広末涼子が「育児放棄バッシング」に大反論! 紗栄子、辻希美、スザンヌら芸能人ママ攻撃にひそむ歪んだ“母性神話”

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 例えば前夫・ダルビッシュ有との間に2児をもうけて離婚した紗栄子も「頻繁に海外に行っている」「子育てを実家の母親に任せて飲み歩いている」などと育児放棄がさんざん噂されたひとりだ。

 元モーニング娘。で3人の子をもつママとなった辻希美も、子どもの夜泣きが酷くて近所から児童相談所に通報されたことや、頻繁に更新するブログ内容が“育児放棄”として度々炎上している。

 さらに、15年に離婚し実家のある熊本県を拠点に芸能活動をすると発表したスザンヌも、東京で仕事をしているというだけで、「実家の母や妹に育児を丸投げ」「実質的に1歳の息子と別居」などというバッシングを浴びた。他にも、窃盗事件で複数のベビーシッターを雇っていた神田うのや、木下優樹菜、小森純などにもこうした批判が向けられた。

 ようするに、働く女性芸能人ママが“独り”で子育てすることなく、実家の母親やベビーシッターにそれを手伝ってもらったり、任せているだけで、“母親としてあるまじき”行為だという攻撃を受けているのだ。なかには「たくさんテレビに出ている」というだけで、「育児放棄」と決めつけているケースまであった。

 だが、働く女性、特に時間も不規則な芸能人ママが1人で育児をすべて担うなんてことは現実的に考えて到底不可能だろう。当然、夫や肉親、ベビーシッターにそれを手伝ってもらうことになるが、それがどうして育児放棄などと的外れな批判をされなければいけないのか。

 しかも、こうした批判は、なぜか母親に対してのみに向けられ、父親の芸能人に対してこうした声が出ることは皆無である。

 結局、これらも前述した「育児は母親がすべき」という社会の価値観から出てきているのだ。

 しかし、これらは一方的に刷り込まれた偏見にすぎない。例えばフランスを代表する歴史家のエリザベット・バダンテールは1980年に発表した『母性という神話』(ちくま学芸文庫)で、母性は18世紀ごろにつくられた神話であるとして、こう批判した。

〈女は母親という役割に閉じ込められ、もはや道徳的に非難されることを覚悟しなければ、そこから逃れることはできない〉
〈人はこの母親の任務の偉大さや高尚さをたたえる一方で、それを完璧にこなすことのできない女たちを非難した。責任と罪悪とは紙一重であり、子どもにどんなわずかな問題点があらわれても入れかわるものだった〉

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