沖縄は米軍基地を阻止できるか? 翁長新知事に立ちはだかる日米密約の闇

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
onaga_01_141117.jpg
沖縄知事選で勝利した翁長雄志氏(「オナガ雄志オフィシャルWEBサイト」より)


 基地問題を最大の争点とした沖縄知事選が16日投開票され、前那覇市長・翁長雄志氏が当選した。翁長氏は「辺野古埋め立て断固阻止」、「オスプレイの配備撤回」を公約とし、序盤から優勢のまま最後まで勝ちきった。中央からのカネよりも基地廃絶──沖縄の世論が鮮明に反映されたかたちだ。

 しかし、今後も基地問題は一筋縄にはいかないだろう。自民党の菅義偉官房長は今年9月、「(辺野古埋め立ては)過去の問題」「淡々と進めていくことにかわりはない」と会見で語るなど、中央行政はあくまで辺野古埋め立てを強行する構えだ。

 翁長新知事は本当にこれに抗することができるのか。記憶に新しいところでは、「最低でも県外」を掲げた鳩山由紀夫民主党代表(当時)や、2010年に県外移設を公約に掲げ再選した仲井眞弘多前沖縄知事が、後になって公約を翻している。一体彼らは何に押し切られてしまったのか。

 そもそも、この国を動かしている官僚たちは、必ずしも首相や首長に追従するわけではない。彼らが忠誠を誓っているのは、日本の国内権力よりもより強大な枠組みだ。その場所で、国民の与り知らぬまま、様々な“取り決め”がなされているのである。

 この謎を解き明かすのが『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(矢部宏治/集英社インターナショナル)だ。本書によれば、わが国には国内法や憲法までも優越する“ウラの法体系”と呼ぶべきものが存在するという。

 その一例が、日米安全保障条約と日米地位協定、そして、人知れず合意される“密約”の数々だ。たとえば1952年に発行された旧安保条約は占領時代の米軍特権を継承していたが、60年の安保改定の際、ときの首相・岸信介の盟友であった外務大臣・藤山愛一郎と駐日アメリカ大使・マッカーサー2世との間で、秘密裏にある合意がなされていた。

 それは「基地の権利に関する密約」と呼ばれ、“旧安保下での取り決めと、新安保下での取り決めにはまったく変わりがない”というものであった。3年前の57年には、日本のアメリカ大使館から本国の国務省あてに、以下の内容の秘密報告書が送られていたことが分かっている。

〈安保条約のもとでは、日本政府とのいかなる相談もなしに「極東における国際の平和と安全の維持に寄与」するため米軍を使うことができる〉
〈新しい基地についての条件を決める権利も、現存する基地を保持し続ける権利も、米軍の判断にゆだねられている〉

 この二つの秘密文書が指し示すのは、オスプレイ配置や普天間基地移設にまつわる“謎”の原点と、今日にいたるまで占領時代の米軍基地特権が脈々と引き継がれているという事実である。とりわけ日米地位協定を巡っては、日本の官僚と米軍が「日米合同委員会」と呼ばれる組織のなかで毎月会議をしている。その密室で生まれた数々の“合意”が、原則未公開のまま効力を発揮しているのだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

沖縄は米軍基地を阻止できるか? 翁長新知事に立ちはだかる日米密約の闇のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。原発梶田陽介沖縄の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 フィフィが水原希子に狡猾なヘイト攻撃
2 田崎史郎が大義なき解散をトンデモ擁護
3 安倍解散強行の理由は森友捜査ツブシ
4 フジ社長とんねるず打ち切りは本気?
5 坂本龍一が受けた政治圧力と誹謗中傷
6 水原希子がヘイト攻撃に毅然メッセージ
7 東山紀之がキャスター就任で反差別表明
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 あさイチ紹介、高橋一生の本棚に驚愕
10 須藤凜々花の消された暴露トーク
11 卑劣!官邸と産経が望月記者攻撃を煽動
12 水道橋博士が安倍首相批判で大炎上!
13 恵俊彰が田崎史郎を「政権の代弁者」と
14 NHK岩田が安倍に反旗は大ウソ!
15 グッディ!土田マジギレ真の原因
16 沖縄に大量の核兵器が配備されていた
17 水原希子が靖国神社にNO!
18 田崎史郎に自民党が政党交付金から金
19 水原希子に日本のネトウヨがヘイト攻撃
20 元タカラジェンヌが告白した性的虐待
1坂本龍一が受けた政治圧力と誹謗中傷
2東山紀之がキャスター就任で反差別表明
3水原希子がヘイト攻撃に毅然メッセージ
4安倍解散強行の理由は森友捜査ツブシ
5官製映画会社が22億円の公金をドブに
6卑劣!官邸と産経が望月記者攻撃を煽動
7青山繁晴「今週、戦争が始まる」と錯乱
8財務省と森友、口裏合わせの新証拠音源
9歴史教科書圧力問題の背後に日本会議
10トランプが安倍に武器を押し売り
11 フィフィが水原希子に狡猾なヘイト攻撃
12 田崎史郎が大義なき解散をトンデモ擁護
13西村京太郎「日本に現代戦は無理」
14安倍の親書を秘書官が勝手に書き換え
15NHK岩田が安倍に反旗は大ウソ!
16ウーマン村本の反戦に上念がトンデモ説教
17原発攻撃対策ないまま柏崎刈羽も再稼働へ
18沖縄に大量の核兵器が配備されていた
19安倍自民党はデマ拡散議員だらけ
20再審却下の飯塚事件に冤罪の新証拠が

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

連載一覧へ!

アベを倒したい!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」