西村京太郎が陸軍エリート養成学校で見たカルト的精神主義「日本人は戦争に向いていない」

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太平洋戦争で浮き彫りになった日本人の体質は3.11でも再現されたと西村京太郎は語る

 そのなかで三好氏は「安倍首相の強引なやり方はいかがなものか」と、安保法制における国会議論の軽視を始めとした強引なやり方を批判。また、安倍首相がこの国を戦争ができる国にしたがっていることについても、「戦争の経験のない人間ほど勇ましいことを言いたがる」と喝破した。

 西村氏はそれを受け「日本人というものは戦争に向いていないんだと思う」「だから、戦争には触れても近づいてもいけない」と語る。それは、安易に命をかけ、負けるとわかっていても、死ぬとわかっていても戦いをやめられないからだという。そして、ときに美徳とすらされる、自ら命を差し出す行為を「命がとても軽い」と喝破した。そのように語っているとき、おそらく西村氏の頭のなかには、たかだか短刀のために死んでいった及川君を思う気持ち、そして、それを「名誉の戦死」などと言った幼年学校時代の校長への怒りがあったのではないだろうか? 前述「小説すばる」のなかで西村氏はこのように語っている。

「今年、戦後七十年ということもあって、太平洋戦争の資料や記事や本を読む機会が増えているんですけど、読めば読むほど、「日本人は戦争が下手だな」と思うんですよ。負けることがわかっているのに戦うことをやめられない。そして自分から命を差し出して死んでいっちゃう。命がとても軽い。だめでしょ、こんなの」

 これは「過ぎ去った過去の出来事」ではない。現在にも通じるものでもあり、だからこそ戦争はしてはいけないのだと西村氏は語る。2017年8月10日放送『報道ステーション』(テレビ朝日)で西村氏はこのような言葉を残している。

「「死んでなんとか勝つぞ」とかね、すると、なんとなくおさまりがいいんですよね。日本人ってそういうところがあるんじゃないかと思うんだよね。だから、「死んだ気でやるぞ」とか言われると、それに反対できなくなっちゃう。本当は反対しなくちゃいけないんだけどね。戦争はしないほうがいい。戦争するとやっぱり日本人って行っちゃうんですよね、そっちへね。「みんなが死んでるのに俺だけ生きてるわけにはいかない」とか言ってね」

 なぜ、戦中に浮き彫りになった日本の体質が過去のものではないと断言するのか。それは、つい最近も、日本人の甘えや責任逃れの本質が変わっていないと痛感させる出来事があったからだ。前掲『十五歳の戦争』はこのような文章で締められている。

〈戦後は、現在まで戦争はなかったが、原発事故があった。その時も、虚偽の報告を重ね、責任を取ろうとせず、ひたすら組織を守ることに、汲々としていた。これではとても、現代戦を戦うのは、無理だろう。良くいえば、日本人は、平和に向いているのである〉

 原発事故の収束もできないまま、事故などなかったかのようになし崩し的に再稼働を進める。72年前の戦争の反省を忘れ、米朝の戦争に日本を巻き込ませようとする。これ以上、安倍政権の横暴を許した先に待っているものは何か。安倍首相の好戦的な発言に煽られることなく、異を唱え続けなければならない。

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