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ネトウヨ大喜び『反日種族主義』は韓国で出版前から日本版出版予定だった!編集協力に安倍応援団の産経・久保田や西岡力の名前も

『反日種族主義』の編集協力にあの“安倍首相のブレーン”の名前も!

 そもそも、同書は李栄薫氏が校長を務める「李承晩学堂」なる私塾が「李承晩TV」というYouTubeのチャンネルで講義した内容が元になっている。「李承晩TV」は昨年6月に開設。今年4月からはわざわざ日本語字幕付きの「反日種族主義を打破しようシリーズ」を始めており、日本でもネット右翼界隈など一部で話題になっていた。つまり、はじめから「日本の読者」を意識しており、その流れのなかで出版計画がもちあがったのである。実際、韓国のハンギョレ新聞も〈この本は韓国での出版前から日本語版の出版が計画されていた〉と伝えている。

〈李承晩学堂関係者は「講義映像は韓国の視聴者より日本の視聴者の反応が熱かった。それで本も韓国語版の出版前から日本語版を出そうとしていた。韓国人と日本人の翻訳者が分担して翻訳し、日本語が分かるイ・ヨンフン〔李栄薫〕教授がすべてを監修した。年内に出版しようとしている」と話した。続いて「慰安婦(の支援)活動をする人々が日本で友好勢力を確保したように、私たちも両国の友好協力を支持する市民勢力を作ろうとしている」と説明した。〉(ハンギョレ8月26日付)

 さらに『反日種族主義』には、産経の久保田氏とは“別のライン”も見え隠れしている。「安倍首相のブレーンの一人」とも言われる西岡力・麗澤大学客員教授だ。西岡氏といえば、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)」会長としても知られるが、慰安婦問題否定派の中心人物でもあり、今年3月には『でっちあげの徴用工問題』(草思社)なる本を著している極右論客だが、『反日種族主義』日本語版の巻末には「編集協力」として、産経の久保田氏とともに西岡氏の名前がクレジットされているのだ。

 これはどういうことなのか。実は、西岡氏がとある講演のなかで語るところによれば、李栄薫氏の弟子で同書の著者のひとりである李宇衍(イ・ウヨン)氏は「私の友人」なのだという。李宇衍氏というのは、『反日種族主義』のなかで徴用工問題を〈当時の朝鮮の青年たちにとって日本は、一つの「ロマン」でした〉などと言って「強制性はなかった」と主張している人物だ。

 李宇衍氏は、モラロジー研究所と関係の深い「歴史認識問題研究会」(会長・西岡力)なる団体の機関誌に『でっちあげの徴用工問題』の書評を寄せている。また、今年10月には同団体が主催するシンポジウム(司会・高橋史朗明星大教授)へ西岡氏とともに登壇予定だった(李氏の体調不良によって登壇中止)。さらに言えば、西岡氏の『でっちあげの徴用工問題』の内容は、李宇衍氏が『反日種族主義』で展開するロジックとよく似ている。日本の歴史修正主義陣営の最右翼である「安倍首相のブレーン」が『反日種族主義』の編集に関与している事実は、小さくない意味を持つだろう。

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