「ハニトラ」発言に続き山口達也事件でも被害者批判を放置!『ワイドナショー』松本人志の女性蔑視体質の根源

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フジテレビ『ワイドナショー』番組サイトより

 日本を代表するマッチョ&安倍政権応援番組である『ワイドナショー』(フジテレビ)で昨日、またも呆れ果てるような発言が飛び出した。ゲストとして出演した武田鉄矢のコメントだ。

 TOKIO・山口達也の強制わいせつの話題で、武田はTOKIOの音楽活動の継続を求めたのだが、そのなかで、このような話をはじめた。

「ちょっとイヤな言い方するけど、世間の風向きって変わりますからね。昨今、世の中の透明度がよくなるのはいいけど、なんかねえ、世間の空気に栄養がないと言いますかね。ちょっとね、そういう思いがあるんです。あまりにもみんな清潔なものを求めすぎているという」

「清潔なものを求めすぎ」も何も、今回、山口が犯した問題は犯罪に該当する性暴力事件だ。被害者が告発をおこなうことも、加害者が社会的制裁を受けることも当然の話だが、それを「透明度があがって世間の空気に栄養がなくなった」などと述べることは、性暴力被害を軽く扱っている証拠だ。

 だが、この武田の発言に対して疑義を呈する者はもちろんなし。それどころか、MCの東野幸治が現役高校生コメンテーター“ワイドナ高校生”を務める女子高生にまわりの反応について尋ねると、その女子高生は「山口さんも悪いのかもしれないですけど、同じ年代からすると、なんで(家に)行ってしまったんだろうって。ちょっと高校生のほうに厳しい意見が向けられているのが現状です」と回答。

 しかし、唖然としたのはその後の展開だ。大の大人が雁首を揃えているというのに、この女子高生に対して「そんなことはない。誘う大人が全面的に悪い」と諭す声は上がらずじまい。それどころか、小島瑠璃子は「同い年の子しか言えないことですよね、これは。大人は言えないですからね」と、まるで我々が言えないことをよくぞ言ってくれたとでもいうような発言をしていた。

 日曜日の午前中というあらゆる世代が視聴する時間帯に、性暴力を矮小化し、被害を受けた女子高生を責めるような論を“ひとつの意見”としてそのまま流す──。この異常なスタジオの空気は、いかにも『ワイドナショー』的と言うべきだろう。

福田次官のセクハラで「ハニトラ」説を唱えた松本の女性蔑視体質

 そして、こうしたスタジオの空気を支えているのは、松本人志の存在である。松本は、山口の問題では「これが『ハニトラ』だって言うてる奴がいるんですけど、いや、アホかと」と発言するなど一貫して批判的な態度をとっているが、一方、財務省の福田淳一・前事務次官のセクハラ問題では、そのハニートラップ説を唱えていた。

「テレ朝さんは、いやいやそれは違うセクハラがすべてなんだって言うんだけど、でもそこに行かせたんだったら、これはパワハラじゃないのか、ということになってくると僕は思うんですね。でもテレ朝さんが『いやパワハラじゃない』と言うんだったら、女性は自ら前のめりにこの1年間、取材をしてきたのか。そうなったらなったで、これはハニトラじゃないのか、ってことになってくるんですよ」
「どれも全部一本じゃないと僕は思うんですよね。ですので、僕の見解としましては、セクハラ6、パワハラ3、ハニトラ1でどうですか?」(4月22日放送)

 テレビ朝日の女性記者はセクハラ被害を受けて、1年前から福田事務次官と夜に会合をもつことを避けていたことがこの少し後に明らかになったが、それ以前に、あの福田事務次官の「胸、さわっていい?」などの発言を聞けば、「ハニトラ」などありえないことは明らかだ。にもかかわらず、松本は被害者女性を攻撃したのだ。

 しかも、呆れたのは翌週の放送。4月29日放送回では、ハニトラ説を主張したことが批判されたことを自ら取り上げ、「(ハニトラの)『その可能性もあるよ』と(言っただけ)」「断言はしてないですよ。10のうち1はあるかなって言ったんですけど。『松本がハニトラだって言ってる』みたいになっちゃったりして」と不満を漏らしたのだ。

「10のうち1」などというのが言い訳になるわけがない。前述したようにこのケースで、たとえ「1」でもハニトラなどありえず、それをわざわざ“はめられた”と主張するのは、加害者である福田次官を擁護するためとしか考えられない。

 しかも、実際の松本は「ハニトラ1」と言っただけではない。その発言の後も松本は「ハニトラないかな?」としつこくハニートラップ説を展開。たまりかねたフジの山崎夕貴アナが「(ハニートラップは)考えにくいと思います」「パワハラに関しては、上司からこの人に取材するようにっていう担当が決められちゃったら、嫌なことがあってもすぐに上司に上げるっていうのは自分のなかなかで責任感があったらなかなかできない」と真っ当な反論をおこなったが、しかしそれでも松本は「ハニートラップないかな〜」と言い募っていた。

 松本は批判されたので慌てて「断言してない」などと言い訳しているが、そもそも「セクハラ」が悪いことだとは思っていないのだろう。むしろ「セクハラぐらいでガタガタ言うな」というのが松本の本音ではないのか。

 じつは松本のセクハラに対する無神経さは、4月15日放送の回でも見てとれた。この放送回では元NHKの登坂淳一アナウンサーを出演させセクハラ・パワハラ問題について釈明させたのだが、松本はゲストコメンテーターとして出演していた芸人のいとうあさことこんな会話を繰り広げた。

松本「たとえば、俺がいとうあさこと飲んでてさ、急にブッチューってキスしたら、それはセクハラになる?」
いとう「超うれしい!」
松本「そう、そう、ね! でもそれがまた俺のパワハラやって言う人もいるから。それは『いとうあさこ、そう言うしかなかったよね』って」
 
 いや、それは芸能界、芸人の圧倒的な上下関係を考えれば、「そう言うしかない」だろう。こうして力関係で女の声を奪い、セクハラ行為を正当化し、それを笑い話にしてしまうことは、害悪以外の何物でもない。

『人志松本のすべらない話』で千原ジュニアと木村祐一の暴行を笑い話に

 いや、セクハラどころではない。松本やその周りのお笑い芸人たちは、山口事件を彷彿とさせる女性への暴力事件まで笑い話にしてきた。

 たとえば、2010年6月26日に放送された『人志松本のすべらない話』(フジテレビ)では、千原ジュニアが木村祐一と一緒にある女性を部屋に連れ込んだ際、「私はそんなつもりで来たんじゃない」と言い、帰ろうとする女性の足元に、木村が冷凍室から取り出した鶏肉を投げつけた……という話を「すべらない話」として面白可笑しく披露したことがあった。

 このとき千原は「私はそんなつもりで来たんじゃない」という女性の弁に対し、「いやいや、それ以外何があるんですか?と。お互い大人で」などと解説までしてみせた。まさに被害者が訴え出ていれば、刑事事件になっていてもおかしくない問題だが、スタジオでは、松本人志をはじめ共演者の芸人もこのジュニアの話に大爆笑したのである。

 つまりこれは、この松本人志まわりの芸人たちに、そういう女性をモノ扱いする価値観、「芸能人に口説かれたらやらせるのが当然」という傲慢な感覚が共有されているということだろう。実際、芸人の世界では、後輩にナンパさせ、合コンをセッティングさせて、強引に女性を口説くということが日常茶飯事になっており、週刊誌ではトラブルもしばしば書き立てられてきた。事件になっていないのは、女性が泣き寝入りしているからというだけではないのか。

 下劣な性暴力を芸人たちが「笑い話」にしてきたことは、これをネタとして消費する悪しき習慣が社会に根付いた大きな要因のひとつになっていることは間違いない。そして、松本が明確なセクハラ・パワハラに対してハニートラップ説を唱えたことや、山口達也の性暴力事件を矮小化するコメントが番組で多発したことも、加害男性を守り被害女性を貶めるという社会にある女性差別の温存に、確実に一役買っているのである。

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