不仲・論争に関する話題……本と雑誌のニュースサイト/リテラ
百田尚樹VS維新・足立康史の醜すぎるツイッターバトル! さんざん持ち上げてきた大阪都構想をつぶすと言い出す百田の無節操
「月刊Hanada」7月号、8月号で連続で対談していた2人だが…
〈フォロワーの皆さん、昨夜は実におぞましい姿をお見せしてしまいました。まるでチンピラでしたね。お恥ずかしい。これまでツイッターで乱暴な言葉遣いは何度もしてきましたが、全部芸です。しかし昨日はマジでした。まだまだ修行が足りないなと反省です。しばらくツイッターを謹慎します〉
4日、自身のTwitterで「謹慎」を宣言した作家の百田尚樹氏、普段はどんなにデマやヘイトを批判されても謝らないあの百田センセイが「反省です」と口にするとは、いったい、なにがあったのか。
すでにネット上では広く知られているが、原因は、百田センセイと日本維新の会の“暴言王”足立康史衆院議員の“Twitterでの喧嘩”だ。
発端は例の『日本国紀』(幻冬舎)の編集を手がけた百田氏の“盟友”・有本香氏と、大阪維新の会法律顧問・橋下徹元大阪市長との間で勃発したバトル。そこに橋下氏側から足立議員が、有本サン側から百田センセイがしゃしゃり出てきて、世にも醜い罵倒合戦へと発展したのである。
正直、その議論自体はポジショントークみたいなものなのだが、流れを簡単におさらいしておこう。
そもそも、維新は今回の参院選のマニフェストのひとつに「9条議論の前提として国立追悼施設の整備やインテリジェンスの創設」を掲げているのだが、これに対して有本サンが〈基本的知識を備えないまま、安易な策(この場合は追悼施設建設)を繰り出すのが維新の問題点〉と批判したのが先月29日のこと。そこへ橋下氏が〈少なくても僕が代表の時、靖国の歴史くらいは十分に勉強している〉と噛み付いて論争に。
この言い争いのなかで、橋下氏の影から足立サンがしゃしゃってくる。それを、有本氏が〈「僕、問題解決のためこんなに仕事してます」アピールしようとする政治家〉と批判、橋下氏が〈「私たち、こんなにかっこよく正論を言っているでしょ!」アピールしようとする言論人〉と揶揄を仕返すと、後ろから百田センセイ出てきて〈その言い方は何ですか、橋下さん。討論の最中に、あまりにも人をバカにした言い方ではないですか?〉などと詰め寄るのだが、すると、今度は足立サンが上から目線でこうからかう。
〈百田さん、あまりにも人をバカにした言い方をしてきたのは、有本さん。橋下さんは、同じレベルまで降りていっただけ。まあ、本を売らないといけないのは分かりますが、私も、有権者の負託に応えなければなりません。口が悪いのはお互いさまです。何卒よろしくお願い申し上げます!〉(足立)
足立サンの言う「本を売らなければいけないのは分かりますが」というのは、おそらく有本サンが発端のツイートで“維新は靖国問題を分かってない!『日本国紀』を読め!”という趣旨の宣伝まがいのこともツイートしていたことに対してだろう。
とかく“人は本当のコトを指摘されるのが一番頭にくる”というが、有本サンがイライラした感じでツイートを返すと、足立サンは〈下品だっただけ〉〈有本さんの一連のツイートは、本当に失礼。内容ゼロ〉と煽りまくる。そして、これを見た百田センセイがプッツンしたというわけだ。
持ち上げまくっていた「大阪都構想」を「つぶす」と言い出す百田尚樹の無節操
〈本を売らないといけないのは分かりますがって…… なんやねん、その言い方は。おちょくってるんか。謝れよ。ケンカやったら買うたるで。〉
〈しょうもないツイートしてるヒマあるんやったら、俺に何か言うて来い。きっちり謝まらへんのやったら、絶対に許さんぞ、このボケ。国会議員や思て、調子に乗っ取ったらえらい目にあうぞ。〉(百田)
百田センセイはその後も〈ケンカやったら、何でもやるで。何やったら、殴り合いでもええで〉〈もう謝らんでええわ。まあ、いろいろ覚悟しとけや〉などと連発。もはや暴力団まがいだが、さらには維新がかかげる大阪都構想を「つぶす」と言い出した。
〈ここまで私をコケにする足立康史みたいなクソがのさばっている党は応援できないし、大阪都構想も支持できない。松井さんと吉村さんには悪いが、はっきり反対に回らせてもらう。〉
〈それに大阪にも住んでいないから都構想は生活に何の関係もない。〉
〈有本さん、もうこのガキ、謝っても許すな。ワシも許さん。こんなアホひとりを制御できない党もあかんやろ。松井さんと吉村さんには本当に申し訳ないが、来年の大阪都構想はつぶさせてもらうわ。〉(百田)
いや、ちょっと待ってくれ(笑)。キレてるのは分かるが、百田センセイといえば、これまで“維新の味方”として大阪都構想を支持してきたのではなかったか。実際、4月の大阪W選挙でも維新の松井一郎市長と吉村洋文知事を応援するツイートを連投。自民党が俳優の辰巳琢郎に府知事選出馬を要請すると、〈もし、出馬したら、大馬鹿者ということを証明したことになるね〉〈即座に断らないところが、コジキ根性丸出しやね〉との罵倒を繰り返していた。
つい先日も、極右雑誌「月刊Hanada」(飛鳥新社)の7月号、8月号と連続で松井市長と対談している。百田センセイは、W選挙で維新が勝利して「本当によかった」「大阪府民と大阪市民の答え、つまり民意」「自分には子も孫もいないけれども、自分たちが死んだあとも大阪に住んでいる若い人たちのことを考えて維新に投票してくれる。その気持ちは本当に嬉しいですね」(7月号)と絶賛し、「私は以前から、大阪都構想に大賛成してきました」(8月号)と都構想も持ち上げていた。
それが、ちょっと“暴言王”足立サンに喧嘩を売られただけで、「大阪都構想をつぶす」ときた。しかも「大阪に住んでないから生活に関係ない」などと嘯いている。ようするにこのオッサン、最初っから政策なんて考えずに維新を応援していただけ。それをツイッターで自ら暴露してしまったというわけである。
“裁判で負けても絶対謝らない”百田尚樹が謝罪? 安倍官邸と維新の蜜月が関係か
一応、解説しておくと、維新は国政では安倍政権の“改憲補完勢力”で官邸と橋下氏・松井市長の関係は親密。だからこそ、安倍応援団の百田センセイは(とくに大阪では)維新の肩を持ってきたのだろう。まったく、底が知れるというか何と言うか……。
そんな百田センセイだが、冒頭で紹介したように、4日にはこうしたTwitterでの発言を「反省」し、「謹慎する」と宣言した。いつもはデマに決定的な証拠を突きつけられようが、裁判で負けようが一切頭を下げない百田センセイが、今回は急にしおらしくなったのはなぜなのだろうか。
実は、この罵倒合戦のさなか、百田センセイが「都構想をつぶす」などと言い始めるのと前後して、松井市長がTwitterで〈足立さん、橋下氏、百田氏、有本氏の靖国議論は主義主張の異なる現代人が英霊の魂にいかに報いればいいのか?という視点で本気で議論されており僕は大変勉強になりました。民間人である有本さんに、内容ゼロは失礼です〉とツイート。足立議員にしっかり謝罪するよう促すなど、必死にフォローにまわっていた。
お怒りの百田センセイにヘコヘコとする松井市長も松井市長だが、こうした流れを考えると、やはり何かしらの手打ちでもあったのだろうか。あるいは、“改憲補完勢力”である維新との良好な関係を維持したい官邸筋から、百田センセイに矛をおさめるよう要請でも下ったのだろうか。
いずれにしても、この「橋下・足立vs有本・百田」の醜いツイッターバトルによって明らかになったのは、百田尚樹というオッサンが、実際には政策など何にも考えないまま、維新を応援していたということだ。いや、それは実のところ、安倍首相に対してもそうなのかもしれない。
ちなみに、百田センセイは4日に「ツイッター謹慎」を宣言した2時間後、ごく当たり前のようにツイートを再開した。さすがの“嘘つき”だが、「都構想つぶす」発言はともかく、足立議員に対してはいまだにご立腹な模様。表向き沈静化をはかろうとも、しこりは残り続けるだろう。本サイトとしては、このまま永遠にやりあってくれていっこうにかまわないのだが。
(編集部)
最終更新:2019.07.05 08:19
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