松本の性加害疑惑をなかったことにし早期復帰を煽るスポーツ紙! まさかの万博アンバサダー復帰まで
テレビのだらしなさには呆れるほかはないが、もっと酷かったのがスポーツ紙だ。スポーツ紙はジャニーズをめぐっても癒着と忖度報道が大きな問題になったが、吉本興業とも同等のべったりな関係がある。
そのため、松本人志の性加害問題でもこれまで、吉本のリークと思われるような擁護情報を散発的に流していたが、今回の「取り下げ」をめぐる報道は「ここまでやるか」と言いたくなるものだった。
なかでも露骨だったのが「スポーツ報知」だった。同紙は取り下げ発表の翌日朝刊の1面で、「松本人志 文春と電撃終戦」という大見出しの隣に、松本のコメントのうち「強制性の」「証拠はない」「確認いたしました」という部分だけを赤字で大きくして載せたのである。(1ページ目の画像参照)
繰り返しになるが、密室で起きた性加害事件で直接的な物証がないのは当たり前。にもかかわらず、その部分だけをわざわざ1面でクローズアップするというのは、明らかに松本人志や吉本興業の意図に乗っかって紙面を作ったとしか思えない。
しかも、「スポーツ報知」は芸能面では「松本年明け復帰 来年4月大阪万博アンバサダー視野」などという大見出しをうって、復帰の露払い報道を展開。さらに、東国原英夫の「復帰意向歓迎、まずは一歩目」「週刊誌も時代と共に変わらないと」などとする松本擁護、文春批判コメントを大きく掲載した。「時代と共に変わらなきゃいけない」のは、「ハラスメントや性加害の意識」のはずなのに、「週刊誌」のほうに「変われ」と説教するとは、とんでもない錯綜ぶりだが、東国原は以前から松本に擁護的で「週刊文春」批判を繰り返してきた御仁。「スポーツ報知」は明らかにそれを見越して、コメントに起用したのだろう。
「サンケイスポーツ」も同様で、9日早朝のウェブ版記事では「松本人志VS文春の裁判終結「強制性示す物的証拠ないことを確認」活動再開へ「調整」」と、やはり「物的証拠がない」ことを強調した上、復帰の露払い報道を展開した。
また、吉本と非常に近いことで知られる「スポーツニッポン」となると、一面から「松本人志 年明け復帰へ」と大見出し。さらに、芸能面では「浜田 再出発全力支援」「松本人志“訴訟終結”相方の決断を尊重」と打つなど、訴訟取り下げをすっとばして、復帰をメインに報道を展開した。
とにかくスポーツ紙はこぞってこんな調子で、事件そのものをなかったことにして、早期復帰を煽ろうとしているのがミエミエだった。しかも、複数のスポーツ紙がそろって具体的に「年明け」という復帰時期を明示していたところをみると、一連の報道の背景に、吉本興業の意向があるのは間違いないだろう。
「吉本は和解工作を始めた直後から、年明け復帰を計画して、我々スポーツ紙に散発的に復帰計画をリークしていた。今回、訴訟取り下げへの批判をかわし、復帰に向けた世論を醸成するために、本格的に復帰計画を書かせたんでしょう」(スポーツ紙記者)
しかし、だとしたら、慄然とするのが、複数のスポーツ紙が復帰を煽る記事の中で共通して書いていた「松本が来年4月の大阪万博アンバサダー復帰に意欲を示している」という情報だ。
万博というのは世界的イベントであり、性加害疑惑を抱えた人物がアンバサダーに復帰すれば、国際的な批判を招きかねない。吉本と松本は、そんな無茶苦茶な復帰計画を本気で立てているのだろうか。
松本に対しては、いまのところ、ネット上でも批判が大きく、松本や吉本の思惑通り年明け復帰できるかどうかは不透明だ。しかし、こうした忖度マスコミの体たらくぶりを見ていると、気がついたら、松本人志が記者会見もしないままいつの間にかテレビに復帰している、という事態も十分にありうるだろう。
(編集部)
最終更新:2024.11.11 11:15