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ディズニーランド、ブラックな実態〜バイトを無報酬で酷使?

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2013.08.30
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 それでもなお、バイトたちは従順だ。ディズニーのミッションを叩き込まれたあるバイトの女子は、母親から「ミッキーは何人いるの?」と問われた際、「何言ってるの。ミッキーは1人に決まってるじゃないの」と答えたという。小さい子どもに訊かれたのならわかるが、相手は母親である。たとえ中年の身内に対しても、夢を壊さない。このディズニーイズムはすばらしいが、それが生成される過程を知ってしまうと、げに恐ろしいエピソードとしか感じられなくなってしまうのだが……。

 そう。これらのエピソードは、いわばディズニーという"夢の国"だから成し得てしまう魔法なのだ。バイトたちは、ミッキーの笑顔にごまかされ、無報酬であることに疑問も持たず、客に夢を与えるという使命感に燃える──これでは最上のブランドイメージにつけ込んだ"ブラック企業"とも思えてくる。あのミッキーの薄気味悪い高笑いも、より邪悪に響いてくるようだ。

 「ブラック企業は許せん!」という声が高まる一方で、この"ディズニー式バイト教育"がもてはやされている現状。しかしその実態は、ブラック企業よろしく、不安定労働者を安く使っているだけ。これが本当に「成功例」なのだろうか。これでは、そのうち本質に気付いたバイトたちが、ミッキーやダッフィーの着ぐるみ姿で暴挙に出る日が来るかもしれない。はたしてそれでも、「中の人などいない」とディズニーは胸を張れるのだろうか?
(文=和田 実)

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