不倫相手の女性への攻撃によって、男たちはやりたい放題になる
しかも、この差別は女性に水商売やセクシー女優などの肩書きがあったり、性のはけ口的な役割を担わされていたりすると、さらにエスカレートする。今回の渡部の件でも、街の声や女性コメンテーターなどからも、東出昌大の不倫と比べて、「1人の人と3年も付き合ってた東出よりはマシ」とか「フウゾクみたいなものだから、まだ許せる」といった意見が、まるで正論のように堂々とワイドショーで語られていたが、性搾取を全面肯定するかのようなこれらの意見は、麻生太郎の女性差別発言とほとんど同じではないか。
まったく許しがたいが、こうしたバッシングが罪深いのは、不倫女性を傷つけ、追い詰めるだけではないことだ。
声をあげる女性に対して「おまえも加害者だ」「自分も不倫をしたくせに」などとバッシングされる状況を許したら、それこそ女性は自分にも罪があると思い込ませられ、どんなに理不尽な行為をされても、声をあげられなくなるだろう。そして、結果的に男は婚姻制度を隠れ蓑にして、やりたい放題できる状態になってしまう。
バッシングしている人びとがこのことに気づいていないはずはない。そんなことはとっくにわかっていて、だからこそ、自分たちが優位に立てるその差別構造を守るために、不倫相手の女性を攻撃しているのだ。
女性たちはこんな卑劣な詐術にひっかかってはならない。相手が結婚しているかどうかなんて関係ないし、自分が不倫関係の当事者になってしまったことを恥じる必要もない。あらゆる関係において、人格や尊厳を侵害されていると感じたら、どんどん声をあげていくべきなのだ。
(本田コッペ)
最終更新:2020.06.16 04:49