フジテレビ)などに出演し、そのタカ派論説をぶっている。安倍政権中枢の政治家とべったりなのは明らかだ。

 いずれにしても、政治資金収支報告書からわかるのは、安倍自民党と御用ジャーナリスト・評論家の癒着関係だ。言っておくが、彼らは安倍政権を擁護するかたわら、政権を批判するメディアに対するバッシングや疑惑潰しの解説も展開してきた。しかもケント氏にいたっては、報道圧力団体「放送法を遵守する視聴者の会」の中心メンバーとして「報道の公正中立」を謳ってすらいる。一方で自民党からカネをもらっていたのだから、完全に化けの皮が剥がれたというべきだろう。

 しかも、これは田崎氏やケント氏らだけの問題ではない。まだ表沙汰になっていないだけで、自民党からカネをもらいながら、政権擁護を連発している言論人は、おそらくたくさんいるだろう。私たちが何気なく見ているテレビ番組の出演者は、実は、自民党からカネを受け取っている“スポークスマン”である可能性は決して低くないのだ。少なくとも、テレビで流れる露骨な安部ヨイショにはよく用心していただきたい。

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