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新年特別企画◎安倍政権御用ジャーナリスト大賞(前編)
安倍サマをかばいまくった御用ジャーナリスト大賞発表! 10位から6位に有働由美子、立川志らくなど新顔が続々
『ひるおび!』に出演の志らくと有働アナ(『news zero』HPより)
リテラの新年恒例企画「御用ジャーナリスト大賞2018」を発表するときがやってきた。2018年は、わずかながらに存在した「きちんと政権批判ができるジャーナリスト」たちまでもが報道番組から姿を消し、ニューカマーの安倍応援団がさらに増殖するという悲惨な1年に。
よって、ランキングには安倍マンセーの古株たちに加えて、新顔も続々登場することになった。
ちなみに、毎年説明しているが、この御用ジャーナリスト大賞では、櫻井よしこや百田尚樹、小川榮太郎など、カルト極右思想のアベ友は相手にする必要なしと考え、最初から除外している。2018年版ではこの“殿堂入りメンバー”に有本香を加えたことを付記しておく。
一体、2018年はどんな人物がランクインしたのか。まずは10位〜6位までを一気にお届けしよう。
10位●有働由美子(日本テレビ『news zero』キャスター)
ニュース感覚zero」の忖度体質キャスター、爆誕
今年3月、NHKではめずらしくリベラルな論調だった『あさイチ』を降板、「ジャーナリスト」として活動するとしてNHKを退局したものの、新キャスターに就任した『news zero』では「ジャーナリスト」からは程遠い姿勢を露呈させた有働由美子。
たとえば、リニューアル初回の10月1日の放送では、前日に投開票だった沖縄県知事選に、なんと最後まで一言も触れずじまい。『あさイチ』では断続的に沖縄の基地問題を扱っており有働自身の関心も高いと思われていたのに、である。
しかも、この日の番組終盤には第4次安倍改造内閣の組閣情報が速報で入ってきたのだが、国会からの中継記者が「ある自民党議員は『在庫一掃内閣だ』と話している」と解説すると、有働は「すみません、『在庫一掃内閣』と言われているのも結構な言いようなだなあと思うんですけども、適材適所は適材適所ってことでいいんですか」とすかさずフォローしてみせた。
さらに、7月に問題となった杉田水脈議員の“生産性がない”発言では、10月24日の臨時国会開会で杉田議員が記者からの「撤回するか」という質問に「いえ」と返し、「不適切だった」「誤解を招いた」などと釈明した10月24日までこの話題を取り上げず。その上、有働は杉田議員の釈明を「“生産性”については、きょう、まあ撤回したということなんですけれども、発言自体については撤回しないという」などと発言。数十分後、「撤回はしていませんでした。大変失礼しました」と訂正およびお詫びを述べたのだった。
この「撤回した」や「適材適所」発言は、「なんとかフォローしなければ」という気持ちから反射的にコメントしているとしか思えない。ただし、これは有働が“安倍応援団”的あるいは“自民党寄り”の政治スタンスをもっているということではなく、“賛否の分かれる話題で自分の立場を明確にしたくない、権力の批判をするときは絶対に両論併記をしなければいけない”というNHK的な忖度体質が身に染みついているせいだろう。だが、政権の問題に切り込まない、そもそも取り上げないという有働の姿勢は、まさしくいまのメディアを象徴するものと言えよう。
9位●野村修也(弁護士)
金曜『報ステ』忖度リニューアルで“政権代弁マシーン”が
日テレが安倍首相の“天敵”だった村尾信尚キャスターを降板させたと同時に、テレビ朝日も『報道ステーション』をリニューアル。政権の不正や問題に対して批判的な発言で踏み込んできたサブキャスターの小川彩佳アナウンサーを降板させた上、金曜日のコメンテーターに抜擢したのが、これまでワイドショーなどで安倍政権の擁護を繰り返してきた野村修也氏だった。
そして、実際に野村氏は解説と称して政府の代弁的なコメントを連発している。たとえば、安倍首相と玉城デニー沖縄県知事が初会談をおこなった際には、「普天間基地が固定されることは絶対に回避されなけれないけない」と解説。
政府は辺野古に新基地をつくったあとも普天間から基地をなくすとは約束すらしていないというのに、そうした事実に触れることはしなかった。さらに、辺野古への土砂投入がおこなわれた12月14日の放送ではVTRで軟弱地盤の問題を詳しく伝えたが、野村氏は軟弱地盤の改良工事の必要性を“沖縄の主張”だとし、「政府のほうは地盤の改良はせずに工法の工夫でなんとかできるんじゃないかと言っているんです」と、またも政府の主張をそのまま紹介した。
そもそも、リニューアル後の『報ステ』金曜は情報番組やスポーツの印象が強い小木逸平アナと竹内由恵アナがキャスターを務め、その内容はワイドショーさながら。現に、安倍政権が入管法改正案を強行採決しようとしていた最中の12月7日の放送では、フィギュアスケートGPファイナルのニュースがトップで、次に取り上げたのは「寒暖差疲労」なる話題という有り様。もはや報道番組として「死んだ」状態である上に、政権擁護コメントが繰り出される『報ステ』金曜……いっそのこと『スポーツ&お天気ステーション』にしてしまったほうが害は少ないのではないだろうか。
8位●北村晴男(弁護士)
改ざん問題で「朝日は証拠出せ!」と喚きネトウヨ番組レギュラーに
今年3月2日に朝日新聞がスクープした、森友文書改ざん問題。同月9日に近畿財務局の職員が自殺したと伝えられたことを機に、政府は12日になってようやく改ざんの事実を認めたが、朝日の一報からの約1週間、安倍応援団たちは“朝日は証拠を出せ!”とがなり立てていた。そのひとりが、北村晴男弁護士だ。
たとえば、3月6日放送の『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)では、「ただ疑惑があるといって大騒ぎしたって意味がない」「朝日が証拠を出さなきゃダメです、これは」「ただたんに疑惑があるよっていう報道をただやっていくというやり方は正しくない」と主張。
しかも、政府が決裁文書の改ざんを認めた翌日の13日にも北村センセイは同番組に出演。スタートからしかめっ面で明らかに苛立っている様子だったが、番組が改ざん文書の疑問点に次々と切り込むと、もはや錯乱状態としか言いようのない状態に。他の出演者たちが“昭恵夫人の名前が登場したことで特例取引が動いたように見える”というふうに疑義を呈すると、北村センセイは唐突に「一般的にはですね、そういうのチラつかせる人ほど一番信用できないじゃないわけですか!?」とキレまくり。
当然、スタジオは「何言ってんのこの人?」という空気になったのだが、サバンナの高橋茂雄が「(昭恵夫人が)名誉校長ホンマにやってはんねんやっていうのが、信用してしまう決定打になるような」と言うと、北村センセイは脈絡もなく“江戸時代じゃないんだから、ありえない”と強弁。
高橋が「普通やったら絶対ありえへん江戸時代のような忖度が実際こうやっておこなわれて、安く土地を手に入れて小学校建てようとまでしてたから、こうやって問題になってるということじゃないんですか」と至極真っ当な意見を述べても、「ただまあ財務大臣の立場に立って考えると、やっぱり官僚に嘘つかれたんすよ。書き換えなんかしてないって言って嘘つかれてんすわ」と、“悪いのは官僚で麻生太郎財務相は被害者”という政権擁護をはじめたのだった。
スタジオでは完全に浮きまくりだった北村弁護士だが、こうした露骨な活動がネトウヨに受けたためか、今年6月からはなんと安倍応援団の殿堂である『真相深入り! 虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)の隔週レギュラーの座をゲット。ぜひとも今年は極右ネット番組に専念し、地上波はご遠慮いただきたいものである。
7位●岩田明子(NHK政治部記者、解説委員)
外交の安倍総理!」誇大広告解説でアシストし続けた“喜び組”
「安倍首相にもっとも近い記者」のひとりとして知られ、当ランキングの常連となっている岩田記者だが、今年も誇大広告でしかない「外交の安倍」の大宣伝に励み、見事ランクイン。
たとえば、歴史的な会談となった韓国・文在寅大統領と北朝鮮・金正恩委員長による南北首脳会談が開催された日には、岩田記者は「日米韓が連携して圧力をかけてきたから北朝鮮が対話を求めてきた」「南北関係だけが進展すると包囲網が崩れかねない」などと言い出し、圧力一辺倒の安倍首相が乗り移ったかのような調子で南北会談が裏目に出るとの珍説を展開。
さらに、北方領土の4島返還から「2島返還プラスアルファ」論にスライドさせた11月の日露首脳会談についても、「日ソ共同宣言を基礎とする方針は安倍総理から提案したもの」「平和条約交渉を本格的にはじめるためにカードを切った」と言い、安倍首相の手柄だとアピール。まったく割に合わない膨大な経済支援を約束させられた挙げ句、結果は「0島返還」という世紀の大失敗外交になる公算が高いにもかかわらず、だ。
無論、9月の日米首脳会談で合意した二国間での貿易協定交渉についても、事実上のFTAでしかないのに、“交渉の結果、TAG交渉をはじめることになった”“アメリカが求めていたFTAではない”と、またも安倍首相が憑依したかのように必死になって強調したのである。
とくに今年は、北朝鮮問題で“蚊帳の外”に置かれたのをはじめ、安倍首相の“外交の失敗”が次々と露呈したのに、どこにもない「成果」を懸命に捏造して電波に乗せた岩田記者。その舞台が公共放送たるNHKであることを考えれば、罪はかなり深い。
6位●立川志らく(落語家)
なんでも「野党ガー」にすり替える“権力者目線”落語家
『M−1グランプリ2018』(ABCテレビ)での審査と採点でも話題を集めた落語家・立川志らくだが、そんなことより批判されるべきはワイドショーでの政権擁護発言の数々のほう。なかでも今年は、しきりに野党バッシングに精を出して安倍政権を庇いに庇ったからだ。
3月18日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ)では、森友文書改ざん問題について「朝日新聞がもってきたスクープなのに、なに、自分たちの手柄のように言ってるんだ、みたいなふうに見える」「これだけ自民党がチョンボを犯しても(国民は)政権交代を望んでいないというこの現実を野党はどう見るかってこと」と述べ、なぜか野党批判に話題をスライド。かたや、安倍首相や麻生財務相の関与については「それが一番わかりやすいんだけど、でもバレたら、こんな大変なことはないから、そんなことするのかなぁって」と言い、“指示を出すなんてあり得ない”と主張した。
また、西日本豪雨で安倍首相が「赤坂自民亭」に参加していた問題を取り上げた『ひるおび!』(TBS)では、「酒を飲んだことを非難してもしょうがない」「これだけの雨が降ったんだから、自民党の人たちだって国民の命を無視してこうやって飲むわけがない」と発言。宴会の裏では京都で14万人に避難指示が出ており、現実に安倍首相は「国民の命を無視して飲んでいた」のに、よくもまあこんなことが言えたものだと呆れるが、言うに事欠いて志らくは「野党は揚げ足をとっている場合ではない」とまたも野党批判をはじめたのだった。
しかも、この露骨な政権擁護に批判の声が集まると、志らくは『ワイドナショー』で「擁護などしていない」と反論。しかしここでも「安倍総理なんか次の日は、二日酔いで出てきたって。安倍総理50分しか、この会合いないんですよ。あと対応に見舞われて、それでくたびれて出てきたのを、二日酔いだと。それは叩くやり方がおかしいだろうって、こう言ったんです」と安倍首相の擁護を上乗せ。二日酔いではという声はたしかにネット上であがっていたが、二日酔いでなかったとしても、安倍首相は宴会後1分足らずの取材を受けたあと、公邸ではなく私邸にまっすぐ帰っている。家で災害対応していたなどという言い訳は通用しないのに、どうして「(災害)対応に見舞われて、それでくたびれ」たことになるのだろう。
だが、もっとも酷かったのは、沖縄県知事選で玉城デニー氏が約8万票もの大差をつけて圧勝した翌日の発言だ。志らくは「(基地建設を)妨害する、つくらせないっていうのはいいんだけど、それじゃあどうするんだってことですよね」と言い、辺野古への新基地建設に反対することを「妨害」だと言ってのけたのだ。
政権の肩をもち、何かあると野党を批判し、沖縄県民の民意を「妨害」と表現する──。こんな“権力者目線”の落語家をもてはやすとは、とことんメディアは腐っているとしか言いようがない。
(後半につづく)
(編集部)
最終更新:2019.01.04 10:46
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