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安倍首相がトランプ接待で「大相撲の伝統」破壊! 天皇にもしない升席に椅子用意、スリッパで土俵に
首相官邸ホームページより(10回目の日米首脳会談時)
トランプ大統領がきょう25日から来日する。貿易交渉と北朝鮮対応で日米の立場に隔たりがあるため、共同声明は見送る方針だと伝えられているが、だったら、いったいなんのための来日なのか。
答えは簡単だ。“トランプのポチ”安倍首相がご主人さまを接待するためである。実際、その予定をみると、まさに下僕というにふさわしい媚びっぷりである。26日はわざわざヘリコプターで乗り付けて千葉でゴルフをし、夕方にはお相撲観戦、夕食は六本木の炉端焼きと、接待三昧。27日は“即位後、初めての国賓”として、天皇との会見が予定されている。
なかでもひどいのは、相撲観戦だろう。通常、VIPは2階の貴賓席に座る。天皇はもちろん、イギリスのダイアナ妃など海外の要人が観戦した際もそうだった。
ところが、トランプにはわざわざ土俵近くの升席を用意したのだ。警備のために周辺の升席を1000席おさえ、座布団などが当たらないように、大量の警備員を配置。しかも、直に座る升席にわざわざ椅子を用意するのだという。また、トランプは表彰式で土俵に上がることも予定されているが、その際も特注のスリッパを履くことになっているらしい。
土俵に女性は上げないとかいう時代錯誤の伝統をふりかざしている相撲協会だが、升席で椅子に座るとか、スリッパを履いて土俵に上がるとかいうのは伝統に反しないのか。だったら、いっそのこと、トランプがメラニア夫人か娘のイヴァンカでも土俵に連れて上がって、そのまま女性解禁にすればいいのではないか。
いずれにしても、天皇にもしたことのない特別扱いでトランプに媚びへつらおうとしているその接待内容は、まさに“属国”“植民地”根性丸出しというしかない。
しかも、この過剰接待はトランプが要求したわけではない。毎日新聞によれば、日本政府は昨年秋の段階でトランプ招待を決めており、安倍首相が、外務省や国家安全保障局との勉強会で自ら「どうすればトランプ氏の機嫌が良くなるか、さまざまな趣向を凝らしたい」と指示していた。相撲観戦もなんと、首相のアイデアだったという。
また、安倍首相は「天皇陛下との会見や宮中行事がある国賓ならば、トランプ氏は喜ぶだろう」とも語っていたらしい。天皇即位後、初の国賓にトランプを選んだのはやはり、安倍首相による「トランプ接待」のための天皇政治利用だったのだ。
ふだん、ことあるごとに「日本の伝統」と喚いている安倍首相が、“トランプのご機嫌取り”のために、その「日本の伝統」を歪めて差し出す。何かのギャグとしか思えないが、実際、この安倍首相の姿勢は世界中から笑いものになっている。たとえば、5月23日付けの米紙「ワシントンポスト」が、「天皇からお相撲まで 安倍がトランプのご機嫌を取るために日本の伝統を総動員」と題して、こう書いていた。
〈安倍首相ほどトランプ大統領に媚びへつらうことに心血を注いできた指導者はおそらく世界中を探してもいないだろう。しかし安倍首相は、今度のトランプ大統領の訪日では、日本の昔ながらの伝統を総動員させようと、これまで以上に躍起になっているようだ。〉
農産物の関税引き下げを参院選後まで待ってもらうために必死の安倍
アメリカの新聞にまでからかわれるこの過剰な接待、ご機嫌取りはいったいなんなのか。たしかに安倍首相の“トランプのポチ”ぶりは、もはや日本国民の共通認識だ。先日も、サンドウィッチマンの伊達みきおが、何を聞かれても「トランプ大統領と電話で話をしました」「トランプ大統領と完全に一致いたしました」と答える安倍首相のモノマネを『アメトーーク!』(テレビ朝日)で披露し、バカ受けしたばかり。そういう意味では、媚びへつらいは当たり前とも言えるが、しかし、それにしても、今回は異常すぎるだろう。
実はこの過剰な接待の理由は、トランプの“口封じ”が目的ではないかと言われている。
鍵を握るのは、4月26日に開かれた日米首脳会談の冒頭、記者団がいる前でトランプ大統領が語った言葉だ。「農産物について強力に交渉していく」「日本は重い関税を課している。我々は撤廃させたいと思っている」と、農産物の関税撤廃を要求。米メディアの記者に日本との貿易交渉の合意時期を尋ねられると、こう答えた。
「かなり早く進められると思う。たぶん(5月末に)訪日するまでか、訪日の際に日本でサインするかもしれない」
アメリカ抜きの環太平洋経済連携協定(TPP)の発効によって、アメリカの農業界ではいま、日本の農産物関税への不満がこれまで以上に高まっている。来年11月に大統領選を控えるトランプはこの問題で点数を稼ごうと、早急な関税引き下げの圧力をかけてきたのだ。
実は、トランプ大統領のこうした姿勢は官邸も事前に予測済みだった。しかし、もしトランプの言うとおり、日本政府が5月までに農産物の関税大幅引き下げなどの交渉に応じたら、日本国内の農業関係者から猛反発を受け、7月の参院選で安倍自民党は地方票を大幅に失いかねない。
そこで、農産物の関税問題についての具体的な交渉を参院選が終わるまで待ってもらおうと、安倍首相はこの間、媚びまくってきたのだ。
実際、トランプ大統領の「農産物の関税撤廃を5月までにサインする」という発言のあと、記者団が退室すると、安倍首相はトランプ大統領に「7月の参院選があるから、それまでは無理だ。2020年秋の大統領選のことはきちんと考えている」と説明したという。
これは、安倍首相が参院選が終わるまで待ってくれれば、こっちも大統領選に配慮して関税の大幅引き下げに応じると、トランプに約束したということだ。しかも、安倍首相はこのあと、用意してきた約4兆4600億円の投資や武器の大量購入などの“手土産”まで持ち出した。
日本の伝統をトランプに差し出す安倍首相の接待を批判しないマスコミ
しかし、相手はディール外交に恫喝外交、約束破りが得意技のトランプ大統領だ。ここまでやっても、今回の来日中にまたぞろ、関税引き下げを口にし、安倍首相に回答を迫ってくる可能性も十分にある。そこで、会談の前に接待漬けにして、なんとかトランプ大統領の口封じをしようと必死になっているのだろう。
言っておくが、これは関税引き下げを阻止するためではない。たんに参院選前に関税引き下げが公になって、自分たちの選挙に悪影響が出ないよう、“日本の伝統”を差し出す過剰接待をしようというのだ。
しかし、今日から始まるその醜悪な接待が日本のマスコミで批判されることはほとんどないだろう。4月の日米首脳会談の際も、新聞やテレビはこの関税をめぐる裏取引や武器購入を一切追及することなく、代わりに、安倍首相の「次は私自身が、金正恩朝鮮労働党委員長と向き合い、(拉致問題を)解決する。トランプ大統領からは全面的に協力するという力強い言葉があった」という拉致問題に関する勇ましい発言や、韓国の禁輸措置を容認した世界貿易機関(WTO)への日本の抗議を“アメリカが日本を支持した”などといった話ばかりを強調した。
おそらく、今回も「安倍首相とトランプ大統領が固い絆を確認」「トランプ大統領が日朝首脳会談のバックアップを約束」などという上っ面だけの報道が垂れ流されるはずだ。まったくこの国の状況は、絶望的というしかない。
(編集部)
最終更新:2019.05.25 08:14
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