自殺した近畿財務局職員が「自分1人の責任にされてしまう」のメモ! 財務省理財局でも責任押しつけの犠牲者が

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財務省HPより

「このままでは自分1人の責任にされてしまう」「冷たい」──今月7日に自殺した近畿財務局の男性職員が遺したメモの詳細を、昨日夜、NHKが伝えた。

 この男性職員が書き遺した言葉は、痛ましく、生々しい“告発”だった。数枚にわたるメモには、こんなことが綴られていたという。

「決裁文書の調書の部分が詳しすぎると言われ上司に書き直させられた」
「勝手にやったのではなく財務省からの指示があった」
「このままでは自分1人の責任にされてしまう」

 男性職員は仕事に真面目だったと報じられているが、本省から文書の改ざんを指示され、さらにマスコミ対応にも当たり、どんどんと心身ともに追い込まれていったとみられている。実際、現在発売中の「週刊新潮」(新潮社)によれば、親族は男性職員から「(月に)100時間を超える残業が続いていた。それも何カ月も」「鬱の反応が出ている。薬も合わず、夜も眠れない」と聞いていたと語っている。

 しかも、政府は当初、近畿財務局だけに責任を押し付ける方向で動いていた。そうした状況が男性職員を死に追い込んだのは、「このままでは自分1人の責任にされてしまう」というメモの文章からも明らかだ。

 安倍首相や麻生太郎財務相がまったく責任をとろうとしない一方で、現場の職員だけが追い詰められているこの状況には激しい怒りを感じるが、犠牲者は他にもいるようだ。

 数日前から、今度は財務省理財局の職員が自殺したという情報が流れている。しかも、2人の名前が挙がっている。

 ひとりは、理財局国有財産業務課の係長だったAさん、もうひとりは、理財局の別の課の調査主任のBさんだ。

佐川局長の答弁チェックにかかわっていた財務省理財局職員にも自殺情報

 調べてみると、まず、国有財産業務課係長のAさんについては事実である可能性が非常に高いことがわかった。Aさんは今年1月29日に亡くなっており、これが自殺とみられているのだ。

 しかも、Aさんは直接、森友学園の土地取引にかかわったわけではないが、当時は佐川宣寿局長らの答弁チェックも担当していたという。

 また、亡くなった1月はまだ、改ざんは明らかになっていないが、すでに大阪地検の内偵捜査ははじまっており、土地取引問題が何らかの影響を与えた可能性がある。

ただ、Aさんについては、すでに複数の新聞、テレビが財務省に取材をかけているものの、財務省が「過労死」だとして自殺を否定しているようだ。

「警察は非公式に自殺と認めているんですが、財務省が認めないため、各社とも記事にできない状況です」(全国紙社会部記者)

 一方、もうひとりのBさんについては、いま現在も「過労死なのか自殺なのか確認がとれない」「自殺でなく自殺未遂。生存が確認された」とさまざまな情報が入り乱れている状態で、はっきりとした事実はわかっていない。

「とにかく、財務省理財局は責任を押し付けられ、疲弊しきっている。ちょっと姿が見えないと『自殺したんじゃないか』と疑心暗鬼になっている状態です。一昨日も官邸とのパイプ役である官房長が連絡が取れなくなって、『すわ自殺か』と大騒ぎになったばかり。結局、官房長は見つかり、予算委員会の答弁に立つことになったらしいですが」(同前)

 しかし、少なくともたったの1〜2カ月のあいだに、森友学園の土地取引をおこなった部署で、自殺、あるいは自殺が疑われる件が複数もち上がっているということ自体が異常な状況だろう。

 そして、安倍首相や麻生財務相が今後も「改ざんは財務省理財局と近畿財務局がやったこと」という責任押し付けをつづければ、さらに犠牲者が増える可能性もある。繰り返すが、近畿財務局の職員は、「このままでは自分1人の責任にされてしまう」というメモを残して自殺しているのだ。

 痛ましい事態がこれ以上広がらないためにも、権力中枢にいる本当の「犯人」を徹底追及し、責任を取らせる必要がある。

最終更新:2018.03.16 07:15

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