生前退位で天皇の意向無視した安倍首相が親しい政治家の前で天皇を茶化す発言! 天皇は誕生日会見で何を語るか

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安倍晋三公式サイトより


 天皇の「生前退位」をめぐる安倍首相の諮問機関「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が14日、退位制度の恒久的法整備は困難と判断し、今上天皇の一代に限る特例法の制定を政府に提言する方針を固めた。

 本サイトはこれまで、この有識者会議のことごとくが政権の意を組んで進められていることをレポートしてきたが、安倍政権が「一代限りの特別法」で対処したい理由は、極右陣営が「生前退位」に必要な皇室典範の抜本改正に反対していること、また、首相の悲願である改憲のスケジュールに影響を与えないためである。

 しかし、当事者である今上天皇自身は、退位制度の恒久的整備を望んでいる。今上天皇は、NHKによる「生前退位の意向」の第一報があった今年7月、学習院幼稚園からの学友で現在も親交の深い明石元紹氏に直接電話し、「これは僕のときだけの問題ではなく、将来を含めて可能な制度にしてほしい」と伝えたという(産経新聞12月1日付)。

 そしてなにより、現憲法下では天皇の地位は国民の総意に基づく「象徴」であり、各世論調査では大多数の国民が天皇の「生前退位」制度の恒久化に賛意を示している。たとえば朝日新聞が9月に実施した調査では「生前退位」に「賛成」(91%)のうち「今の天皇陛下だけが退位できるようにするのがよい」が17%に対して、「今後のすべての天皇も退位できるようにするのがよい」が76%だった。10月末の日経新聞による調査でも、ほぼ同様の結果があらわれている。

 つまり、典範改正による恒久的制度化をせず、一代限りの特別法でお茶を濁そうとする安倍政権は、こうした世論及び天皇の意思を完全に無視しているのである。国民軽視も甚だしいが、そんななか、天皇をめぐる安倍首相の姿勢を物語る、驚愕すべき情報が飛び出した。

「ある有力政治家の話ですが、彼が官邸の総理執務室で安倍さんと生前退位の話をしたら、安倍さんはカーペットに膝をつきながら、『こんな格好までしてね』と言ったらしいのです。ちょっと何て言うか、天皇陛下が被災者の方々に寄り添うお姿を、そういうふうにちゃかしてみせるというのは……。信じがたいですね」

 これは、発売中の雑誌「月刊日本」12月号(ケイアンドケイプレス)で、毎日新聞編集委員の伊藤智永氏が明かしたエピソードだ。

 伊藤氏は、これまで政治部や経済部、ジュネーブ特派員を歴任してきた毎日新聞入社31年目のベテラン記者。「月刊日本」は保守系月刊誌だが、今月号で「天皇陛下のお言葉を真摯に受け止めよ」という特集を組んでおり、そのひとつとして「安倍総理の天皇観を問う」と題する、伊藤氏のインタビューが掲載されている。

 そのなかで伊藤氏は“毎日新聞ではなく私の見解”としたうえで、今上天皇個人に敬意を払いつつ、この間の「生前退位」めぐる有識者会議の運営や宮内庁の更迭人事など、政府の動きを批判。そして、インタビュアーから「保守とされる安倍政権には畏れが感じられません」とふられると、傍証として上記のような有力政治家の証言を紹介したのだ。伊藤氏は念を押すように、こうも語っている。

「たとえば陛下は即位後、天皇として初めて被災地に訪問して、膝をつきながら被災者を慰められました。当時は一部の人たちが『そんなことをすべきではない』と批判しました。陛下が皇太子時代から皇后陛下とお二人で誰にも言わずにずーっと考えてこられたことを黙って行動に移したら、『そんなこと』と言われたわけです。さらにそれから20年以上、誰に何を言われようと黙って続けてこられて、東日本大震災後には国民から『これが新しい象徴の紛うことなき在り方だ』と受け入れられているのは、日本社会の現実ですよね」
「天皇陛下が自分はなぜここにいて、何をすべきで、どこへ向かい、どうバトンタッチしていくのか、ということを、誰も教えてくれない、お手本もない中で、真摯に考えて実践されてこられた賜物です。ただならぬことですよ。決して当たり前ではない」

 これはまさに正論だろう。ところが、この天皇と皇后が幾度となく被災者・避難者の元を訪れ、その声に真摯に耳を傾けてきた様子を、安倍はポーズを真似てからかったというのである。にわかには信じがたい話だが、一方で、これは安倍ならやりかねないことでもある。

 天皇は「お気持ち」のビデオメッセージのなかでも「日本の各地、とりわけ遠隔の地や島々への旅も、私は天皇の象徴的行為として、大切なものと感じて来ました」と語っているように、国民と同じ目線になることこそ“民主主義国の天皇”の姿だと考えている。

 ところが安倍にとって、今上天皇が築き上げてきた民主主義的な“天皇像”は、まったく面白いものではない。自民党の改憲草案が第1条で天皇の地位を「元首」に改めていることからもあきらかなように、安倍政権が目指すのは、天皇を現人神として位置付け国民支配の装置とした明治憲法下の日本だ。そのためには、天皇を皇居の奥に引きこもらせ、国民と一線を画した存在に仕立て上げる必要がある。

 天皇は国民よりも一段も二段も上にいなければならない、天皇が国民の前に直接出てきてひざまずくなどもってのほか。安倍が今上天皇の被災者訪問を茶化したのは、そういう意識のグロテスクな表出だろう。

 実際、こうした安倍の天皇に対する敵意は、ここ数年、側近を通じて次々とあらわになっていた。たとえば2014年には、安倍のブレーンである八木秀次・麗澤大教授が、天皇・皇后の“護憲発言”に対し「宮内庁のマネジメントはどうなっているのか」とかみついた(「正論」14年5月号/産経新聞社)。また、今回の「生前退位」の有識者会議に関しても、意見を募るヒアリング対象者に、八木秀次をはじめとする“代弁者”を送り込み、国民世論、そして天皇へのカウンターを狙った。ヒアリング対象者のひとりである平川祐弘東大名誉教授は、11月、記者団にたいしてこう述べていた。

「ご自分で定義された天皇の役割、拡大された役割を絶対的条件にして、それを果たせないから退位したいというのは、ちょっとおかしいのではないか」

 これが、安倍政権から天皇へのメッセージだ。しかし、天皇が「お気持ち」の映像まで出して、国民に直接「生前退位」の意向を示したのは、単純に高齢化により公務が負担になったから、ではない。今上天皇は、「日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を、日々模索しつつ過ごして来ました」と宣言するとともに、「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくこと」を念じた。そこには、皇太子の代になっても天皇という存在が政治利用されてはならない、という意味が込められている。

 天皇は例年12月の天皇誕生日に先駆けて、宮内庁で会見を行う。この“誕生日会見”は記者が天皇に直接質問できる唯一の場面だ。第二次安倍政権誕生からおよそ1年となる2013年には、今上天皇は記者からの質問に答えるかたちで、日本国憲法を「平和と民主主義を、守るべき大切なもの」と最大限に評価し、安倍首相を牽制した。

 そして今月20日に予定されている今年の“誕生日会見”。「週刊新潮」も記事にしていたが、すでに宮内庁周辺からは、天皇が有識者会議やヒアリングの人選の偏りに激怒しているとの情報も漏れ伝わってきている。

 国民が「生前退位」の恒久的制度化を支持しているにもかかわらず、それをはねつける安倍首相に対し、天皇はどんなメッセージを送るのか。大いに注目したい。
(宮島みつや)

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