奈良県が有名デザイナーにロゴデザイン料540万円! 地方創生で自治体が代理店的ぼったくり商法の餌食に

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 しかも、言っておくがこれは奈良県だけの問題ではない。こと行政が絡むデザイン案件というのは、とくに利権構造による出来レースが発生しやすいものなのだ。随意契約はその最たる例だが、たとえ公募でもあったとしても、様々な問題行為が介入し得る。

 たとえば昨年の五輪エンブレム盗用問題では、電通から大会組織委員会に出向していた槙英俊氏と高崎卓馬氏が、公募開始前に佐野研二郎氏をふくむ8名のデザイナーに応募を要請していたことや、佐野氏の原案をほかの審査委員の同意を得ずに2度の修正を主導していたことが判明。また、審査委員の顔ぶれ自体、佐野氏と関係のある人物が多数いたことが問題視され、出来レース疑惑が濃厚となった。さらには、当サイトでも過去に取り上げているが、組織委員長の森喜朗元首相が佐野氏の初期デザインに対し「日の丸が下にあるのはケシカラン」などと文句を言って、修正に口を出していたともいわれている。

 さらに、安倍政権による「地方創生」の影響も無視できない。この「地方創生」は地方の観光振興、移住・定住、名産品開発及び販売を促進するとともに、雇用の安定化をはかり人口流出を阻止し持続可能な社会を構築するとの名目だが、いま地方行政はこの安倍政権の看板政策に乗り遅れまいと、焦燥感を募らせている。

 ゆるキャラビジネスのブームなどまさにその典型で、一度くまモンのような成功例ができあがると、ノウハウのない地方公務員たちが我も続けと参入したがる。しかし、メディアで「経済効果○○円」などと謳われる“スターゆるキャラ”の陰には、それこそおびただしい“ダメゆるキャラ”が死屍累々と積み重なっているのだ。そこでは、取らぬ狸の皮算用でゆるキャラ人気を期待し、関連キャラ商品を多数展開して税金をドブに捨てたあげく、もともとの名産品や行政サービスがおざなりになって地域産業を潰してしまうという、目も当てられない状況が実際に起きている。

 またタチが悪いのは、ここに電通などの広告代理店が絡んでくることだ。プロモーションやコンサル料と称して莫大な金を要求し、自治体もこれを言い値で払ってしまう。さらに代理店は話題をさらうために時に炎上まで織り込んだ商法を展開するが、結局は一過性の話題に終わる。そして、費やされた税金や補助金は地元には還元されず、代理店の懐、つまり中央にもっていかれる。結局、生産者や地元商店街は疲弊、地域産業の根本的な活性化にはつながらないのだ。言い換えれば、「地方創生」の名の下、地方の財源が代理店に食いつぶされているとも言えるだろう。

 それでも、PR技術のノウハウをもたない地方行政は、広告代理店の“仕掛け”にすがらざるをえず、予算が回収できないどころが大赤字になってしまうケースが後を絶たない。

 つまるところ奈良県の随意契約問題や志布志市の「UNAKO」動画問題も、こうした“広告代理店化”した行政案件の“歪み”の表れなのではないか。自治体の不透明な税金の使い道を市民が追及するのは当たり前の行動であって、いまネット上で大勢をしめる市民団体バッシングは明らかに不当であることは重ねて指摘しておくが、もしかすると、その根っこに潜む“地方創生の闇”は、想像以上に深いのかもしれない。
(宮島みつや)

最終更新:2017.11.24 07:12

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