肺がんを告白した大林宣彦がそれでも映画をつくり続ける理由「映画には、世界を戦争から救う力がある」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
oobayashi_01_20170613.png
「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2017」公式 HPより


「映画とは風化せぬジャーナリズムである。自分自身を確立する手段であるという意識を持って生きていってほしい」

 今月11日、都内で行われた映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2017」の授賞式に公式審査員として出席した大林宣彦監督は後輩の映画関係者に対してこう語りかけた。

 大林監督はかねてより肺がんを患っていることを公表しているが、今回の授賞式が病気を告白してから初めての公の場でありニュースにも大きく取り上げられた。この壇上では、「余命3カ月の宣告を受け、本当はここにはいないはずでしたが、まだ生きてます。生きているならば、ただ一人、胸に温めていた黒澤明監督の遺言を伝えようと命懸けでここに立っております」と語ったうえで、かつて黒澤監督から「映画には、世界を必ず戦争から救う、平和に導く、そういう美しさと力がある」と教えられたことなどをスピーチしたという。

 大林監督といえば、『転校生』、『時をかける少女』など青春映画・アイドル映画の巨匠として知られているが、それ以外にも作家として大林監督の柱となるものに「戦争」と「平和」がある。大林監督は、12年公開の『この空の花 長岡花火物語』と14年公開の『野のなななのか』を挙げながら、インタビューでこのように答えたことがある。

「今の若い人たちに会うと「戦争も、死ぬのも嫌だけど、国のために死んでいくのはかっこいい。自分もそうなったら覚悟を決める」なんて言う。自衛隊が協力して作る映画を見てね。そういうのが一番怖い。戦争を知らない世代が次の戦争を起こす可能性が怖くて、二つの映画を作った。「この空の花」では主にアメリカとの戦争、「野のなななのか」では旧ソ連との戦争を描いた。戦争は恐ろしいと語ってから死のうと思っている。」(14年7月5日付東京新聞)

 また、15年9月15日付日刊スポーツのインタビューではこのようにも答えている。

「戦争を知っている最後の世代だからこそ、私たちが知っている戦争を若い世代に伝えていかないと、また次の戦争が起きてしまうかもしれない。それが、77歳になった今も頑張って映画を作り続けている理由です。シリアスにドキュメンタリーで伝えても、“私には関係ない”と言われてしまうし、私たちも辛い過去は忘れたいから、それをファンタジーやホラーにして趣向を変えてみせる。エンターテインメントとして見せられるのが映画の良いところであり、映画は面白く、楽しく歴史を学ぶ学校です」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

肺がんを告白した大林宣彦がそれでも映画をつくり続ける理由「映画には、世界を戦争から救う力がある」のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。大林宣彦編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 長渕剛が安倍政権を批判する新曲を発表
2 トランプ差別発言に有本香と玉川徹が
3 Nスペ731部隊検証にネトウヨ錯乱!
4 『永遠の0』は恐い!元特攻要員が批判
5 ウーマン村本こそ“最強反戦芸人”だ!
6 トランプ的どっちもどっち論横行の日本
7 綾瀬はるかが毒ガス製造の元兵士を取材
8 テレ朝が萩生田に全面謝罪した背景
9 欅坂46平手欠席の背景にブラック労働
10 ネトウヨ高須院長に息子が苦言!
11 吉永小百合が「9条は変えさせない」
12 葵つかさが「松潤とは終わった」と
13 幹部から新人までほとんどが商売右翼
14 ローラが所属プロと奴隷契約トラブルも
15 『朝生』で百田尚樹が徹底論破され大恥
16 イノッチが夫婦別姓反対派を一蹴!
17 水木しげるが描いた慰安婦「地獄だ」
18 グッディ!土田マジギレ真の原因
19 灘中校長が語る自民党とネトウヨの圧力
20 炎上、欅坂46の歌詞の最大の問題点
1吉川晃司が安倍の核禁止条約拒否を批判
2ウーマン村本こそ“最強反戦芸人”だ!
3 Nスペ731部隊検証にネトウヨ錯乱!
4菅官房長官が壊れ始めた!トンデモ会見
5加計幹部が官邸訪問、安倍と下村が
6久米宏、さんま、村本も東京五輪批判
7テレ朝が萩生田に全面謝罪した背景
8高橋洋一ら安倍応援団が特区ビジネス
9綾瀬はるかが毒ガス製造の元兵士を取材
10市原悦子が語る戦争と安倍政権への怒り
11長崎のメッセージも安倍には届かず!
12安倍応援団が発狂状態でメディア攻撃
13グアム北ミサイルは存立危機事態でない
14安倍は原爆の日も核兵器禁止条約を黙殺
15獣医学の重鎮が加計と安倍首相を一刀両断
16仲代達矢と桂歌丸が語った戦争体験
17手塚治虫が描いた戦争をいま読み直す
18閉会中審査、小野寺防衛相も隠蔽体質
19極右丸出し”日本ファースト”は小池命名
20幹部から新人までほとんどが商売右翼
PR
PR 飲むだけで女性のカラダの悩みを解消!?

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

室井佑月が斎藤貴男と「共謀罪」を徹底批判!「安倍政権に逆らう人が片っ端から逮捕される」

アベを倒したい!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」