横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」29

米軍ヘリ事故直後の沖縄・南城市長選で“オール沖縄”が勝利! 名護市長選や日米地位協定改定論議、さらに改憲に楔を!

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与党の事後現場視察や公共事業推進は名護市長選向けの“パフォーマンス”

「『米国ファースト・日本国民二の次』の対米追随の安倍政権(首相)VS県民第一の翁長知事」という構図が浮彫りになったが、野党は沖縄の訴えを重く受け止めて安倍政権を徹底追及する構えだ。

 実は、19日の与野党合同視察は15日の野党合同視察が発端だったという。両方とも参加した立憲民主党の本多平直衆院議員は、与党の内情をこう暴露した。

「12月に米軍ヘリの落下物事故が宜野湾市の緑ケ丘保育園と普天間第二小学校で起きた後、安全保障委員会の閉会中審査を求めましたが、与党は拒否しました。1月に入ってからは立て続けにヘリの不時着事故がうるま市と読谷村で起きた後、閉会中審査を再度申入れたところ、これにも応じない。そこで『野党はまず調査団を出す』と言って15日に視察をしたのですが、すると与党はようやく『安保委の議員視察をする』と言い出した。『15日に野党だけでは行かないで欲しい』とも言われましたが」

 野党の現地視察を与党が後追いした狙いは、「トランプ大統領の“下僕”のような安倍首相VS米国と対米追随の安倍政権に物が言える翁長知事の代理戦争」と見られている名護市長選への悪影響回避であることは容易に想像がつく。「米国に弱腰の自公推薦の渡具知武豊候補VS米国と安倍政権に物を言う『オール沖縄』支援の稲嶺進市長」という対決の構図では分が悪いので、現地視察と知事面談で“汗”をかいて米軍ヘリ事故問題や米海兵隊用の辺野古新基地建設が主要争点にならないようにしているのではないか。「名護市長選向けのパフォーマンスではないか」と勘繰りたくなる。

 安倍政権の「米国ファースト・日本国民二の次」の姿勢は15日の野党合同視察でも露呈した。読谷村のヘリ不時着現場で希望の党の渡辺周元防衛副大臣(党の外交・安全保障調査会長)が「(防衛省の)政務三役は現地視察に来ていますか」と質問すると、防衛省の中嶋浩一沖縄防衛局長から「来ていません」との回答。これを視察後に県庁で野党議員団から聞いた翁長知事は「別の所に行っていたのではないか」とつぶやいた。

 その場所が名護市を指すことはすぐに分かったが、防衛省政務三役が不時着現場を視察していなかったことも、安倍政権の「米国ファースト・日本国民二の次」の姿勢を物語るものだった。年末年始に菅官房長官と二階幹事長は名護市長選のテコ入れで現地入りした際、名護東道路完成前倒しなど公共事業予算増をアピールしながら自公推薦候補支援を呼びかける“土建選挙”を展開、血税を選挙対策費に流用するに等しい手法で新基地反対の稲嶺市長交代を目論んでいる。対米追随の安倍自民党は「県民の命よりも米海兵隊用の辺野古新基地建設優先」「日本国民の血税流用で米国益実現」と批判されても仕方がないだろう。

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